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連載 REGULAR ARTICLES カイザー ワゴニア (Kaiser Wagoneer)デザインに惚れました…

カイザー ワゴニア (Kaiser Wagoneer)

1968年型カイザーワゴニアに乗る立石貴久氏に話を聞いた

「アメ車のデザインが好き」と語るクルマ好きは多いが、それはあくまで「アメリカンV8が好き」である前提であってのアメ車選びだったりするのだが、立石さんはデザイン好きが高じたアメ車選びをしたそうである。そんな方に旧車を楽しむ術を聞いてきました。

更新日:2014.03.25文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力

エイブル
TEL 0448571836 [ホームページ] [詳細情報]

人の心を刺激する旧車のデザイン

 建築やデザインの職業に就いている立石さんは、小さい頃からブリタニカ百科事典を眺め、画家ブリューゲルの絵に興味を持ったという。

 そんな幼少期の実体験を経て、身につけるものや所有するものすべてにおいて、何らかのデザイン的特徴を求めてしまうのは、立石さんにとっては仕方のないことだった。

 たとえばクルマ。決して旧車偏重というわけではないのだが、その実物を見ただけで人の心を動かす刺激があるのは、やっぱり旧車であるという。

 「今日乗ってきたカイザーは、1968年型ですが、この他に1968年型のダッジチャージャーを持っています。狙ったわけじゃないですが、共に刺激的なデザインですよね。それに自分の周りには旧車に乗る方が多いです。会社の上司はアルファロメオの旧車2台に乗ってますし、ヒステリックグラマーのマネージャーさんとは友人なんですが、彼は旧レンジローバーに乗っています。今度一緒にツーリングに行こうなんて話してるんです」
木更津から青山まで自走してきてもらいました。わずかな時間でしたが、周りの風景を一変させるだけの力がありましたね。カイザーには。
じつはこのクルマ、以前ショップで取材させてもらい実際に乗らせていただいた経緯のあるクルマである。だから、オーナーさんにお会いできて、しかも生の声が聞けて、旧車を楽しむための秘訣がわかったような気がします。
立石さんは当初、冷やかしに近い(笑い)、単なる見物のつもりだったという。だが、実際に実物を見て話を聞いたら、即買いだったそうです(笑)。
無骨とも言えるんですが、実際に見ると無骨さよりもデザインとしての洗練性を強く感じさせてくれます。旧車のデザインってほんとすごい。
基本的には常にベストコンディションを維持しているつもりですが、最大の秘訣はやっぱり走らすことでしょうか。そのためにも、クルマ選びとともに人選び、をしましょう。
旧車だからといって古色蒼然としたインテリアを想像するが、さにあらず。ジープ系とはいえ、こんな奥ゆかしいインテリアデザインを有しているのは、ブルックス・スティーブンスの才によるものだ。
古いのだが、デザインチック。カイザーワゴニアは、全体的にそういったデザイン的魅力に優れた作品である。

古いからといって飾って眺めるわけではない

 アウトドア的なフルサイズSUVにもかかわらず、街中にたたずむ姿もサマになる。そんなカイザーは1963年に誕生した。ブルックス・スティーブンスというデザイナーによる作品である。

 ブルックススティーブンスは当時、このカイザーワゴニアだけでなくミラービールや生活用具のトースター等のデザインを務め、グラフィックデザイナーでもあり、家庭用品、電化製品、さらに自動車etcをベースにデザインもするアメリカを代表する工業デザイナーであった。

 すなわち立石さんにとって、このカイザーは、一プロダクトとしてのアメリカンデザインに共鳴するからこその所有であったわけである。それはいわゆる絵画等に高額な対価を支払い所有する感覚に近いのかもしれない。

 とはいえ、「『飾って眺めるだけ』みたいなことはしませんね。チャージャーだって真夏でも普通に乗りますし、200キロ出ますし。カイザーだって今日も千葉からここまで普通に自走です(お住まいは木更津方面でしたね)。実際には納車3ヶ月くらいですが、1500キロ以上は走りましたかね」
内外装はオリジナル状態をキープしつつ、若干自分好みにアレンジも施すという。たとえばショック換えたり、ブレーキ大径化したり…。カイザーも現状をキープしつつ、追い追い検討していくという。

結局最後は「人」ですよ

 ショップエイブルにて納車後、何らトラブルもなく、エンジン始動も一発OK。まるで現代のクルマのように乗れると語るが、実際に不安はないのだろうか?

 「年代ものなんで、何かしら起こる可能性は頭の片隅に常にありますよね。実際に覚悟もしています。チャージャーの話になりますけど、高速走行中にミッション逝っちゃって…、たまたま降り口近くだったので自走で高速降りて助けを呼びましたけど(笑)、そんなこともありました。でもそれは、ある意味仕方ないことですから、そこはある程度割り切って乗ってます。ただ、ショップの方とのやり取りも含め、常にそこそこの状態は維持できていると思っているので、普段は気兼ねなく乗って出かけますね。あ、ただひとつ、やっぱり安全面に関してだけ、特にブレーキだけは旧車特有の弱さがありますから。車間だけには常に気を配り、多少広めに取ってますね」

 筆者も長いこと取材しているので、多少のことは聞かなくてもわかるのだが、立石さんは本当に実走しているオーナーさんである。取材中のクルマとの接し方を見てもそれはハッキリと伝わってきた。しかもこんなにデザインにこだわる方は初めてであった。で、聞いてみた。他に狙っているクルマってあるんですかね?

 「う〜ん、非現実的ですけど、フォードGT40ですかね…。できればマーク2で…。機能を突き詰めた先にあるデザインが魅力的です(笑)」

 最後にアドバイスを。立石さんいわく「旧車は個体の状態も大事ですが、やっぱり最後は人ですよ。お店とのフィーリングです。何かあった時にこの人たちはどう対処してくれるんだろう? って思った時に『大丈夫そうだな』って思える人たちなら、迷わず買って良いんじゃないでしょうか。けどもし良いクルマが見つかっても、『大丈夫かな、この人?』って思っちゃうショップなら辞めた方がいいと思いますね」

 結局、旧車は人選び。最終的にはそこに行き着く感じだそうです。
新しいクルマに興味がないわけでないが、クルマは性能だけでは絶対にないので、デザイン的な興味を引くものを加味すると、自然と旧車になるという。で、実際にチャージャーとの2台体制で毎日乗って使い倒している立石さんを、旧車好きの方々はぜひ参考にしてみると良いかもしれない。乗れば楽しい世界が待っている! という見本のような方であった。
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>> 1968 カイザー ワゴニア試乗 を見る

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