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連載 REGULAR ARTICLES シボレー コルベット C3 (CHEVROLET CORVETTE C3)デザインから見る、コルベットのオリジナリティ

シボレー コルベット C3 (CHEVROLET CORVETTE C3)

日本でコルベットといえばこのカタチだった

1968年に登場した3代目コルベット。通称C3。歴代コルベットを見渡しても類を見ないほど過激なスタイルをしているが、この時代のファンは意外にも多い。だが歴史を見れば、そのデザインは異端とも取れるのだが…。そんな時代のコルベットは、いまだ「アメリカの象徴」として語られるのである。

更新日:2012.11.22文/石山英次 写真/ゼネラルモーターズ

コルベットのデザイン変遷をみれば分かる異端児

 例えばポルシェ911。歴代911を時代変遷ごとに並べれば、どの年代を見てもひと目でポルシェ911と分かるデザインをしていたことがわかる。
 だがコルベットは時代を追うごとに様々なデザインテイストを経て、現代に至る。C1、C2、C4、C5、C6は、テイストは異なるが、ある意味欧州車的なスポーツカーデザインと言われている(前後オーバーハングをどんどん切り詰めて性能重視のスポーツカーに成長)。

 だがC3だけは、まったく異なるテイストである。ある熱狂的なファンは「ザ・アメリカ」を象徴しているデザインという。大きく膨らんだフェンダーにロングノーズ&ショートデッキのフォルムだが、そのあまりにも長いフロントオーバーハングを見た当時のヨーロピアンは、「スポーツカーとは呼べない、あれじゃ曲がれない」と、ほくそ笑んでいたという。

 今、C7登場間近に思うのが、唯一無二のアメリカンスポーツカーがいつか再び登場しないだろうか? ということだ。C6でも、もはや性能的には世界有数のスポーツカーになっていることは確実である。コーナリングもめちゃめちゃ速く周回できるし、パワーも十分だが、そういうスポーツカーは他国のメーカーにもたくさんあるわけで…。
 ということで、第3世代、いわゆるC3の独自性を振り返ってみたい。
72年までのアイアンバンパーを好むマニアの方々も多いが、一般的にはメイン写真のようなウレタンバンパーがメジャーのような気がするが。
歴代を並べてみると、中央にいるC3のアグレッシブさ、グラマラスさが良く分かる。
デビュー当時の68年型C3コルベット。

アメリカの「パワー」を象徴するかのごとく

 このC3コルベットは68年にデビューし、82年まで生産された型である。コークボトルラインと称されるメリハリのあるデザインは、歴代モデルの中でも最もグラマラスなスタイルを持っていると言われている。当初はコルベット・スティングレイの愛称で親しまれ、その力強いデザインはアメリカの「パワー」を象徴するものだと。

 C3の特徴はなんといってもそのボディライン。中でも77年型までのコルベットは、C3の中期モデル最後の年のものであり、73年にバンパーがウレタンのボディ同色タイプになった型の最後のモデルである。
 72年以前のアイアンバンパーを好むマニアも多いが(確かにカッコいいが)、C3のイメージとしては、この中期型ボディが日本人にとっては一番なじみ深いのではないだろうか。

 そのほか、77年モデルまでのボディの特徴は、垂直なリアウインドーを持ったノッチバックスタイルを持っていることである。ボンネットは77年型からパワーバルジが大型化され、逆にエアスクープがなくなっており、この年にはAピラーのペイントがボディ同色からブラックに変わっているのである。


インカーでフィーリングが味わえます。ノッチバック
スタイルのC3です。
77年モデルまでのボディの特徴は、垂直なリアウインドーを持ったノッチバックスタイルを持っていることである。
写真ではわずかにしか見えないが、78型以降は、リアウインドーがスラントしたハッチゲートになり、現代のコルベットに通じるリアデザインとなっている。

アメリカ的オリジナリティを期待

 そして77年までの呼び名コルベット・スティングレイの「スティングレイ」のエンブレムがこの年から外されている。一部では「デザイナーのビル・ミッチェル(C2とC3を担当)が引退したのに合わせ、スティングレイのエンブレムを取り外した」という噂もあったらしいが、真偽のほどは定かではない。78年のマイナーチェンジをにらんでのものだったのかも知れない。

 78年型からはC3の最終型になる(〜82年まで)。もっとも変わったのはリアウインドー回りで、リアウインドーがスラントしたハッチゲートになり、実質的にカーゴルームの容量が大きくなっている。しかし、個人的にはスポーツカーらしい潔さがあった77年型までの方がカッコいいとは思う。とはいえ、その後、この78年以降のリアウインドースタイルは、コルベットのアイデンティティとして、現在まで受け継がれているのである。

 実は、ある程度お年をめした方々が「コルベット」と聞いて思い浮かべるクルマは、意外にもこのC3コルベットなのである。ある意味、大半の日本人が想像する形のクルマと言っても過言ではない。それほど、当時のC3コルベットのインパクトは凄かったのだ。

 だからこそ、新しい時代のコルベットが出るたびに、次こそは唯一無二のC3の再来をどこかで期待してしまう。「アメリカ イズ No.1」の象徴としてのコルベット。性能重視も確かに重要なのだが、ある程度のパフォーマンスを持つ今の時代に必要なのは、アメリカ的オリジナリティだと思うからである。
グラマラスなコンバーチブルも存在したが、そのスタイリング関しては、クーぺほどの迫力はない。C3後期には安全性の問題から生産中止となり、C4時代の1986年までコンバーチブルは存在しなくなる。
カマロやマスタング、チャレンジャー、300Cなど、過去のデザイン遺産を復刻したモデルが大ヒットを記録しているが、コルベットに関してもこの際「C3の復活」なんていかがでしょうか? と期待してしまう。もうすでにC7は完成してしまっているのだろうけど。

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