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ハイパワー+フルタイム4WDのスーパートラック

GMC サイクロン (GMC SYCLONE)

テスタロッサ・キラーの異名を頂く

タイフーンに一年先んじてデビューしたスーパートラック・GMCサイクロンは、90年代を象徴する存在だった。だが、すでに22年…。リメイクしたサイクロンに乗り、90年代のアメ車を考える。

更新日:2014.07.22

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

90年代を象徴するスーパートラック

 二年間で2998台のみ生産された希少価値の高い名車。もともとピックアップトラックで世界最速記録に挑戦し、時速210マイルを記録したGMCがホモロゲ取得のために開発&生産したサイクロン。世界最速のピックアップトラックとして「テスタロッサ・キラー」の異名を持つほど速かった。ちなみにこのサイクロンのSUV型がタイフーンである。

 搭載されたエンジンは、シボレーアストロ用のV6OHVエンジンにギャレット製タービンとインタークーラーを組み合わせて285hpを発生させる。これに4L60型4速ATが組み合わされ(C4用)、フルタイム4WDで駆動する。当時、ゼロヨン加速13秒台(当時は相当速かった)を記録し、一躍スターダムにのし上がったスーパートラックだった。

 とはいえ、このクルマがデビューしたのが1991年。取材車は92年ということで最終年型となるが、それでも22年前のクルマである。素人が今、容易に手を出すべきアメ車とは言いがたい。

 「正直言って、今このクルマを手に入れようとしてもただのゴミ同然、そんなクルマが多いのではないでしょうか。当時フェラーリ・キラーとの異名を与えられましたが、20年以上の歳月を経て乗ると、当時の面影はまったくないです(笑)。このクルマがそうでした。まずタービンがダラダラでターボパンチがまったくない。たしかにターボ車だということは分かるけど、破壊力なんて微塵もないですよね」

搭載されるエンジンは、アストロ用4.3リッターV6OHVエンジンに三菱製TD06タービン+ギャレット製インタークーラーで加給される。285hp、最大トルク48.4kg-mを発生させたが、ノーマルのアストロが約200hpだったから、ターボパワーの凄さが分かるだろう。それに今回はタービンを大型化し、点火系、吸気系に手を入れ、ブローオフバルブ装備。各部のメンテナンスと合わせて350hpをたたき出す。

ターボチューンの醍醐味としてブローオフバルブを装備。アクセルオフするたびに「プシュプシュ」と唸る。エンジンルーム内の見栄えのアクセントにもなる。

点火系、吸気系のパーツも適切にチョイス。効率を上げ、パワーアップに一役買う。

テスタロッサ・キラー再生

 ということで、再生した。まず基本的なフルメンテナンスを行い油脂類の交換。それに加えてサスペンション各部のリフレッシュと強化。サスを交換し、リアスタビを強化して車高を調整した。

 で、懸案のエンジン。まずタービンをTD06Hに交換、スムーズすぎる加給にパンチ力を加え、いわゆるドッカンターボと言われるようなターボラグをあえて作り出した。さらにノーマルのインタークーラーをまともに作動させブローオフバルブを装備して、アクセルオフするたびに「プシュプシュ」とターボ車の醍醐味をプラス。

 一昔前に国産車にターボ車がわんさか登場した時代があったが、そんな時代に行われていたターボチューンのようないじり方。そしてあえて巨大なターボラグを作って、ターボ車に乗っている実感を作りだす。

 「国産車のようなよくできたターボ車というよりは、カリカリにチューンされた大パワーのターボ車という感じです。現状350hpはカタいですかね。MAXで450hpはいきます。フェラーリ・キラーとしては、フェラーリ348は余裕でF355もイケる。モデナになるとちょっとキツいかな…と言った感じですか。いずれも直線での話ですけどね(笑)」

小径MOMOステアリングやB&Mシフターが装備される室内は、スパルタンな印象が漂う。カリカリのチューニングマシンのようで、久々に試乗が楽しかった。

アメリカンレーシングのホイールにオーナーがセレクトしたカラーリングにペイント。90年代のアメ車だからこそ、ヤレも確実にあり、そういった部分を好みに応じて手を加え、個性を出す。単なる修正に終わらない楽しさをプラスする。

サスペンションは、各部のオーバーホール後、サスを交換し車高を下げ、リアに強化スタビを入れている。巨大なパワーを受け止めるために。

普通に街中を走っている限りは、2000回転前後でトントン拍子にシフトアップするから、まあフツーのアメ車である。だが…。ちょっとアクセルに力を込めて3000回転を越えようとすると一気に狂気する。まさにワープ感覚。一度乗ると病みつきになる面白さがたまらない。

個性的な90年代車をより個性的に

 走り出した瞬間から感じる異様な感覚。すでに20年前のアメ車ということで、じつはガチャガチャな異音騒音を覚悟していたが、さにあらず。たしかに室内はアメ車特有のプラスチッキーな意匠に囲まれていたが、しっかり整備されていた形跡が漂う。さらに小径MOMOステアリングやB&Mシフターが搭載されているチューニングカーのような走り。

 普通に街中を走っている限りは、2000回転前後でトントン拍子にシフトアップするから、まあフツーのアメ車である。だが…。ちょっとアクセルに力を込めて3000回転を越えようとすると一気に狂気する。しかもそのままアクセルオンし続けるとタイヤがグリップを失ってホイールスピン。

 過去に3年落ちのタイフーンに乗った経験があり、その時ですら結構楽しかった印象が残っていたのだが、今回試乗したサイクロンはまったくの別次元。もはやアメ車というよりは『マシン』といった雰囲気で、あまりの楽しさに言葉を失ってしまうほどだった。とはいえ、その楽しみが街中で味わえるのだからなお素晴らしい。その後も5度ほどターボバーンを味わわせていただいた。

 「90年代に登場したアメ車たちには、現代のアメ車と比較して個性的なものが多いと思います。しかも走った時に自分の腕の中で操れる実感みたいなものが大きい。すなわち、それはとてつもなく速いクルマではないということんなんですが、それでもストリートで楽しむには十分なスピードは出ますし、アメ車らしい重低音サウンドやトルク感、さらには一瞬のパワー等が楽しめる。そういう意味でも90年代のアメ車はいまだ無視できない存在です」

 たしかに90年代のアメ車を今手に入れることは、多少の労力を伴う行為かもしれない。実際に中古車の価値としては低いだろう。だが、今回の取材車のように、各部に手を入れた90年代車には現代のアメ車を遥かに越えるスタイルや楽しさがある。

 あえてこの年代のアメ車に乗る価値はまだまだ高いのである。

アストロを皮切りに魅力的なアメ車が上陸を果たした90年代はまさにアメ車のゴールデンエイジといっても過言ではない。でもすでに20年車。敷居が低くなっている分、労力は伴うが、手を入れて元に戻すことで価値は高まり、個性をプラスすることで、魅力は倍増すると高橋氏は語る。

この時代は楽しさと速さとがイコールではないが、ストリートではアメ車らしい重低音サウンドやトルク感、さらには一瞬のパワー等が楽しめる。現代の新型車は、そういう意味では確実に速くなったが、街中では速すぎる面もある。

実際に90年代のアメ車は、いじりやすさ、チューニングのしやすさにおいては群を抜く。具体的にパーツは豊富だし、メンテナンスも、電子制御じゃない部分が多く、直しやすい。すなわち現代のクルマに比べてシンプルな構造だからこそ、いじりやすく元に戻しやすいのである。ちなみにパーツも外板パーツに欠損があるが、機能パーツはまだまだ十分に補えるということだ。

<関連記事>
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