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フルノーマルの貴重なラムエア+ハンドリングパッケージ

ポンティアック ファイヤーバードトランザム ラムエア WS6 (PONTIAC FIREBIRD TransAm)

動態保存を考えるなら、お買い得な1台

年代的な事をいえば、圧倒的に4thカマロが人気だったが、じつは今、密かな人気&ブームを牽引しているクルマがポンティアック ファイヤーバードトランザムである。しかも、同じく4代目。正直初めての試乗だったが、デザイン的な特徴もあり、改めてその価値の高さに気づいた次第である。

更新日:2016.09.01

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

流線型からマッチョなスタイルに変身

 ポンティアックと言えば、例えばGTOやファイヤーバードといった旧車を思い浮かべる方が多いと思うが、筆者的にはフィエロやソルスティスといった近代的なスポーツカーが思いつく。それに、もちろんファイヤーバードトランザムも同じように連想するが、どちらかというとそれも、サードカマロと兄弟車だった時代の角張ったモデルが一番の馴染み(もちろんナイトライダー世代だ)。

 だから正直、4代目となるこの年代のファイヤーバードトランザム自体に触れた経験は一切なく、同時期の4thカマロには何百回も乗ったので、その経験を生かした試乗ということで、非常に興味深い体験となった。

 この通算4代目となるファイヤーバードトランザムは、1994年に登場し、4thカマロと兄弟車ということで同じく5.7リッターV8エンジンを搭載し、300hp越えのスポーティカーとして魅力的な存在であった。それまでの直線的なボディから流線型のスタイルへと変化し、リトラクタブルヘッドライトを備えたそれは、マッスルカー的な存在からスポーツカーへの変身を予感させたのである(あくまでもスタイル的に)。

 だが1998年、4thカマロと同様にマイナーチェンジが行われフェイスリフトを敢行する。それまでの流麗なスポーツカー風のスタイルから一転、よりマッチョなマッスルカー的なスタイルへと変革(取材車)。リトラクタブルヘッドライトは継承されたものの形状が全面的に見直され、それまで窪んでいたボンネットフードは、巨大な筋肉のごとき盛り上がったツインポートスクープへと変更され、全体的に力強さを連想させるアメリカンスタイルへと変貌を遂げたのである。

1994年に登場した当時のファイヤーバードトランザム。それまでの3rdカマロと兄弟車だった当時の直線的なボディから流線型のスタイルへと変化し、スポーツカーへと変身することを予感させたモデル。だが98年に、取材車のようなマッチョなモデルにフェイスリフトを行い、それと同時に人気も俄然高まった。

搭載されるエンジンは、オールアルミ製のLS1。5.7リッターV8はラムエアとともに325hpを発生させる。エンジンの吹け上がりとともに聞こえるラムエアの吸気音が気分を高める。

巨大な筋肉のごとき盛り上がったボンネットフードとツインポートスクープはラムエアの専売特許。ラムエアでないモデルは、スクープ形状と大きさが異なっている。

コーナーからコーナーへと、曲がりを楽しむことももちろん可能だが、それよりは「東京名古屋間を3時間切る走り」を得意とするように思う。

WS6ラムエア搭載モデルは別格

 一方で、搭載されるエンジンにも手が入った。C5コルベットと同様のLS1オールアルミ製のV8エンジン(305hp)を搭載し、WS6ラムエアとパフォーマンスパッケージと呼ばれる「ラムエア リミテッドWS6」も同様にラインナップされ、ファイヤーバードトランザム的には最高レベルのマシンが誕生したのである。

 ちなみにこのLS1エンジンは、2000年に310hpにパワーアップし、WS6ラムエア搭載モデルで325hpを発生させるに至った。だが……。2002年、4thカマロ消滅と時を同じくして、ファイヤーバードトランザムはその歴史に幕を下ろすことになる。

 こうした一連の流れの中で、取材車両は2000年のラムエア リミテッドWS6。すなわちモデルラインナップ上走りに特化したハイパフォーマンスモデルという事になる。しかも新車並行で日本に導入された本物のラムエアモデル(後付けチューニングではない)。走行距離は9万6000キロということで、超極上モデルということではないが、サード&4thカマロに精通しているエイブル所有のクルマということで、非常に興味深い。しかもフルノーマル車だ。

 普通に考えればすでに16年落ちの中古車。だが、専門ショップが見立てた中古車となれば話が違う。果たしてどんな感じなのか?

90年代のアメ車がもたらす質素な雰囲気を象徴するインパネ。それでも使い勝手に悪いところがまったくなく、装飾を求めなければ十分に機能的。レザーシートにシワがよるが、実走行の数字が表すほどの全体的にヤレや痛みが少ないのも嬉しい。

2000年型ということで、16年落ちの9万6000キロ走行車となるが、ボディエクステリアに多少の小キズ等はあるものの、全体的にパリッとしている印象は、さすが専門ショップの中古車だけある。メーター内の針もすべて動き、不動箇所はボディ全体を見回しても一つもない。

センターコンソール下部にあるトラクションコントロールオフのスイッチが、このクルマの走りを物語る。意図的にリアを流す走りをするなら、オフにして走るべし。

90年代によく見た爬虫類系のリアテールのデザインが垣間見れる。ボディ前後はマッスル系を体現しているが、ボディのサイドラインは一転して穏やかなラインを形成している。このアンバランスさもこの時代の魅力。

1台の中古車としての価値も高い

 改めてみるポンティアック ファイヤーバードトランザムのフロントマスクは非常に攻撃的。まさにマッスル。盛り上がったフロントフードとラムエア装着車のツインポートスクープが見る者を圧倒する。ただ、ボディ全体からの印象(特にボディサイドライン)はそれまでのポンティアック系統に準じているだけあって、一転穏やか。だがそのアンバランスさがその時代を象徴しているようで、楽しい。あえて今この年代のアメ車に乗る価値を高めるような気がする。

 この時代の2ドアクーペということで、どうしてもドア下がり等を気にしてしまうが、まったくなく、乗降性も4thカマロほどは悪くない(笑)。今の時代のアメ車からすれば圧倒的に質素な室内空間だが、ステアリングやペダル位置に違和感はなく、シフトレバーが握りやすく簡単にスタートできる。フロントの見切りも良いし。

 300hp越えのパフォーマンスカーということで、その能力は極めて高く、中速から高速にかけての加速力は現在でも十分に楽しめる。その際のラムエアの「キーン」というサウンドの高まりも気分を高揚させるし、ハンドリングパッケージという事でロールも少なく、安定感の高い走りが味わえる。何より、中古車としての違和感(異音、騒音、ミシミシガタガタ)がほとんど感じられないのが素晴らしい。

当時としては超偏平のP275/40ZR17インチタイヤと組み合わされる。ノーマルのホイールが装備されているのも珍しい。

ラムエアシステムは同じV8でもノーマル比15hpアップの325hpを発生させる。またWS6ハンドリングパッケージと一体化され、ハードサスペンションと組み合わされる。

極めてオーソドックスなアメ車的ハンドリングと今となってはより濃密に感じさせるアメリカンV8のコラボ。それでも何ら不自由は感じさせないから、現代の足としても十分に使えるだけのパフォーマンスと実用性を示す。初めて乗ったが、この年代のトランザムは一言、「カッコイイわ」

マッチョなスタイルばかりが目立つが、リトラクタブルヘッドライトを上げると一転、スポーティカーとしての雰囲気が高まる。

動態保存のまま後世に残せる

 ちなみに、超低速域のアクセルコントロールは、若干アバウト気味。信号待ちからの軽いアクセルオンというような小刻みな調整は苦手なようである(笑)。それは個体差ということではなく、あくまでモデル全体に言えることとして。

 この当時のスポーティクーペということで、国産スポーツカーのようなハンドリングの小気味良さは味わえないが、それでも往年のV8サウンドを響かせる濃厚なフィーリングとアメ車ならではの鷹揚としたハンドリングと乗り味が特徴であり、その味がまだ残った状態での中古車ということで、非常に価値が高いと言えるだろう。

 何よりフルノーマル車ということで、このクルマのこの先の動態保存を考えるなら、非常にお買い得な1台と言ってもいい。このままでもまだまだ乗れるが、各部をリニューアルすれば、それこそコンディション最良のポンティアック ファイヤーバードトランザム ラムエア リミテッドWS6が製作可能だろうし。

 90年代のアメ車、やっぱり面白い!

リトラクタブルヘッドライトの動作確認を行ったが何度繰り返しても異常なし。ヘッドライトを上げて走れば、前方のクルマは、「なんだこのクルマ?」と思わずにはいられない雰囲気を発する。実際には、「何かに似ているかも」とも思わせる、ちょっとした懐かしさを感じさせるフロントマスク。90年代っぽさをもたらすアクの強さは必見。

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