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特集 SPECIAL ARTICLES TPMS 基礎講座 vol.3内部電池の寿命による消耗から未装着まで

TPMS 基礎講座 vol.3

車両搭載のセーフティ機能を活かそう

2008年以降のアメ車には全車標準装備のTPMS。このセーフティ機能を知らずにメーター内部の警告灯が点灯している車両が多数あるという。その実態と対処法について取材した。

更新日:2017.10.10文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力

阿部商会
TEL 0332332671 [ホームページ] [詳細情報]

バズファクトリー
TEL 049-238-8110 [ホームページ]

汎用TPMSの活用で作業性&効率が大幅アップ

 さて、こうした事実を踏まえつつ、実際に交換するショップ側、販売するパーツ屋さんの目線からTPMSを見てみる。

 最初にまず思うのが、TPMSセンサー自体の在庫である。いつ何時必要になるかわからないTPMS、しかも日本に流通しているアメ車はごまんとある。そしてそれぞれのTPMSを在庫しようとすれば、果てしない数のセンサーが必要になる。また必要となるセンサーをその時々に発注するにしても時間と手間がかかる(本国取り寄せの場合もあるだろう)。同時に純正センサーは結構高価なパーツである。1個軽く1万円を越える。

 こういった効率の悪さに対して、今大注目となっているのが汎用品のTPMSセンサーである。で、阿部商会が取り扱っているがMOBILETRONのMORESENSORであり、前述したように純正IDの複製が作成できるセンサーなのである。

 通常の純正TPMSセンサーは、たとえば2016年型マスタングのTPMSセンサーが必要の場合、すでにIDが書き込まれた状態で販売されているが、この汎用TPMSセンサーの場合、中身はブランク状態(何も書き込まれていない状態)であり、そこに情報を書き込むためのプログラミングツールを使用しIDの複製や新規IDの書き込みを行うのである。

 すなわち、何千、何万にも及ぶ純正TPMSセンサーの在庫を持つ必要は全くなくなり、空っぽの汎用センサーとプログラミングツールを持っていれば、それこそアメ車のみならず、TPMSセンサーが必要な欧州車等のIDまでコントロール可能になるというのである。さらに複製IDの作成が可能になるから、考えようによっては非常に有効な汎用センサーと言えるのである。

 聞けば「世界的なTPMSの標準装備化に伴って北米車だけでなく、欧州車、国産車にもTPMSセンサー装着車が増えており、アフターマーケットでの汎用TPMSセンサーの登場により、世界的に、センサー交換時の作業性が大幅にアップしています。一番大きいのが在庫する必要がなくなることのメリットですね」
阿部商会が使用している汎用TPMSセンサーは、MOBILETRONのMORESENSOR。日本での電波法の問題をクリアしており、認証を受け技適マークを獲得しているものである。
左が純正、右が汎用。世界中で汎用センサーが普及しているが、それはエンジンオイルと同じような考え方で認識することができる。
エアバルブと組み合わされるセンサー。厳密に言えば、このエアバルブの消耗(亀裂が入り)でエアが抜けるトラブルも起こるから注意が必要。センサーの内部電池の寿命で消耗品と化す場合も当然起こる。これらは頻繁に起こるトラブルではないが、だからこそ認識しておくべきなのである。
現行マスタングのホイールを社外品に交換する。そして純正TPMSのIDを複製した汎用TPMSを用い、再び純正ホイールに戻した時の手間を省く。
使用されるプログラミングツールが「VT56」と呼ばれる上級機種。このプログラミングツールはトリガーツールとも呼ばれ、純正センサーや汎用センサーの診断や読み書きに対応している。また車種ごとの純正データーもすべて入力されるている優れもの。
通常、目視にて確認しなければならないIDをプログラミングツールにて読み込み複製を作成する。車輪前にてスイッチオンで即ID検知。

技適マークのついた汎用TPMS

 とはいえ、使用されている汎用TPMSセンサーの性能や信頼性はどうなのか?

 世界中に広がる汎用センサーという部分に関しては未知なるモノも確かにあるだろう。だが、考え方としては、エンジンオイルと同じようなもの。すなわち、規格や粘度指数を守れば基本どのメーカーのエンジンオイルを使っても問題が起きないのと一緒であり、日本で使用する汎用のTPMSセンサーの場合には、日本の電波法の問題をクリアしていることが必要不可欠になる。

 今回取材した阿部商会が使用している汎用TPMSセンサーは、日本での電波法の問題をクリアしており、認証を受け技適マークを獲得しているもの。車両それぞれに合わせた純正のTPMSセンサーももちろん扱っているが、同時に汎用のTPMSセンサーの普及も行っているというのである。

 なお、技適マークとは電波法に基づく「技術基準適合証明」と電気通信事業法に基づく「技術基準適合認定」の両方あるいは一方で総務省から認証を受けた端末機につけられるマークのこと。すなわち、お国にちゃんと申請して許可が出た商品ということである。

 「TPMSが義務化されすでに10年となります。ここ一、二年で電池切れの消耗品としての交換が徐々にですが増えてきています。今後はもっと増えてくるでしょうから、ユーザーとしての理解と、それを交換&整備するショップ側の認識&対策が必要になると思います」

 ここからは汎用のTPMSセンサーを使用した実作業をレポートする。今回取材に協力してくれたのがバズファクトリー。後述するプログラミングツールを所有し、TPMSの交換処理を行っている数では日本でもトップランクに位置するショップである。

 使用する汎用TPMSセンサーは、阿部商会が取り扱っているMOBILETRONのMORESENSOR。このセンサーは二種類あり、クランプインバルブとスナップインバルブ。主に形状の違いであって、装着するホイールのデザインに合わせてチョイス可能という。

プログラミングツール所有でさらに作業効率アップ

 これらに合わせて使用されるプログラミングツールが「VT56」と呼ばれる上級機種。このプログラミングツールはトリガーツールとも呼ばれ、純正センサーや汎用センサーの診断や読み書きに対応しており、OBDIIモジュールが付属しているため、OBDII経由で学習させる必要のあるトヨタ系車種(タンドラ等)にも対応できるということで人気が高い。

 しかもこのツール、車両を走行させることなく、またタイヤとホイールを分離させることなく、装着されているTPMSセンサーのID情報を読み込むことが可能なのである。=純正TPMSセンサーの複製を作成することが簡単にできるのである。

 上記に、センサーの複製を作成する場合には、「タイヤとホイールを分離し、目視にてID番号を確認しなければならない」と書いたが、このツールを使用すれば、そういったことをせずに簡単にIDを読み込み、さらにはそのIDの複製を作成することが可能になるのである。

 ちなみに、この上級機種のVT56以外にもセンサー作成のツールは存在する。ひとつが「MOBILETRONの専用プログラミングツール」。さらには「MOBILETRONのPT46」と呼ばれる商品である。

 どちらもツールとしての役割は充実しているが、使用できる機能数が異なるために、上記のVT56がすべての機能を満たしていることから利用している方が多いというのである。

 さて、今回行った作業は、現行マスタングをベースに純正IDの読み込みとその数値を汎用TPMSセンサーに複製。さらに社外ホイールへの装着過程を追うというものであった。

 目前にある白いマスタング。この車両に社外のホイールを装着する。で、今回セレクトしたメニューは交換する社外ホイールに、純正ホイールに装着されているTPMSと同じIDを持つ汎用TPMSを複製作成し、装着するというもの。

 すでに装着されている純正のTPMSをタイヤとホイールを分離させ取り外し、それを社外ホイールに移設するという方法もあるが、その場合だと純正ホイールに戻す時に再度TPMSも移設しなければならないために、今回はあえて純正ホイールに純正TPMSを残したまま、複製を社外ホイールに装着し、以後TPMSを気にすることなくホイールの交換が自由に行えるよう作業を進めたのである。
左前輪のIDが読み込まれ、適正空気圧等の情報も表示される。
そのIDを汎用TPMSに書き込む作業を
行う。
書き込み開始で約20秒足らず。これを4本分行い複製作成終了。
複製IDを持つ汎用TPMSセンサーを交換予定の社外ホイールに装着する。この装着時の締め付け不具合等の管理も必要。強く締めすぎればバルブが潰れ二次トラブルの原因になる。また、バズファクトリー齋藤氏曰く「海外製ホイールの場合、バルブの穴が小さくバルブを通すために加工が必要な場合があるものがある」ということだった。
ご覧のような状態で完成。この後タイヤを組み付け終了となる。
ホイールの表側から見るとご覧のように。表側からは単なるエアバルブにしか見えないが、裏にはセンサーが装着されているのである。

純正IDの複製作成の実作業

 バズファクトリーが所有しているプログラミングツールのVT56は、知りたいIDのホイールの前に置きスイッチを入れるだけで当該車両のIDを一輪ずつ読み込むことが可能であり、本来ならタイヤとホイールを分離させ目視しなくてはならない作業をすっ飛ばして進行することが可能になる。また、このツールがあれば、現在装着されているTPMSの消耗の診断もできる。

 で、左前タイヤのIDを読み込むと約10秒足らずで読み込み終了。そのIDを汎用TPMSに書き込み、終えると交換すべき社外ホイールへと装着する。

 今回使用した汎用TPMSは、スナップインバルブ。ブラック系のホイールというこでチョイス。この作業を4本分行い、タイヤとホイールを組み付けたら車両に装着するだけで終了となる。

 今回は純正IDの複製を作成したことで、車両にIDを読み込み学習させる必要はない。同じく、冬用スタッドレスタイヤを装着する場合も、これと同じ方法で処理すれば、警告灯点灯で頭を悩ます必要はなくなるのである。

 バズファクトリーの齋藤メカニックサービスマネージャーいわく「数多くの汎用TPMSセンサーを利用していますが、これまでに一度も問題が起こったことはありません。ただ、社外ホイールの場合、とくにアジア系メーカーのホイールの場合、エアバルブを通すホイール側の穴のサイズと合わない場合があり、ホイール側の調整をしないといけない場合が稀にありました。弊社では、TPMSの交換作業は早くて一泊二日、できれば事前に車両の状態を確認させて欲しいですね」

 なお、汎用TPMSを取り扱う阿部商会では、プログラミングツールを持たない業者向けに、当該車両の新規IDを書き込んだTPMSセンサーや、IDを連絡すればセンサーの複製作成にも対応しているという。

 汎用TPMSの利用は、純正品と比較して安価であり合理的である。今後冬用タイヤ装着の季節がやってくるだけに、当該年式のアメ車ユーザーとアメ車ショップは対応を検討すべき事項と言えるだろう。

複数あるプログラミングツール

 今回取材で使用したプログラミングツール「VT56」の他にも複数のツールがあるということで紹介してもらった。

●VT56 トリガーツール
●PT46 トリガーツール
●Mobiletron TX-PT001 プログラミングツール

 VT56とPT46は、実際の作業で使うにはどちらも同じ機能を持っており、どちらもセンサーデータの読み込み、ブランクセンサーへの書き込み、車両への学習作業(日本車)、各車両の学習方法マニュアルの閲覧、というメインの機能は網羅しているため、どちらを使っても困ることはないという。ただし、下記の機能の違があるという。

<VT56とPT46の機能の違い(VT56の優れる点)>
ーモニター画面の大きさ
ー作業性に優れ無駄な動きをしなくて良い
ー作業したデータを記録、保存可能
ーパソコンと連動でき、顧客のTPMSデータの管理が容易にできる

 一方、Mobiletronのプログラミングツールは、トリガーツールではないため、センサーデータの読み出しはできず、電池残量や温度、センサーIDを取得することもできない。

 あくまでもプログラミングツールという機能で、ブランクセンサーに車両別のセンサーデータを書き込むためだけのツールとなる。

 冬タイヤへの複製センサー作成や新規センサー作成などは、このプログラミングツールのみで事足りるが、センサーデータの読み込んだり、また何かしらTPMSのトラブルがあり、原因特定やプログラミングツールで焼いたセンサーが正しく機能しているのか等、目に見えない電波を可視化し、状況判断をするには上記2台のいずれかのトリガーツールが必要になるのである。
●VT56 トリガーツール
●PT46 トリガーツール
●Mobiletron TX-PT001 プログラミングツール
<関連記事>
>> TPMS 基礎講座 vol.1 を見る
>> TPMS 基礎講座 vol.2 を見る

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