TEST RIDE

[試乗記]

驚くべきハイパフォーマンスなセダン

キャデラックATS(CADILLAC ATS)

もはや昔のキャデラックの面影ナシ

キャデラックブランドの末弟として登場したATS。独創的なスタイリングとパワフルなエンジン、そしてスポーティな走りを実現したというその走りっぷりはいかに?

更新日:2013.02.25

文/椙内洋輔 写真/茂呂幸正

取材協力/ゼネラルモーターズジャパン TEL 0120711276 [ホームページ]

第一印象は「なに、この硬さ?」

 先鋭的でエッジの利いたデザインが特徴のキャデラックATS。縦型ヘッドライトやリアコンビネーションライトはこれまでのキャデラックデザイン(CTS系)を派生&進化させたものであり、一目見てこれが「最近のキャデラック」と識別可能なアイコンでもある。個人的にも、モノみな丸くなる中で、このシャープなデザインはかなり気に入っているし、アメ車らしいと思っている。

 ATSのボディサイズは、全長×全幅×全高=4680×1805×1415ミリでホイールベースは2775ミリとなる。ライバルと想定されているBMW3シリーズとほぼ同じ大きさに収まり、アメ車という枠の中ではかなり小さい部類に属する。
 日本仕様に搭載されるエンジンは、2リッター直4直噴ターボ(可変バルブタイミング付)エンジンで、最高出力は276ps、最大トルク35.9kg-mを発生させる。これに6速ATが組み合わされる。

 ATSの車重は1580kgで前後重量配分が50対50を実現しているということだから、ボディに関してもかなりの実力派。過去にドイツのサーキットでのテスト走行動画を何度も見たが、ボディ&シャシーに抜かりなしといったところだろう。

 ちなみに、今回試乗した標準グレードの「ラグジュアリー」が439万円。5月に発売され上級グレードの「プレミアム」が499万円となる。

フロントリア共にエッジのたった硬質なデザインテイストが特徴。縦型のヘッドライトは斬新かつ新しいキャデラックのデザインアイデンティティとなる。またデザインだけでなく性能的にもかなり硬派なセダンである。

搭載されるエンジンは、可変バルブタイミング付きの2リッター直4直噴ターボ。最高出力は276ps、最大トルク35.9kg-mを発生させる。これに6速ATが組み合わされる。

インテリアはCTS系などの兄弟モデルに通じるものである。インパネの上段には、CUEと呼ばれるタッチ操作ディスプレイが備わるが、日本語対応のため、デジタル難民にも使用可能である。

すべてにおいてかなり硬質なセダンなのだが、こうやってリアスタイルを見ても、その硬質さがデザインとして表現されているような気がする。

試乗は都内界隈と高速巡航メイン

 品川にあるGMジャパンから借り出し、お台場へ向かいそのまま銀座へ、そして丸の内を経由し最後は高速に乗って横浜本牧付近で撮影し車両返却という、時間にして約4時間ほどの試乗だった。

 まず借り出して100メートルも走らないウチに感じた硬い印象。いわゆるハードサスペンション。おそらくスポーティなハンドリングを狙ってのことだとは思うが、たった数分もしないうちに感じるこの硬さというのは、果たしていかがなものか?
 ところが、そのまますぐに高速に乗りお台場を目指すといつの間にか硬さはまったく気にならなくなった。それどころか、あまりにレベルの高い高速走行への驚きが一瞬にして上回ったのだった。

 お台場から一般道を通りそのまま銀座や丸の内を目指すが、その際の運転のしやすさは特筆モノ。車両四隅の感覚がつかみやすいことが何よりも貢献しているのだが、スポーティ溢れるタイトなキャビンがクルマとの一体感を感じさせてくれ、さらにステアリングの反応(まるでドイツ車のように若干重い)やブレーキなどにまったく不安がなく、自分の意志をダイレクトに表現してくれるクルマであるからこそ、街中での運転がまったく苦ではなく、じつに楽しい。

 ただ、エンジンなのかミッションなのか、信号待ちなどからの出だしが若干鈍いというか重いというか、その辺の違和感みたいなものを、クルマに慣れるまでに感じることがあったことも報告しておこう。ま、多少アクセルを強く踏むことで解消されるのだが。

メーター表記もかつてのようなアナログ表記ではなく、しかもこれまでのキャデラックとは異なるハイテク感溢れるもの。情報量が多くて、最初は慣れるのに時間がかかるかも。

組み合わされる6段ATには通常の変速モードとSモード(前後動作でシフトの+−を行う)があり、Sモードだと減速時に自動的にブリッピングしてからシフトダウンしてくれる。

パンっと張ったボディ同様硬質なシートを備える。まさにドイツ車的。表皮はレザー仕様で前席にはシートヒーターや電動調整機能等も備わっている。

都内から名古屋まで一気に走れる

 都内での撮影を終え、そのまま高速に乗り横浜に向かった。その際の安定性は驚きに値する。このクルマを借り出した時に感じた「硬さ」を意識したときから、「高速が楽しみだな」とは思っていたが、ここまでレベルが高いとは、正直思わなかった。

 2000回転前後からのエンジンの力強さとステアリングレスポンス、さらにシャシーの安定性などはこのサイズのセダンとは思えないほどレベルが高い。だからこそ、都内使いをしながらも、何かあればそのまま高速に乗り名古屋当たりまで一気に走れてしまう。そんな使い方ができるほど逞しい。まさしくジャーマンセダンに匹敵する力を持っていると言えるだろう(やってはいないけど余裕で200キロ巡航できるはず)。ちなみにシートも硬いが、長時間乗っていても腰が痛くならないベンツ的なモノ。

 ボディは金庫のように硬いし足も超絶の安定性で、とにかく速く(高速道路では覆面気を付けて後ろばかり気にしないと)。しかもこの手の大きさにもかかわらず、ほとんどのクルマに道を譲ることなく右車線を突っ走れる。
 まあ、相手がスーパーカーレベルのクルマだと当たり前だが話にならないけど、正直、C4コルベットじゃ逆に勝負にならず、C5のまともな状態で互角といった感じか。それほどATSは速い。
 というか、こんな小さなセダンでそれができるのが凄いと思うし(持ち味でもある)、このクルマに対するGMの気合いの入れようが分かる。

 その昔キャデラックというのは、クロームメッキに飾られた大柄なボディを持つ豪華さの象徴であった。だが今のキャデラックはもはや昔のキャデラックではない。少なくとも自分が知っている大型FFシャシーかつ船のような乗り心地を誇った時代のイメージとはもはや完全に別物である。
 今の時代のキャデラックとは、そのうちに秘めたパフォーマンスの高さでわれわれを驚かすのである。

後席はボディサイズからみても、さほど特徴的な感じするものではなく、標準的な広さ。ただ狭くはない。サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグは標準装備となる。

トランクルームの広さは十分に確保されている。長尺物を積むのに便利なトランクスルーも備わっている。

箱形ボディの2リッターターボながら、羊の皮をかぶった狼的な走りが可能。ちょっと前の旧アメリカンスポーティカーなら確実にカモれる。

全長×全幅×全高:4680×1805×1415ミリ、ホイールベース:2775ミリ、エンジン:2リッター直4DOHC可変バルブタイミング付きターボ、最高出力:276ps/5500rpm、最大トルク:35.9kg-m/1700-5500rpm、乗車定員:5名、ホイール&タイヤ:17インチ、ランフラットタイヤ

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