TEST RIDE

[試乗記]

最新車両にも劣らないデザイン的オーラ

シボレー コルベット C3 (CHEVROLET CORVETTE)

コンディション上々のフルノーマル車に試乗

歴代コルベットのなかで、唯一デザイン的主張が異なるように思えるC3コルベット。パワーやスピードを問わなければ、現代の最新車両にも劣らない魅力がたっぷりあった。

更新日:2016.02.01

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

コルベット史上のまさに絶頂期

 C3コルベットは、68年にデビューし、82年まで生産された歴代コルベットの中でもっとも長い15年という生産期間を誇る。5年という短命に終わったC2時代と比べれば「パワー」で頂点を極めた時代と言えるだろう。500hpを上回るエンジンパワーのポテンシャルを最大限引き出すマッチョなデザイン。空力にも優れたC3は、コルベットの歴史においてもまさに「絶頂期」だったのである。

 しかし、70年代を境いに大気浄化法改正(マスキー法)によって排ガス規制が一気に強化され、対処法的なエンジンのディチューンがはじまり、なかにはトップエンジンの廃止も行われ、一気に牙を抜かれていった。

 一方デザインにおいても変化が生じ始める。衝突基準の改正によってクロームバンパーの廃止やオープンボディたるコンバーチブルが消滅するのである。

 C3の時代は、力で栄華を極めたアメリカンパワーに満ちたエンジンとデザインで幕開けし、オイルショックの最中で苦悩しつつ、新たな魅力を模索し続けた15年間と言っていいだろう。

 ということで、C3コルベットは歴史上、年式を追うごとに魅力が減っていくと思われがちだが、本国では年々販売台数を伸ばしており、マニア的な目線で見ればデザイン的な魅力減が叫ばれるなか、単なるスポーツカー以上のアメリカの「星」として、実際には存在価値を高めていったのである。

C3の中でもっともグラマラスと言われるアイアンバンパー時代からすれば、妥協の産物とも言われかねない後期型モデルだが、それでも今の時代にこれだけマッチョな雰囲気を現すマシンは存在しない。個人的には美しいとすら思う。

非常に縦長に見えるC3だが、全長は4707ミリしかなく、全幅に至っては1753ミリしかない。前後オーバーハングが長いが、それらすべてを含め美しい。フルノーマルのボディ状態で現存していることも奇跡に近いだろう。

エンジンのバキュームにて上げ下げしているリトラクタブルヘッドライトも完調てに、自由自在に上げ下げすることが可能だった。

一転、オイルショックによる苦悩の模索

 C3コルベットは、80年に最後のモデルチェンジを行ない、前後バンパーの形状を刷新するとともにオイルショックの苦悩を消し去り新たなるデザインを手に入れる。そして82年を最後にC4へと移行するのである。

 で、取材車はその後期型にあたる81年型。具体的に言えば、80年にはデザイン変更が行われ一年間のみ5.0リッターV8エンジンが存在したが、翌81年には5.7リッターV8のみに戻っており、さらに翌年の最終82年にはキャブレターが廃止されインジェクションとなるから、後期型における人気は80~81年の5.7リッターV8ということで、まさにC3末期のフルノーマルモデルが取材できたのである。

 昨年もそうだったが、年始の取材からコルベット、しかもC3というのはかなりの良縁。てか、シルバーのボディがめちゃくちゃシブイ。もちろん「C3だったらアイアンだろ」というようなマニアな方もいらっしゃるのは重々承知の上だが、個人的には81年型でも十分にカッコイイと思う。

 コルベットは時代を追うごとに様々なデザインテイストを経て現代に至っている。C1、C2、C4、C5、C6、C7は、デザインはそれぞれ異なるが、ある意味では欧州車的なスポーツカーデザインを目指したものだろう(前後オーバーハングをどんどん切り詰めて性能重視のスポーツカーに成長している)。

 だがC3だけは、まったく異なるフォルムだと思っている。まさしく「ザ・アメリカ」を象徴しているデザインではないか。

 大きく膨らんだフェンダーにロングノーズ&ショートデッキのフォルムだが、あまりにも長いフロントオーバーハング。しかもめちゃめちゃロングノーズであるからこそ、ドライバーは後輪軸の上に座っているかのごとき状態で走らせる。

搭載されるエンジンはフルノーマルの350V8。いわゆる5.7リッターV8エンジン。機関的なコンディションも良好であり、使用されているパーツもほぼ9割以上の確率でノーマルパーツ。マニアなら取り外してしまうであろうパーツすら装着されたままである。

インテリアは、スポーツカーとしてデザイン、居住性、操作性に優れた作りが特徴である。各部に使い込まれた感はあったが、それでも35年前の車両ということを思えば、圧倒的にコンディションは良好とである。

センターコンソールに使用されるプラ板にキズや破損がまったくなく、これだけの状態を維持していたC3を初めて見た。各メーターは確実に動き、35年モノという感覚がなくなってしまうほど、すべてが普通に動く。

今だから分かる新たな魅力

 おそらく、というか当然ながらコーナリングスピードにスポーツカーと呼べるほどの速さはないだろう…。だが、「それがどうした? カッコよきゃいいじゃん!」とでも言わんばかりのマッチョなフォルムに、一瞬で心奪われる。

 「アイアン、アイアン」とみな口を揃えていうが(もちろんカッコイイ)、どっこい後期型にも今だからこそ伝わるコルベットとしての「華」が見えるのである。

 シートに座ってみると着座位置とステアリングやセンターコンソールの位置具合が絶妙な関係になっていることがわかり、ドライバーズシートから見えるフェンダーの峰は歴代コルベット随一の豊満な膨らみを示している。

 かつ、ボディの大きさが意外にも小さく、その割にはサイドミラーも小さすぎて自車のリアフェンダーしか見えず、まったく役に立たないことも同時にわかり、アテにできるのはバックミラーだけという状態は相変わらずだった(笑)。

 エンジンは一発始動。しかもまったくぐずることなく走り出す。ちなみに撮影のために何度か始動と停止を繰り返したが、不安定な気配はまったくなく、その後は81年車ということを忘れてしまうほど気楽な撮影となった。

 じつは当日は以前に撮影させてもらったC7のZ06と並べて一枚写真を撮らせてもらった。年式にして34年、パワーにして450hp以上違う2台だが、その瞬間の光景にて輝いて見えたのはじつはC3の方だった。200hpに満たないノーマルパワーに3速ATを組み合わせた一介の旧車が、最新超高性能スポーツカーにオーラで勝る…。

 まあある意味、個人的な趣味趣向によって輝きの濃淡は違って見えるだろうから、まったく逆に映ることもあるのは承知だが、スポーツカーとはその高性能さでアピールするものもあれば、デザインで勝負するものもあるんだということを、コルベット自身が改めて教えてくれたのである。

81年から電子制御化された3速ATが搭載されているが、その状態がよく、試乗していて不満を感じる部分がまったくなかったのが感動的だった。巨大な低速トルクと3速ATとのマッチングは、日本の道路事情を加味すると逆にマッチしているように感じるほど、乗りやすかった。

正直、初めて見たフルノーマルの純正シート。コンディションは最高だった。しかも電動サポートも生きており、シート位置を電動で微調整することも可能だった。

純正の15インチアルミにホワイトレターの肉厚タイヤが装着されている。

「ザ・アメリカ」を象徴しているデザイン

 しかも日頃乗っている最新のアメ車からは感じられない濃厚なキャブレターV8フィール。これだけ毎日のようにアメ車に乗っていながら「やっぱりパワーだけでなく、フィールも大事だなあ」と真剣に思えた瞬間であった。

 まさにダイレクトに感じるV8サウンドに「これだ」というアナログ的快感が得られたのである。

 このクルマは、5年半前にBUBUビンテージが直輸入し販売したものだが、5年ぶりに出戻ってきたもの。

 だが、この5年間で無闇な改造や整備を受けておらず、ほぼフル純正と言えるほどの状態を完備している車両であった。しかもシルバーという、ある意味珍しいカラーリングも日本人好みな色ではないか。

 もちろん、フルレストアしている車両ではないから、使い込まれた感じは各部にあるが、逆にその状態でも「こんなに綺麗なのか」と、二重にも三重にも驚いてしまう。鈍く輝くボディやホイールが本当に最高である。

 もちろん、好き嫌いや好みもあるだろうから、C3前期が欲しいという方のほうが多いのだろうが、C3に一度乗ってみたいとか、後期型欲しいという方なら、非常に魅力的な価格でもあるから、ぜひ直接モノを見て欲しいと思う。

 もしこのクルマをベースにレストアするとすれば、もちろんフル純正の完全なC3が造れるだろうし、そういうベースとして考えても非常に魅力的な1台だろう。ちなみに、アイアンとかを探している方も一度見てみるといいかもしれない。あまりの程度の良さに欲しくなるかもしれないし。

 この車両を取材させてくれたBUBUヴィンテージには、現在C1、C2×2台とこのC3があり、さらにBUBUのBCDにはC6、C7が複数あるわけだから、まさにコルベットミュージアムばりな商品ラインナップを誇っているといっても過言ではないのである。

この年代のC3でも、一般道を走るだけで最高に楽しい。歴代コルベットの中においても、個人的には普通に街を走れる最高の部類に属するモデルと思っている。実際に見て乗って感じて、さらに止まって眺めてみた感想である。

端から見ると若干間延びしたデザイン的印象を与えるかもしれないが、実際に運転してみると、非常にタイトな印象かつ小さなスポーツカーを運転してるかのごとき人車一体感に包まれる。

こんなに状態の良いC3に乗ってしまうと、やはり歴代コルベットの中でC3こそ最高という自身の思いは一層強くなる。想像していた以上に小型スポーツカーに感じられたのは、想定外であり、嬉しい誤算だった。

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