TEST RIDE

[試乗記]

ほぼフルノーマルのコンディション良好車

ジープグランドワゴニア (JEEP GRAND WAGONEER)

一度乗ってしまうと病みつきなる

ワゴニアの最終年式の車両に試乗した。一度乗ってしまうと病みつきになってしまうほど、魅力的なクルマだった。

更新日:2016.10.11

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

非ミリタリーテイストのジープ

 戦後、ジープCJシリーズのヒットを経て、そのホイールベースを伸ばしリアに居住空間をもたらしたステーションワゴン版を作った。それがジープウイリスステーションワゴンである。つまり、ワゴニアの起源となったモデル。

 その後、このステーションワゴンをベースによりワゴンライクなワゴニアが作られた。デビューは1963年。当時のミリタリーテイストの強いジープとは一線を画したモダンなデザインでデビューしたワゴニアは、快適な乗り味とともに一気にブレイクする。

 つまりワゴニアの開発とは、いわゆるジープのラグジュアリー化によってもたらされたものだった。

 だからこそ、その作りにもコダワリが貫かれている。当時主流だった2ドアベースの派生モデル、いわゆる荷台にキャノピーを装着したモデルとしてではなく、最初から4ドアベースのステーションワゴンとしてデザインされ、当時としてはかなりの前衛的モデルだったわけである(Dピラーを見ればわかるが、まさにワゴンである)。

 ワゴニアの愛すべきスタイルとは、「ステーションワゴン+4WD」というそれまでにないジープの新しいコンセプトであり、それによって生まれたエレガントなスタイルは、まさに奇跡の産物だったと言っていいのである。

 で、そんなワゴニアは、元は1963年にカイザー社から登場し、その後AMCブランドを経て1987年以降はクライスラーブランドで販売されていた。

 販売ブランドは変われど、1963年から1991年までの約30年の間には、大きなモデル変更は行われずに生産され続けたシーラカンス的モデルであり、逆にそのオールドテイストな魅力が多くのファンを惹きつけたとも言われているのである。

高級感と優雅さが絶妙にマッチしたワゴニアのスタイルには独特の雰囲気がある。

ジープベースでありながらも、高級ワゴンのようなスタイル。こんなコンセプトの車両はもう二度と生まれないと思う。

ボディ全面に貼り付けられたウッドパネルはかつては高級車の証だった。ウッドパネルの色やウッドモールデザインは年式により微妙に異なるのもグランドワゴニアの特徴である。

キャブレター仕様のV8がドライバーを刺激する

 今回取材したモデルは1991年型。いわゆる最終モデルである。

 1991年型とはいえ、周囲のモデルと比較すればかなりのオールドテイストなSUVと評せるワゴニア。本来はグランドワゴニアとの名称であり、全長×全幅×全高=4734×1900×1800ミリでホイールベースが2760ミリというサイズ感。

 今で言うところのミッドサイズ的な大きさである。ただし、ジープ的な観点で言えば、それなりのサイズ感ということになるのだろう。

 そんなミッドサイズボディに搭載されるエンジンは、5.9リッターV8。キャブレター仕様で144hp、最大トルク36.7kg-mを発生させる。組み合わされるミッションは3速ATとなり、サスペンションはフロントリア共にリーフリジッドとなる。

 ボディは、スクエアなデザインにウッドパネルとメッキグリル、それに細いピラーやホワイトリボンタイヤと、われわれが思い描くノスタルジックなアメリカを象徴するSUVである。

搭載されるエンジンは、5.9リッターV8。キャブレター仕様で144hp、最大トルク38.7kg-mを発生させる。組み合わされるミッションは3速ATとなる。

各所にあしらわれたウッドパネルが高級路線のモデルであったことを示す。ステアリングはノンオリジナル。

ステアリングポストに設置されたシフトインジケーターなど、特異なデザインもワゴニアの魅力となっている。

これから仕上げる予定という80年型ジープチェロキー2ドアと並べてみた。血筋だけあって、随所に似通ったデザインが見て取れる。

動態保存されていた珍しいほどの良好車

 だが1991年型である。当時のコルベットといえばC4。カマロも4th。どちらも近代的なデザインへと時代が変遷していく過程であって、ボディデザインは流線型を主流としつつあった。

 にもかかわらずのワゴニアのノスタルジックなデザイン。当時はなんと古めかしいものか、という評価が多数を占めていたが…。10年後、一転して魅力的に映る。中古車として「1991年型にもかかわらず、旧車テイストが味わえる」と。

 インテリアも、ウッドとレザーで囲まれた水平基調のデザインを有したクラシカルなもの。ある意味60年代から続く歴史そのものが凝縮された感じであり、今となっては逆に趣味性が高く感じられる。

 ワゴニア以降のアメ車が軒並み無個性化したインテリアを持つようになったため、ワゴニアのインテリアに味わい深さを感じた人々はかなり多かったに違いない。

 このワゴニアは、エイブルを通じてあるオーナーさんに販売され、そのオーナーさんの家族構成の変化に伴って、再び売り物としてエイブルに戻ってきたというわけである。

 ということで、試乗車はつい最近まで実際に走って使われていたもの。すなわち某中古車店の展示場に長年眠っていたものではなく、実際に使用されていただけあって、トラブルにて投げ売りされたものでもない。

 それが証拠に、触ることすらためらわせるキレイな外観であり、運転席だけヤレているシートやクリーンなインテリア(異臭なし)を見れば、その程度は一目瞭然だった。

エンジのボディカラーといい、状態のいいウッドパネルといい、古き良き時代のアメリカを感じさせる。各部のパーツが生きている状態というのは、とても気持ちがいい。

各種スイッチ類にも味わい深い趣が感じられる。

適度に動かしてみたが、すべて作動することを確認。

三角窓を開け、国道246をのんびり走る

 実際、街中を走らせてもらったが、快適かつ刺激的は時間だった。ステアリングは非常に軽くコントロールしやすく、だが、かといってふにゃふにゃな感じではないから(デッドな領域が少しある程度)、旧車ほどの不安定さは微塵もなく、適度なボディサイズ感とあいまって一般道での走りが非常に楽しい。

 しかも、その際のキャブレターV8サウンドが刺激的あり、ゆっくり走っていても、ちょっと加速しても、とにかくアクセルを踏むだけで悦に入れる。

 同時に、取材日は蒸し暑い日だったのだが三角窓が非常に効果的であり、イマドキのクルマでは決して味わえない旧車的魅力に浸れた一日だったわけである。

 冒頭にも書いたが、ワゴニアは約30年もの間大きな変化をすることなく生産され続けた。当然細かな改良は受けていたから年々完成度は高くなっていったはずだが、そこは1991年型。それでも30年近い歴史があるだけあって、パーツの入手もまだまだ十分に対応できるというし、今回走らせた状態をこの先もずっと維持させていくこともまだまだ十分に可能だろう。

 しかも、この車両を扱うエイブルは、代表である原氏が当時のワゴニアの新車を売っていたこともあり、車輌に関する詳細を把握していることと、またAMCイーグルや80年代のチェロキー等を今現在も扱っていることも安心材料のひとつとして加えることができるはずである。

 そんなショップの自慢の1台ということで、旧車素人の筆者でも十分に楽しめた車両だったし、今の時代にこれだけのワゴニアにお目にかかれること自体、驚きだったわけである。

 なお、FCAは新時代のワゴニアを復活させると躍起だが、価格帯が1400万円くらいでライバルがレンジローバーということ聞いただけで萎える。実際にこの年代のワゴニアを見て乗って味わってしまったら、名前だけワゴニア風のSUVなんかにはまったく興味がわかないわけである。

ドアノブやドアのエッジ部分、室内コンソール部分の造形等、年式によって異なるエンブレムなど、他車では考えられないような非常に凝ったデザインが採用されている。グランドワゴニアは知れば知るほど面白いクルマである。

レザー貼りのシート。その座り心地はソファーのような、いかにもひと昔前のアメ車らしくフワフワとしたもの。スピードを出したりチョロチョロしたりせず、ゆったりノンビリと街中を運転するのがワゴニアに似合ったスタイルだろう。

運転席と比較すると、リアシートの使用感はほとんどないと言っていい。非常にコンディションの良い車両だった。

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