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試乗記 TEST RIDE 2015 GMC キャニオン (GMC CANYON)ボディは迫力十分なデザインとフルサイズに迫るサイズ感

2015 GMC キャニオン (GMC CANYON)

エンジンのみダウンサイジングこそ理想的

アメ車といえば「とにかく大きく迫力こそ命」的な楽しみ方がある一方で、変わりゆく最先端のアメ車を味わうことも時代の流れ。注目は、迫力十分なデザインとサイズ感がありながら、エンジンのみダウンサイジングされたマシン。注目必至のミッドサイズピックアップ、GMCキャニオンを紹介しよう。

更新日:2017.08.02文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

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トラック・オブ・ザ・イヤー2015 受賞車

 アメリカ本国におていはこれまで、ミッドサイズトラックはまったく意味の無い存在として軽視されていた事実がある。だからかこのカテゴリーにおけるモデルラインナップは、日本メーカーばかりだった。

 その代表的存在がトヨタタコマでありニッサンフロンティアだったのだが、近年ではトヨタタコマの独壇場だったと言っていい。

 ところが、世の流れに応じてユーザーの意識が燃費に向かいつつあることを察知すると、GMは、かつて生産終了しアジア向け戦略車として誕生させた車両を、あえて北米モデルに仕立て直して最新トレンドデザインを導入。そして2014年に再びデビューさせたのである。それがシボレーコロラドである。そしてその兄弟車がここで紹介するGMCキャニオンである。

 ちなみに、シボレーコロラドは、その年にアメリカで発表されたバン&トラックの中で最高の一台を決定する「トラック・オブ・ザ・イヤー2015」に選ばれた。ノミネートされただけじゃない。一位を獲得したのである。

 フルサイズのピックアップトラックを必要としない顧客に向けて、高い走行性能と機能性を提供しミドルサイズピックアップトラックの新基準を提示した、と他にノミネートされたフルサイズモデルたちをも凌駕して認められたわけである。
全長5メートルを余裕で越えるサイズ感に迫力のGMCグリルを備えたキャニオン。フロントマスクは、兄貴分たるシエラにそっくりな印象であり、アメ車ファンを満足させるだけの圧倒的なデザイン力を見せつける。
これまでのミッドサイズにありがちな異国感は皆無であり、本国アメリカでも大人気。ライバル、トヨタタコマとの熾烈な販売競争によって、洗練されたピックアップトラックとなっている。
旧アメ車のデザインテイストから若干丸みを帯びてはいるが、骨太感と迫力のスタイリングはさすが。大きさ的な印象では、90年代のC1500くらいのサイズ感はある。
搭載されるエンジンは2種類あり、2.5リッター直4は200hp、最大トルク191lb-ftを発生させ、上級モデルとなる3.6リッターV6は305hp、最大トルク269lb-ftを発生させる。それを6速MTと6速ATとの組み合わせて走らせる。直4エンジンはクラス最高の高速燃費を示し、V6エンジンはカマロ譲りのパワフルな性能を与えてくれる。

本国でもミッドサイズ市場は活性化

 ミドルクラスと言えども、まったくもってボディの迫力は欠かせないし、何よりサイズ感は絶対に必要である。過去に経験してきた数々のミッドサイズモデルたちが日本において惨敗してきたのも、決定的にこの部分が足りなかったからであり、こういった外見部分でのアメ車感が伴っていれば、「じつはエンジンなんて大した問題にはならない」、なんて個人的には考えている。特にこのキャニオンを見たあとでは。

 余談だが、このキャニオンが登場して以降、トヨタタコマがフルモデルチェンジを果たし2016年モデルとして新たに登場した。タコマはキャニオンやコロラドを見た後のフルモデルチェンジだけに、同様の性能を実現し再び人気沸騰である。

 一方で、キャニオンやコロラドも今後再び手が加えられる可能性もあり、こうしたライバル関係における相乗効果によって、ミドルクラスピックアップ市場が一段と活性化されるに違いないのである。

 再び余談だが、つい最近メルセデスブランドからXクラスが発表された。基本的にはシャシー全般は日産ナバラを使用しているのだが、メルセデスブランドのパワーによって日本でも爆発的人気を得る可能性を秘めている。メルセデス的には、このXクラスの登場によってバハレースへの参戦を目論んでいると思っている。そうすれば当然、AMGバージョンが登場し、それに触発された他メーカーたちは自社モデルに手を加え…、一気にピックアップ競争の加熱が実現する、というようなイメージが湧くが果たしてどうだろう。

 ま、とにかく日本でのピックアップ人気の一助になって欲しいと本気で願う。閑話休題。

フルサイズボディに匹敵するサイズ感

 シボレーコロラドとGMCキャニオンは兄弟車であるから、これまでいくつもあったシボレーとGMCとの関係性と同じ範疇内に属し、デザインやブランド以外での違いはほとんどない。だから好きな方をお選びいただければ結構なのだが、こと迫力という点にいてはGMCキャニオンが圧倒的である。

 くわえて、過去これまで見てきたGMC系ブランドの名車たち、ユーコンデナリにサバナ等といったツウ好みのアメ車たちと同様の特殊性も持ち合わせ、同様に大型のフロントグリルを備えた迫力マスクが堪能できる。

 同時に、キャニオンは上級モデルたるフルサイズピックアップのGMCシエラと瓜二つのマスクを持ち合わせていることから、下位モデルの安物感がまったくないのも素晴らしい。

 実際に、近年のミッドサイズトラックはこれまでの旧ミッドサイズよりはかなり大きくなってきており(フルサイズと旧ミッドサイズの中間くらいにまで成長しており)、フルサイズオーナーがたやすく乗り換えられるサイズ感を有している。

 つまり、状況によってはフルサイズモデルをもライバルとして競うことが可能になったわけである。個人的には、フルサイズのシエラよりも日本でウケそうな気がするほど、迫力のスタイルとちょうど良いサイズ感に感心したのである。
ノーマルで実用車っぽく乗ってもいいし、デザインがいいだけに、ちょっと手を加えれば洗練さたカスタマイズピックアップになる可能性を秘めている。
インテリアは、旧モデルにありがちあった安っぽさは皆無であり、同じプラスチックでも素材感の良さは特筆もの。グレードによる装備の大小はあるが、全体的な印象は格段に質感の上がった満足感の高いもの。
ダークアッシュ/ジェットブラッククロストリム にキーレスやクルーズコントロール、リアカメラ等が装備されている。あとは、ナビゲーションがあれば十分な装備といえるだろう。
メーター類はシンプルな造形で視認性は良い。あくまで実用車だが、過去のピックアップのような質素な感じではないから満足度も高い。
アクティブエアログリルシャッターにより、高速走行時に自動的にグリル内のシャッターが閉まる。
ベッドプロテクションのオプション装備付き。
GMCロゴ入りベッドライナーにソフトトノカバー 装着。

ハイテク装備で空気抵抗削減

 キャニオンに搭載されるパワートレインは2種類あり、2.5リッター直4は200hp、最大トルク191lb-ftを発生させ、上級モデルとなる3.6リッターV6は305hp、最大トルク269lb-ftを発生させる。

 この直4エンジンは2.5リッター級セグメントにおいて最も良いハイウエイ燃費を誇っており(27mpg)、一方で3.6リッターV6は、カマロに搭載されるV6エンジンでもあり、もちろんこのセグメントにおける最もパワフルなエンジンとして最速ピックアップの称号をキャニオンに与えてくれるのである。

 燃費が良く見栄えの良いピックアップが欲しければ断然2.5リッターモデルでいいわけで、もし燃費を気にしつつアクティブなピックアップが欲しければカマロ譲りのV6モデルを選べばいいわけである。

 ちなみに、このセグメント初となるアクティブエアログリルシャッターという装備が付随しており、これは高速走行時等に状況が整った時点でグリル内のシャッターが自動的に閉まり空気抵抗を減らし燃費効率に貢献するというハイテク装備。

 アメ車でももはやここまでの対応が迫られているわけである。

 なお、駆動方式も2種類ありFRと4WDが用意され、それぞれに6速MTと6ATがチョイス可能となっている。さらにボディは3タイプあり、2ドア+ロングベット、4ドア(クルーキャブ)+ショットベットおよび4ドア(クルーキャブ)+ロングベットの組み合わせとなっている。

十分な迫力のエクステリアデザイン

 今回BCDが直輸入したキャニオンは、2.5リッター直4エンジンに6速ATが組み合わされたもの。クルーキャブ+ショートベッドの2WD仕様でオプションのベッドカバーが装備されており、日本での使用を加味すれば恐らく一番使い勝手の良いオーソドックスな仕様だと言えるだろう。

 わずかながら動かした印象を言えば、まず圧倒的に強固なボディに感心する。ガッチリ感が半端ではない。そして引き締まった足回り。エンジンはありがちな四気筒の印象だったが、200hp、最大トルク191lb-ftを発生させ、その最大トルクの90%を2000から6000rpmの幅広い域で発生し続けるようセッティングされているため力不足は微塵も感じさせず、普通に走っている限りにおいては、かなり速い印象を与えてくれる。

 もちろん、飛ばせば辛い部分もでてくるのだろうが、逆に燃費条件をクリアするならこの実用域重視なセッティングこそが大正解であり、たとえばサーファーの足として目的地に向かうのに200キロ/hで突っ走る方もいないだろうから、アメ車としての迫力と道具としての質感を備え、なおかつエコ的なマシンとしての役割を十分に果たすだろう。

 インテリアや各部の印象も想像上に良く、昔のような無機質な印象はなく、上質な感じと雰囲気の良さが詰まったピックアップとして非常に面白い存在だろうと思う。くわえて外見の印象は紛れもないアメ車のそれであり、大型グリルを備えた迫力はGMCそのものである。

 逆に、この佇まいで4気筒エンジンを積んでいるとは誰も思わないだろうし(笑)、ちょっと言葉は悪いかもしれないが十分にハッタリが利くのである。
リアバンパーのコーナーには、足を載せるためのステップが設けられ、荷台の使い勝手の良さを高めている。ここら辺は、フルサイズモデルと同様の装備となる。
車高の高いピックアップには必需品となるサイドステップは装備済み。
装着される16インチホイールには、265/70R16インチタイヤが装備される。乗り心地が抜群に良く、低燃費を実現する70タイヤ。
オニキスブラックのボディカラーにダークアッシュクロスシートの組み合わせ。シート地はパンっと張ったフィット感の高いもの。
圧倒的な速さはないが、実用域での走りは逆に満足感の高いもの。本国で評価される理由がわかる。

ミッドサイズの普及はアメ車業界の使命

 個人的にも、注目しているアメ車像に近いカタチであり、スポーツカーのマスタング、SUVのエクスプローラー、ピックアップのコロラド/キャニオンetcと、4気筒エンジンは今や世界中のブームになっているだけあって(ベンツもBMWもアウディもボルボもジャガーもポルシェも)、非常に興味深い車種であったことは間違いない。というかオススメです。

 「時代的にある程度、エコ的な要素が求められるのは仕方のないことですし、実はそうした流れはアメリカでも顕著です。ただ、いまは昔と違ってミッドサイズ=安物、アジアンモデルというわけではありませんし、ボディの迫力で言えばフルサイズにヒケを取らない最新デザインです。何より本国メーカー自身が時代の流れを感じて出したモデルですから、アメ車としての魅力も備わっているのが最大のポイントです」とBCDの担当者。

 現地の特選車を独自ルートで日本に導入するBCDは、最新モデルの新車も当然扱っている。しかもディーラー並みの保証体制をもって好みのモデルを本国に注文できるだけに、日本のアメ車ユーザーの大きな支えとなっている。そして、そうしたメジャーな新車以外にも積極的に現地モデルを日本に導入し、アメ車の普及を怠らないことが一層BCDの信頼を高めているのだろう。

 BCDでも取り扱いを開始し積極的に展開していくというミッドサイズモデルは、今後注目必至のカテゴリーであり、普及はアメ車業界の使命でもあると思う。

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