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試乗記 TEST RIDE 2005 ダッジバイパーSRT10 (DODGE VIPER SRT10)ロードスターのみで始まった第三世代

2005 ダッジバイパーSRT10 (DODGE VIPER SRT10)

3000キロ走行という恐るべき極上コンディション

本国ではすでに右肩上がりの価格上昇が始まっていると囁かれるバイパー。この車両も恐るべき極上車両ではあるが、二年前と比較して2万ドル以上の価格アップがなされているという。そんな極上車両を取材した。

更新日:2017.10.30文/椙内洋介 写真/古閑章郎

取材協力

BUBU / ミツオカ
TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]

BUBU横浜
TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

10年落ちくらいの中古車入手が一番難しい

 ここ最近は、比較的新しい年式の車両や新車系の車両を紹介してきたから、程度をあまり心配する必要もなかったが、今回の2005年型ともなれば12年前の車両ということで、やはり目利きとしての能力が俄然必要になる。すなわち、直輸入を専門とするBCDならではの腕の見せどころといった感じだろう。

 全米にネットワークを持つBCD。雑誌でよく見かける他店の「輸入代行します」というフレーズだが、実際には現地シッパーと呼ばれる方々に任せきり。彼ら現地人が選んだ車両が日本に送られてくるのが一般的だ(だから写真のみをアテに日本に来るまで車両状況がわからないなんてことも多々ある)。

 だが、BCDは現地に日本法人があるから、現地の日本人スタッフが日本人向けに車両をチョイスする。だから日本人が嫌がる過走行や内装の汚い車両はまず間違いなく入ってこない。

 しかも、現地オーナーと直接交渉して売買交渉をするなど、上質の現地車両を探すための手間を惜しまない。ということで、今回のような極上のバイパーが手に入るのである。
500hpのオープンカーである。楽しくないはずがない。超刺激的である。中古車の価値としても高く、所有する悦びにも溢れている。
この第三世代は、じつは日本人デザイナー、鹿戸治氏によるデザインと言われている。それまでの世代ほどのボディラインの抑揚はなくなったが、全体的に品良く洗練された印象である。
それでもこの先の世代と比較すれば十分にアグレッシブなスタイルである。
オープンにした状態のデザインバランスにも長けている。ボディのウエストラインが高く、また着座位置が低いから、まるっきりオープンカーというような感じにはならず、まるでレーシングカーのような印象であり、そのシルエットにはシェルビーコブラを連想させるのである。
8.3リッターV10エンジンは、510hp、最大トルク525lb-ftを発生させる。特別な電子制御装備を持たないスパルタンさがマニアの心をくすぐる。街中から200km巡航までを余裕でこなせるフレキシブルさが、この世代のバイパーの特徴である。
ボディで剛性を取るというよりは、フレームでガッチリとした強さを与えているバイパー。
乗降には分厚いサイドシルをまたぐが、その下には排気管が通っているから熱さでヤケドする(笑)。マジで注意が必要。ボディにも注意書きが貼られている。

驚くべきコンディションの12年落ちバイパー

 今回の車両は、2005年型のバイパーSRT10ロードスター。走行距離3000キロ弱。

 スペックだけを見れば驚くほど極上の部類である。この年代のバイパーとはいえ、すでに12年前の車両。手荒に扱われていたり、ぶつけていたり…、そういった危険性はなくはない。

 だが、BCDは現地での確認を自分たちで行い、さらに日本にて自社スタッフが確認を行い、さらにその後第三者機関の鑑定士が別途確認をしているから、二重三重のチェックの元、事故車等の判別も確実に行われているのである。

 ちなみに余談だが、現地には20台以上のバイパーを所有している老夫婦がいる等(ニュースにもなっていた)、バイパーも投資の一環になっている可能性が高い=そういったところから入手すればまだまだ程度極上の存在が手に入る可能性は残っているという。が、程度に応じた価格になっているのは間違いないだろう。

 ということで、実物は直接触れるのが恐ろしいくらいの程度であり、それを撮影するというのも若干気が乗らない。それほどの車両を目前にして取材がスタート。

 写真を見ていただければお分かりいただけると思うが、まるで磨き立ての車両のようにピカピカである。手に触れる各部も、まだ若干渋さが残っているような状態であり、普通に考えれば3000キロという距離は「やっと慣らしを終え全開にできる状況」になった程度であるから、大切に乗っていれば、まだまだ機械的な馴染みが十分ではないとも考えられる。

 それでも乗れば、ひと言「最高!」である。個人的にはRT/10、GTSとそれぞれで試乗させてもらった経験があり、このSRT10も今回を含め3度目の試乗経験となるが、個人的には常に楽しく、欲しいと思う。

第三世代は大人しい?

 慣れれば、恐らく毎日の足にも使える柔軟性があるし、逆に晴れの日のクルマとして週末にだけ楽しむ趣味グルマとしての価値も最高だろう。何より絶版車でありながらのこの走行距離の少なさと程度の良さが、「今のうちにものにしたい」と本気で思わせる。

 同行しくれたBCDスタッフ曰く「BCDでは過去にもこの第三世代のバイパーを積極的に販売してきましたが、いまだにずっと維持されている方がほとんどです。車両トラブルもほとんど出ず、安心して楽しめる世代だと思います」

 この第三世代のバイパーとは、2003年~2007年のモデルのことを指し、2003年に登場した時点ではフルオープンのロードスターのみで登場。搭載されるエンジンは、8.3リッターV10となり500hpを発生させ6速MTと組み合わされる。

 ちなみに2006年にはSRT10クーペが登場し、エンジンパワーも510hpとなるが、じつはこの第三世代はのちのちに評価が分かれるのである。

 すなわち、2008年から登場した第四世代のバイパーには8.4リッターV10エンジンが搭載され、馬力も一気に600hpへと進化した。だからこれをもって第三世代は「大人しい世代」との評判がたったというわけである。
フェンダーの盛り上がりによって見切りがよく、街中での運転は意外にもしやすい。だが、速度を上げればまた違った一面が垣間見れる。
まあたしかに、プラスチック然とした印象は拭えないが、乗ってしまえばまったく気にならないインテリア。すべてが走りのための装備として設えられている。スタートは、キーを入れ回したのちにスタートボタンにて始動するアナログ的作業である。
センターに配置されたタコメーターがスポーツカーのムードを高めてくれる。逆に、走行中にはタコメーターしか見る余裕がない。
屈強な6速ミッションは、剛性の塊でかつゲートが明確で操作しやすいので意識しないでもギアはガンガン吸い込まれていく。しかもシフトは速度を上げるほどシックリくる。
ABCペダルはもとより、フットレストの位置まで調整可能。小柄な日本人にもベストポジションを得ることができる。ちなみにクラッチペダルの踏み込み量が若干多く、足の短さを痛感した次第だ。
レザーとスエードとのコンビレザーにバケットシート。ホールド製が抜群に良く、スポーツカーに相応しいタイトなシートだと思う。
スポーツカーらしさ溢れるメーター類が気分を高めてくれる。こうしたちょっとした心遣いが、ドライバーには大切であるということが良くわかる。

第三世代こそオススメかと

 だが、個人的にはそれをもってすら、第三世代のバイパーがオススメであると思っている。

 まず、ロードスターであること。真横から見るとわかるが、そのシルエットにはかつてのシェルビーコブラの雰囲気が漂っている。それにオープンであるがゆえに、あまりにパワーにこだわる必要がない(後の世代にもロードスターは登場したがあえてチョイスした方は少ない)。

 くわえて電子制御がまだあまり複雑ではない世代であるがゆえに、エンジン系のトラブルが非常に少ない世代であること。これらを鑑みて、価格とパワーとその魅力度が抜群にマッチしている世代こそが第三世代のロードスターであると思うのである。

 再びBCDスタッフ曰く「乗っても非常に乗りやすい車両だと思います。もちろん慣れればですが、着座位置からペダル類の配置、視界の見切りの良さ、シフトワークなんか手首のスナップで動作可能ですし。500hpのモンスターですが、比較的扱いやすいと思いますね」

 扱いやすいとはいえ、世間で聞くバイパー伝説はある意味真実が多く(笑)、「雨の日の交差点でスピン」なんて話は逆に軽度な部類であって。でもそうした逸話があるのもバイパーらしく、実際にオーナーになって試して欲しいと思うのである(笑)。

 なお、今回の車両価格は748万円。この価格は現チャレンジャー392の新車よりも若干高く、ヘルキャットの中古車よりは若干安価であり、今回のバイパーの程度の良さであるならば、ヘルキャットとの購入検討もありだなと思っているがどうだろうか。
別の取材のコルベットZR1と並べてみた。どちらも別格のマシンだが、バイパーのオーラは半端なかった。

今後の価格上昇は必至

 ちなみに、まったくの余談だが、今も世界中で空冷ポルシェ911の値段が高騰し続けている。数年前まで5万キロ走行のカレラ2で398万円だったものが、まったく同じものであるにもかかわらず1000万円を超えている。

 今年夏に最終モデルが発売され、生産終了となったバイパー。つまり絶版モデルとなったことで、その価格は上昇すると思われている。例えば今回と同じ2005年型は二年前には500万円台の車両があったが(もちろん程度によりけりだが)、今や700万円台がザラである。

 先ほどの老夫婦の例じゃないが、全米でも価格が向上しているということで、この先、入手するには1000万円台の金額が必要になる日も来るかもしれない。価格に関しては、あくまで想像だが、これだけの希少性を考えればそれに近い動きが予想できるだけに、早めに入手するのも一考だろう。
C6コルベットの中でも別格の存在感を放つZR1。この車両は2012年モデルだが800万円代後半の価格帯を維持するなど、人気高なモデルである。バイパーもそうだが、こういった特別モデルは、この先も高値安定が維持され、逆にこの先上昇することも考えられる。特にバイパーは生産終了となったため、余計に上昇が予想されるのである。

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