TEST RIDE

[試乗記]

大排気量NAエンジン+MT車の筆頭モデル VOL.2

2016 シェルビーGT350

フォード謹製の専用設計エンジンにこそ価値がある

いまや、世界中のクルマ好きから熱視線が送られている大排気量のNAエンジンだが、モデル数は年々減少の一途をたどる。だからオススメの二台を厳選。専用設計エンジンを持つシェルビーGT350である。

更新日:2018.09.26

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

世界中でも数少ない専用設計エンジン搭載車

 単なる効率だけを求めれば、もしくは安楽さだけを追求すれば、機械がおこなう変速に人間はとうの昔に敵わなくなっている。だから、世の中からMTミッションがなくなっていった。

 今や世界最速を競うスーパーカーでさえもMTではなく、ATである(ATとは言ってもそれこそMTを自動的に行うかのようなATであるから、昔気質のATとはわけが違うのであるが)。

 だが、速さを問わず、アクセル操作やエンジン回転数に排気音の変化が伴うMT車の魅力を知ってしまうと、「あえてMTがいい」と今でも素直に言える。

 もちろん、クラッチ操作は時にめんどくさい。だが、走り出せばそれをも上回る快感が押し寄せる。そんなアメ車のヒーロー的存在がマスタングのシェルビーGT350である。

 話は一旦それるが、このGT350以前の旧マスタングは、初代のリバイバルデザインとして復活し、予想外の大ヒットを飛ばしたモデル。

 だが、メカは意外にも平凡であり、足にはリアサスがリジッドといった旧式が奢られていた。にもかかわらずフォードの開発力は凄まじく、それはそれは素晴らしいクルマに仕上げたのである。よく言われるように、素材は平凡だったが、絶品の味付けにて欧州GTにも匹敵する快感をもたらしたのである。

 で、そんな旧マスタングは2015年にフルモデルチェンジ。リアサスは独立式に進化し、V8エンジンもDOHCへとランクアップして見せ、平凡なメカが一気に現代風のGTへと生まれ変わったわけである。

 それまでと同様に新旧マスタングの魅力は、こうしたV8エンジンがMTで乗れることだった。中でもシェルビーGT350は絶品である。今や世界中でも数少ない専用設計エンジンである。

シェルビーGT350にいたっては、ベースモデルがマイナーチェンジを行っているが、フロントマスク等デザインの変更はない。ノーマルマスタングよりも大きく開かれたグリルや各部インテーク類のエア導入口が特徴である。

ホワイトにブルーのレーシングストライプの組み合わせ。まさしく定番的なスタイルだが、断然カッコイイ。

ナンバリングプレートもサマになるのがGT350。

ピュアな自然吸気エンジンはいつまで存在するのか

 来る「効率化」の時代に、たとえばダウンサイジングターボ全盛の時代に、たとえば電動モーター装備でハイブリッド、もしくは電気のみの車両が増えつつある時代に、NA(自然吸気)のピュアなエンジンを新たに製作することにどれほどのリスクが伴うか。

 しかもアメ車は、元来大パワーを実現させるためにスーパーチャージャーを使用する歴史的文化的な流れがあるなかで、あえてGT350には5.2リッターV8NAエンジンが採用されている。

 排気量1リッターあたりのパワーが100hp以上という、フォード史上最高パフォーマンスを謳うこの自然吸気エンジンには、俗に言うフェラーリV8等と同様のフラットプレーンのクランクシャフトが使用され(多くの市販車に採用されているクロスプレーンのクランクシャフトとは異なり)、高回転域まで鋭く吹け上がる。

 実際、シェルビーGT350のレブリミットは8250rpmというから、フェラーリ458とはいかずとも、これまでのどのアメ車と比較しても突き抜ける感覚が味わえるV8エンジンである。

GT350のエンジンは、レブリミットが8250rpmとアメ車としては異例の高回転型パワーユニット。5.2リッターV8NAエンジンは526hp、最大トルク429lb-ftで、スーパーカーに匹敵する官能性能を備える。

エンジン本体はハンドビルドされ、組み上げた担当者のネームプレートが備わる。

フォードパフォーマンスのタワーバーが剛性を確保する。

どの角度から見ても落ち度のない、攻撃的スタイルがポイント。美しいとさえ感じさせる。

アメ車であるが、アメ車にあらず

 GT350は、6速MTのみと組み合わされるから、さらに足回りにはフォード初のマグネライドダンパーを装備し、ブレンボの大容量ブレーキとミシュランパイロットスーパースポーツを装備、カーボンパーツやエアロを多数装備しアルミボンネットを採用するなどして、走りに対する妥協は一切許さないマシンに仕上がっているから、「史上最高峰かつ超刺激的なアメリカンマッスル」といっても過言ではないのである。

 くわえて、最後の大排気量V8NA搭載+MT車とも言えるだろう(アメ車で高回転型NAエンジンの開発もしくは搭載モデルの予定は今後まったくない)。

 そんなGT350の2016年車、走行2300キロという極上モデルを取材したわけだが、この車両の感想はひと言、「アメ車であるが、アメ車にあらず」。

 直線が速いとか遅いとか、曲がりが速いとか遅いとか、そういったことが一切気にならず、ただ走らせること自体に酔いしれる。クルマ好きならわかるはずだが、「天にも舞い上がる気分」である。

スーパースポーツ顔負けのエンジンパフォーマンスをTREMEC社製の6速マニュアルトランスミッションで操る。ミッション自体は、ストロークが短いスポーティなもの。操作性も良好。

クラッチは、想像の範囲の重さ。逆に軽いとさえ感じる。個人的な感想では、踏み込み量が多く、クラッチを戻しながらの操作性に慣れが必要と感じたが、扱いづらいわけではない。あくまで慣れの問題。ペダル配置はレーシーなもので、ヒール&トゥーも容易に可能な配置がなされている。

フォード車として初採用となるマグネライドサスペンションに19インチホイールとブレンボ社製大径ブレーキが組み合わされる。

普通に走らせているだけでも惚れ惚れするようなフィーリングとサウンドが味わえる。V8NAエンジンをMTで心行くまで味わえる車両は、世界中を見渡しても両手で収まる範囲の数しかないだろう。

いまなら新車でも極上中古車でも可

 とにかく、V8エンジンのサウンドとフィールが最高である。回転上昇とともに力がみなぎり強烈な加速をうみ、タコメーターの針が勢いよく上昇し、排気音が比例して大きくなる。回転振動は大きいが、吹け上がりの刺激や気持ちよさをこれほどまでに感じさせるエンジンはそうはないだろうし、そのエンジンをMTでダイレクトに操れる感覚性能の高さはアメ車随一である。

 もちろん、撮影車としてお借りした借り物だけに、最後のアクセルひと踏みは当然遠慮したし、それ以前に至る過程でも十分に素晴らしさが体感できる。と、同時に最後の1000rpmは、自分のモノとして入手した時にまで取っておこうと思う(笑)。

 上記したように、こうしたピュアなV8NAエンジンの新品や新品に近いコンディションの車両が入手できるのも、今のうち、だけだろう。しかも大排気量エンジンである。時代に逆行している、と効率を求めれば真っ先になくなるであろう存在である。

 以前は、GMに「7リッターV8エンジン搭載のカマロZ28」が存在したが、たった二年間の存在だっただけに、日本には10台もないと言われる。だが、今になって「欲しい」という方がいるらしく、しかも、アメリカ本国での価値が高く、価格も高いから二の足を踏んでいる方が多い、と聞く。

 GT350は、7リッターほどの大排気量ではないが、GMがアプローチした方法とは別の手法によって高回転エンジンを実現し、GM以上の快感をもたらしてくれる。そんな車両もあと何年存在するのか。

 BCDでは、すでに全国に20台ほどのGT350を直輸入しており、なかにはGT350Rも手がけた経緯を持ち合わせている。聞けば、「350の問い合わせは、全国からかなり多く、なかでも新車の問い合わせが多い」という。

 理由は、ボディカラーとストライプの組み合わせが好みで選べるからであり、また豊富なオプション装備にもこだわれるからであり、この稀代の名車を自分好みに仕上げたいという方が多いのだろう。

 とはいえ、BCDに展示されている直輸入車にも、カラフルな「らしい」展示車が多いこともあり、また二重三重のチェックを受けている個体ばかりのため、即決される方も多いというのである。

 今や大排気量のNAエンジンをMTで操れるのは、アメ車数台とスーパーカー系の一部のみである。小排気量のマツダロードスターにも良さは当然あるが、そういうものとはまた異なる別格の存在を、一度は味わって欲しい。フォードが本気で作った名車の価値は計り知れないのである。

インテリア全体の雰囲気は、ノーマルマスタングをベースとしたものだが、ステアリングの持ち手部分がスエードになるなど若干変化も加えられる。電動パワステの感触は軽いが、シッカリと反応が示されるだけに良好である。

コンソールのセンターメーターが雰囲気を高める。またコンソール全体の操作性も悪くない。

超攻撃的なバケットシートを想像していたが、この車両には比較的安楽なシートが装着されていた。だが、待ち乗り重視ではこの方が断然乗りやすい(好みの問題もあるあるだろうが)。

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