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へダースチューニングで導き出すサバーバンの本性

シボレーサバーバン (CHEVROLET SUBURBAN)

長く楽しめるアメ車、SUVの醍醐味

今や中古車市場では比較的安価な2000年代サバーバンの楽しみ方の提案である。アメ車に乗るからには排気系チューニングは基本中の基本。だが都心の高級住宅地区に住むオーナーさんとしては、気が引ける部分もある。そこで導き出した答えがへダースチューニングだった。

更新日:2016.06.01

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

巨大フルサイズSUVが一回り小さくなった感じ

 1999年型までの角形サバーバンからモデルチェンジし、2000年から2006年まで存在したモデルの2003年型5.3リッターV8搭載車がベース。

 エンジン自体はノーマルでありながらも、ロングチューブへダースを装着。これにより中速以降の伸びが格段に良くなった。本来なら、さらに排気系チューニングへと行きたいところだが、近隣住宅への配慮が高じて、今回はへダースのみチューニングとなった。

 また同時に、勢いのついた巨体を止めるべく大径ブレーキ&キャリパーを装着し、その際のバネ下重量軽減を狙ってHREのオーダーホイールをセッティングしている。

 「へダースだけでそこまでいらないでしょ?」と思うかもしれないが、さにあらず。2000~4000回転前後が気持ち良く回る軽快な加速感と野太いエンジンサウンドに、まるで別物と思うほどの「変化」が体感できるのだ。

こういう角度から見るとまったく普通のサバーバンに見えるし、まるでノーマルのようでいて楽しいというのが、今の時代にも、この年代のサバーバンカスタムにも、マッチしていると思う。

 「ロングチューブへダースなんで、低速域を若干犠牲にしますが、そこはアメ車のV8。それを補って余りあるほどの十分な力がありますからね。で、中速以上は今まで以上に活発に生かすようにセッティングしています。若干の低速トルクを犠牲にしたとしても立ち上がりの素早さで相殺できるし、乗ればわかりますが、アクセル踏めば『ブヮ』っと伸びの良さが感じられます」とは高橋氏。

 極端に言えばサバーバンじゃない感じ。ひと回り小さいSUVを運転しているイメージといえば分かりやすいだろうか。それに超軽量のブロンズゴールドに輝くHREの22インチが車体の動きに即応したハンドリングをもたらすために、余計に軽いクルマに乗っている感じが伝わって来る。

 くわえて勢い余って踏み過ぎたスピードを確実に殺すKIBA製ブレーキキャリパーが、アクセル踏むことを躊躇わせない。

 「今回はチューニングの第一弾としてのへダース交換です。これでちょっと様子を見て、しばらくしたら次にマフラー行きましょうか。そんなようなステップアップが可能ですし、それ以上を求め吸気系と組み合わせるなどすれば、ボルテックV8の性格をまるっきり変えることも可能ですよね」 

 一見すると大径ホイール履いた大人しいサバーバン。だがその実、中速以上で走るとかなり速いスピードキラー。しかもまだまだ余力を残しているから、この先10年は余裕で楽しめる。さすがアメ車である。くわえてSUVという乗員への配慮も欠かさない。スポーツカーやスポーティカーでは決して真似できない大人数での移動体である。

 現段階でもコレだけ楽しいサバーバン。旧型モデルだが古さを全然感じさせず、さらに重量級のアメリカンSUVがここまで変わるならば、あえて新型や欧州SUVに乗り換える必要性などまったく感じないし、この先時間をかけて、極めていく楽しさを追い求めるのも面白いだろう。長く楽しめるのもアメ車の醍醐味であるし。

写真がロングチューブへダース。これにより中速以降の伸びが格段に良くなり、巨体フルサイズSUVを楽しく走らせることが可能になった。また次回マフラー等と組み合わせる期待感もある。

ブロンズゴールドというシブいカラーリングを配したHREのオーダーホイール。見かけだけでなく、バネ下重量軽減という実益をもたらしてくれる。

レーストラックオリジナルブランドKIBAの大径ブレーキキャリパーとローターをセット。ブロンズゴールドのホイールとマッチするカラー。

へダースチューニングのみで吸排気はなどはノーマル。今後、まだまだ変わる余地を残した状態だ。それでも走れば変化は十分感じられる。

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