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試乗記 TEST RIDE 2015 リンカーン ナビゲーターたった一年のみ存在したディーラー車の中の1台

2015 リンカーン ナビゲーター

新たなモダンアメリカンラグジュアリーを確立した先駆け

2015年型のリンカーンナビゲーターを取材した。この年代はフォードジャパン撤退によるたった一年のみのディーラー車だった。

更新日:2020.11.21文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力

ブルート
TEL 0489529260 [ホームページ] [詳細情報]

たった一年のみのディーラー車個体

 2015年型のナビゲーターの中古車である。もちろんディーラー車。この個体を販売しているブルートでは、夏場以降からディーラー車ベースの中古個体を積極的に集めており、このナビゲーターもその中の1台。

 この2015年型ナビゲーターは、2016年のフォードジャパンの撤退を受け、2016年型のディーラー車の販売は行われていないから、この型でディーラー車ベースのナビゲーターを入手しようとすれば、おのずと2015年型に行き着く。

 しかも、日本全体に100台は入荷していなはずだから、かなり貴重な個体と言える。

 さて、2015年型のリンカーンナビゲーターであるが、フルモデルチェンジによって劇的に変化したモデル。通算四代目となるモデルチェンジである(最新型は五代目となっている)。

 エクステリア、インテリアのデザインを大幅刷新するとともに、3.5リッターV6エコブーストツインターボエンジンを新搭載。また、足回りに可変コントロールダンピングサスペンションを採用するなど、フォードの当時最新のテクノロジーを搭載した、かなりモダンに進化したアメリカンSUVだった。
2015年に登場した四代目モデル。リンカーンモデルの象徴である「スプリットウインググリル」が採用され、よりリンカーンらしい風情を感じさせながらも、ボディの作りや動力性能は圧倒的に進化しているモデル。
サイズ的には、エクスプローラーと比べると、車幅は同じで全長で20センチ長く、全高も20センチ弱高い。だが、運転してみると小回りが利くので毎日使用でも慣れれば問題ない。
ツインターボに直噴、可変バルブタイミングを組み合わせ、前モデルから排気量の大幅なダウンサイジングを図りながらも、リッターあたり100ps以上を実現したハイテクV6エンジン。385ps、最大トルク63.6kg-mを発生させる。
このエンジンに組み合わされるミッションは、セレクトシフト付き6速ATであり、マニュアルモードでの運転が可能となっている。
上質なプレミアムレザーやウォールナット・ウッドパネルを採用し、細部にまでこだわり、優雅で上質なリンカーンならではの空間を作りあげた。一方で先進技術を採用し、利便性と快適性を向上させている。

一新されたデザインとエンジン

 エクステリアには当時最新のリンカーンモデルの象徴である「スプリットウインググリル」が採用され、よりリンカーンらしい風情を感じさせながらも、過去を振り払うかのような力強いスタイリングに仕上っていた。

 全長×全幅×全高=5268×2002×1984ミリというサイズ感は、全幅のみでいえば、エクスプローラーと同じであり、全長で20センチ、全高も20センチ弱長くて高い。

 とはいえ、運転席から感じる大きさはそれほどでもないために、フルサイズのアメリカンSUVといえど、大げさではなく日常的に使える範囲と言っても過言ではない。

 インテリアには伝統的なシンメトリカルの美しいデザインとレイアウトはそのままに、ドライバーコネクトテクノロジー「MyLincoln TouchTM(マイ・リンカーン・タッチ)」と当時最新のナビゲーションシステムが標準装備され、より快適で、よりスマートなドライビング空間を提供してくれる。

 もちろん、そこにはリンカーンならではのラグジュアリーな世界観が投影されたインテリアが有され、ドライバーを魅了する。

 それ以前までの濃厚なリンカーンテイストは若干軽減したが、上質なプレミアムレザーやウォールナット・ウッドパネルを採用し、細部にまでこだわった優雅で上質な空間はこれまで通り。
こちらは2003年から2006年の第二世代のナビゲーター。

エスカレードとは向かう方向性を変えた

 で、この代の最大の話題が新たに搭載された3.5リッターV6エコブーストツインターボエンジンだった。それまでの5.4リッターV8エンジンから大幅なダウンサイジングを図りながらも、最高出力385ps/5250rpm、最大トルク63.6kg-m/2750rpmを発生させた。

 1700rpmからピークトルクの90%を発生し、どの速度域からでも力強い加速を実現するこのエンジンは、旧V8モデルと比較してもその差は歴然であり、圧倒的に速い。くわえて、このエンジンはそれ以降のフォード車上級ラインナップに搭載され続けているのだ。

 旧V8比で、馬力にして約70ps、トルク12kg-mの増強は、強烈な走行性能を実現しており、リッターあたり100ps以上を実現したこのツインターボエンジンは、それまでのアメリカンV8とはまた異なる世界へと導いてくれる。
こちらは2007年から2014年の第三世代のナビゲーター。
旧型の濃厚なリンカーンテイストから現代的な意匠に様変わりしたナビゲーターのメーターパネル。
ディーラー車はナビゲーションは標準で装備されいた。
純正のブラックホイールもチョイス可能だった。
室内空間のクリーンさは特筆もの。ドライバーズシートには若干の使用感があったものの、その他はほとんど感じず。
ご覧の通り、セカンドシートには使用された形跡がほとんど見当たらない。
もちろんサードシートも同様に使用感なしのクリーンな状態だった。

モダンアメリカンラグジュアリーの確立へ

 と同時にライバルたるキャデラックエスカレードとはまったく違う「路線」へと舵をきった。すなわち、「Modern American Luxury」である。

 一方、足回りには、走行中の車両を1000分の2秒毎にモニターし、サスペンションの設定を最適化する、可変コントロールダンピングサスペンションを採用することでハンドリング性能と快適性の向上を両立させている。

 駆動システムは、従来と同様にコントロールトラック4WDシステムを採用しながら、新型では滑りやすい急勾配を下る時に有効なヒルディセントコントロールを装備し、SUVとしての走破性も向上させている。

 ちなみに、当時のフォードディーラーで売られていた日本仕様は、ボディカラーが白と黒のみ。ナビゲーションも標準装備されたモノグレード構成ということで、この型の中古車も当然白黒ボディのいずれかであり、内容の違いもほとんどない。

 取材したブルートでは、初代ナビゲーターから扱っており、二代目、三代目と過去に取材をしてきたが、この四代目は初。

 聞けば、「たった一年しか日本では販売されていない車両ですから、個体の流通がほとんどなく、これまで仕入れたくてもできませんでした。もちろん、並行で持ち込まれた車両もなく、ですからこの四代目は非常にレアなディーラー車個体です」

独自性を改め時代の流れに沿う走りの性能

 2015年当時、フォードディーラーの広報車に1度試乗した経験があるが、もの凄い変化を感じた記憶が鮮明に残っている。とにかく軽々走り、SUVにしては強固なボディであり、それまで感じていた「鷹揚としたアメ車らしさ」みたいなものがまったくなくなっていたのに驚いたほど。

 だが、その後すぐに例の撤退によってこの型のナビゲーターはほとんど見かけなくなったから、逆に、今見ても新鮮さを感じる。

 と同時にホワイトのボディカラーにブラックの純正ホイールの組み合わせがよくマッチしており、フルノーマル状態というのも好感。インテリア全体的にも使用感が少なく、さすがディーラー個体と言えるだけのものだった。

 ブルートでは、F150ラプターやエクスプローラーを販売してきており、ナビゲーターに関しては初代からずっと扱ってきているショップということで、フォード車にもかなり精通しているから、販売だけでなくメンテナンスや修理相談も利用できるから覚えておくと良い。
販売マネージャーを務める岡崎氏。ブルートでも初となる四代目ナビゲーターについて解説してくれた。
旧世代の人気は今も高く、取材時にも納車整備が行われていたほど。

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