TEST RIDE

[試乗記]

引き締まった足と濃密なV8サウンドをMTで操る仕様

2020 シボレーカマロ V8 1LE

スペシャリティカーがリアルスポーツカーのように変化

シボレーカマロのMT専用仕様・1LEを取材した。今回はフェイスチェンジ後のモデルで、日本でもかなりレアな1台だった。

更新日:2020.12.25

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

ハイパフォーマンスパッケージ装着車両

 取材車は、2020年型シボレーカマロ SS 1LE。1LEとは、足回りや駆動系を中心としたメーカーチューンモデルであり、サーキットやワインディングを積極的に走るのに、ノーマルモデルではちょっと物足りないと考えているユーザーには最高の1台である。

 もう少し説明すると、シボレーカマロ1LEは、2013年モデルから追加された「1LEパッケージ」装着車のこと。

 当初はV8搭載のSSモデル、しかもMT車にしか装着できないハイパフォーマンスオプションであり、2017年からはV6モデル、2019年からは直4モデルのMT車にも装着が可能になり、バリエーションを増やしている(ZL1にも装着可能)。

 世界中のクルマたちからMT車がどんどんなくなっているにもかかわらず、1LEはMT搭載車のみとはさすが唯我独尊のアメ車。

 この1LEは、旧5代目カマロでも発売され、かなりの人気を博したモデルだったことから、6代目でも当然発売されている。とはいえ、6代目1LEは、それまでの5代目1LEとは異なり、よりディープな内容となっている。

2019年にフェイスチェンジが行われ、6代目前期モデルからイメージが一新されたフロントマスクを採用する。シャープなヘッドライトにゴツいフロントマスクがよく似合う。

リアにはLED化されたリアコンビランプが採用されている。このボディとリアデザインの印象は非常に良い。

フェイスチェンジは賛否両論ありもメカニズムの変更なし

 ちなみに5代目カマロとは2015年までのモデルを指し、2016年から6代目となっているが、2019年にマイナーチェンジを実施し、フェイスチェンジが行われている。今回の個体は2020年型だからフェイスチェンジ後の個体ということになる。

 このフェイスチェンジに関しては賛否両論あり、かつて取材したオーナーさんは「あえてフェイスチェンジ前の2018年型にこだわった」と語っていたほどであった。

 だが個人的には、フェイスチェンジ後の方が良いと思っている。フェイスチェンジにおいてはメカニズム的な変更はほぼないから、正直、性能差がないならどっちでもいいと思っていた時期があったが、両方を取材した経験からすると、今回のフェイスチェンジ後の方がカマロらしいアクの強さが滲みでていて、しかもシャープなヘッドライトとフロントマスク全体の統一感もあるし、バランス的にも良いと思っている。

6.2リッターV8LT1エンジンは、455hp、最大トルク455lb-ftを発生させる。1LEパッケージは、基本足回りを中心とした走りの質と外装関係の雰囲気を高めることを主眼としているために、搭載されるエンジンはSSオリジナルに準じる。それでも十分に速い。

このゴツい感じが現行カマロに非常によく似合っていると感じる。

一方こちらは2018年仕様。上記2020年と2018年とで意見が分かれるというが、メカニズム的にはどちらも変更はない。

いわゆる紺色にブラックの組み合わせだが、これが非常にカッコイイ。洗練された大人のカラーリングとも言え、ヤンチャな走り屋仕様には決して見えないのが嬉しい。

日本ではレアな仕様でありその価値は非常に高い

 しかも1LEだから、大型エアロが付き、ボンネットフードやミラー、リアスポイラー、ホイール等がブラックで統一されているから、走りの雰囲気が高まっており、非常にいい雰囲気を発している。

 くわえて、日本の街中ではそんなにお目にかかれない仕様だけに価値も高いしカッコイイ。ちなみに、ルーフにサンルーフが装備されていないから、ダブルバブルルーフになっているのも嬉しい。

 BCDでは、2013年車の頃から1LEをBCDのラインナップに加えており、それから現在においても直輸入を続けている(マスタングの項でも述べたが積極的にMT車を扱うBCD)。

 とはいえ、本国アメリカにおいても人気が高く、価格や走行距離とのバランスの取れた良好なモデルがなかなか見つからないということで、難しい車両の1台でもあるという。

 それでいて日本での人気が高いから動きも良く、今回も2台入荷したうちの1台は輸送中の間に売約済みとなっている。

取材車にはサンルーフが付いていないからダブルバブルバックのルーフデザインが採用されている。サンルーフが付いた場合は、平らなデザインのルーフとなる。

ブラックにペイントされたボンネットとリップスポイラーを装着する。その他、サイドミラー、ホイール、リアスポイラー、ホイールがブラックに統一される。

ブラックの20インチFORGEDホイール(前285/30ZR20 、後305/30ZR20)にグッドイヤーイーグルF1スーパーカータイヤの組み合わせ。

参考までにこちらは2018年仕様。BCDでは、こちらの仕様も取り扱うが、本国にて適切な車両が見つかればという条件付き。本国でも非常に人気車両だけになかなか見つからないのが現状。

600hp以上のZL1を支える足回りが使用されている安心感

 さて、1LEの装備だが、サーキットも楽しめる足回り&外装パーツが中心となっている。マットブラックのフードにフロントスプリッター、20インチFORGEDホイール(前285/30ZR20 、後305/30ZR20)にグッドイヤーイーグルF1スーパーカータイヤ。

 サスペンションにはマグネティックライドコントロールにモノチューブダンパーやスタビライザー等、そしてブレンボブレーキ(6ピストン)に電子制御ディファレンシャルの3.73レシオが入るという。

 言ってみれば、カマロZL1の足回りが導入されていると言っていい内容である。=600hp以上のZL1を支える足回りがノーマルV8モデルに組み込まれているのだから、その安心感と安定感、および攻めたときの懐の深さはノーマルSSの比ではないだろう。

 一方インテリアは、フラットボトムのステアリングにショートシフター、スエード製バケットシート等が中心となり、それだけでも十分魅力的だが、それにプラスした走りの性能向上と伴って圧倒的な雰囲気の良さというかオーラである。

インテリアは、ノーマルカマロと変わるところはないが、ステアリングとシフトノブがスエード張りのモノに変更されている。それだけでも雰囲気の違いは明確だ。

シフトはゲートが明確で、ストロークも明らかに短く、正確なシフト操作が可能なもの。フィールは男らしいガッチリした硬質なもの。

クラッチは一般的な重さでクセもないから、操作に難はない。またクラッチの上げ下げ動作だけで動き出すことが可能だから、慣れれば比較的簡単にドライブ可能だ。

日本でカマロといえば、オシャレなスペシャリティカーというイメージだが、1LEは、そんなカマロにリアルスポーツカー的な要素を加え、引き締まった足と濃密なV8サウンドをMTで操ることの楽しさを与えてくれる。

MT車専用のパッケージ装着でカマロのイメージが激変する

 今回BUBUのBCDに入荷した1LEは、リバーサイドブルーの1LEトラックパッケージ装着車。2020年型で約2200キロ走行車。

 距離的には、アメリカ的に言えばまだまだ新車のそれであり、インテリア等を念入りに確認したが、ヤレ等を感じることなく、BCDらしい非常にクリーンな個体であった。

 いわゆる紺色にブラックの組み合わせだが、これが非常にカッコイイ。洗練された大人のカラーリングとも言え、いわゆるヤンチャな走り屋仕様には決して見えない。

 カマロのアクの強さとレーシーなエアロとのマッチングも良く、逆に玄人っぽさが滲み出ているようだ。

 室内は、基本ノーマルカマロと変わることはなく(シートやドア内張が布製)、ステアリングとシフトノブがスエード張りになっているだけだが、それだけでも大人びた印象を与えてくれるし、しかもMT車。限られた人間しか操ることができないと言わんばかりの雰囲気が一層魅力的である。

 日本における現行カマロの印象は、オシャレなスペシャリティカーというもの。

 だが、この1LEは、そんなカマロにリアルスポーツカー的な要素を与えてくれ、引き締まった足と濃密なV8サウンドをMTで操ることの楽しさを与えてくれる。実際、街中を走っているだけでも浸れるし、マッスルカー的高揚感すら持ち合わせている。

 しかもアマチュアドライバーにとっては、455hpという大馬力を、より一層安全に使いこなせるようになるのだから素晴らしいのである。

 なおBCDには、BUBU系列でシボレーディーラーを運営していることから、当然、GM系のメンテナンスにも長けているだけに、安心感がまったく違うのである。

アナログとデジタルを併用するメーター類。視認性は良好。計器類が多数あり雰囲気を高める。

アクティブレブマッチ機能をオンにすれば、シフトダウン時に自動で回転数を調整してくれるから、慣れれば慣れるほどMTを操ることが可能になり楽しめる。

低い着座位置にスエードとレザーのコンビシートが装備される。シートの出来に関しては言わずもがな。約2200キロ走行車ということで、ヤレもほぼ皆無だった。

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