TEST RIDE

[試乗記]

シェルビーGT500の5.2リッターV8スーパーチャージャーエンジン搭載

2022 フォード F150 ラプターR

450hpのノーマルモデルを遥かに凌駕する「R」

以前から積極的にティーザー情報を利用してきたフォードだが、ついに「R」がデビューする。第一報から2年超。700hpのラプターRである。

更新日:2022.07.29

文/石山英次 写真/フォードモーター

二代目モデルからV6ツインターボエンジンに変更

 フォードF-150ラプターは、オフロード走破性能に特化したF-150のスペシャルモデルとして2010年にデビュー。初代モデルはV8搭載だったが、2017年にデビューした二代目モデルでは、排気量を落としV6ツインターボエンジンとし、さらにボディの軽量化を施すことで、パフォーマンスを最大限アップさせた。

 それに当時新開発だった10速ATを組み合わせ、オンデマンド式の4WD制御にアップグレードされたFOXレーシング製ショック等、贅沢な装備を満載し、オンオフ問わず最高レベルの走りを提供したのである。

 懸案事項だった搭載エンジンは、3.5リッターV6ツインターボ。V8ではなくなったが450hpを発生させ、パフォーマンス的には初代を圧倒的に上回ったのである。ちなみにこのエンジンはかのスーパーカー、フォードGT直系のエンジンである。

 さてこのラプター、乗ると驚くほどよく走る。この巨体を、まるでミディアムクラスSUVのごとき軽々とした動きに封じ込めてしまうラプター開発陣には恐れ入る。というか、これまでアメ車に乗ってきて心底素晴らしいと思えたクルマが3台ほどあったが、ラプターはまさにその1台。

 こればかりは実際に乗ってみないと伝わらないと思うが、本当に素晴らしいし、『本物』とはこう言うものなのか、と唸らされる。

↑この動画是非見てほしい。二代目ラプターがサーキットを走っている短い動画です。

2020年に702hpのラム1500TRXがデビュー

 で、このラプターの初代モデルがデビューしたのが2010年。そして2020年までの10年間はラプターの独壇場だった(ライバルを開発するのに10年かかったということ)。が、2021年ついに「打倒ラプター」を名乗るマシンが登場する。それがラム1500TRX。

 このラム1500TRXは、ヘルキャットエンジンである6.2リッターV8スーパーチャージャーエンジンを搭載し702hpを発生させる。

 もちろん、エンジンだけでなくフレーム&サスペンションも新開発されエンジンパワーに見合うだけの進化がもたらされており、普通に考えれば、V6ツインターボの450hpとV8スーパーチャージャーの702hpとではどれだけ差がつくのか? 少なくとも「ラムの圧勝では」という雰囲気が一気に充満していたわけである。

▲まだ詳細は発表されていなが、700hpのパワーを制御する足回りが与えられているはずだ。

▲外観上のポイントの一つがパワードーム。

▲ラプターはピックアップというよりは『マシン』という言葉がよく似合う。

シェルビーGT500の5.2リッターV8スーパーチャージャーを搭載

 そして2021年にフォードはラプターのモデルチェンジを実施。いわゆる第三世代となる新型ラプター。発表されたニューモデルの特徴は、37インチタイヤが装備でき、リアの5リンクサスペンションがリファインされ、いわゆるオフの性能がTRXを全て上回っているというもの。インテリア等ももちろん進化している。

 だが。搭載エンジンはリファインされたV6ツインターボであり、パワー等の変化はなかったのだ。

 というのも、後に「R」の登場が控えていたからである。そう、ラプターの最強モデル・ラプターRである。

 ラプターRは、シェルビーGT500の5.2リッターV8スーパーチャージャーエンジンを搭載し、700hp、最大トルク640lb−ftを発生させる。オリジナルのGT500エンジンは760hpであるから、若干のディチューンとなるのだが、それでもノーマルラプターの450hpから250hpアップということを鑑みれば十分に強力であり、ラム1500TRXにも十分に太刀打ちできるだろう。

 というか、結局のところ、チャレンジャーヘルキャット対シェルビーGT500の対決かよ、とも思えてしまったが、EV時代に向かい皆がEV車を開発している最中に、未だにパワー競争をしているアメ車が微笑ましい!

▲オフの走りは天下一品だろう。

▲ラプターといえば必ず飛んでいるシーンを目撃する。

▲恐らく最後のV8スーパーチャージャー搭載マシンと予測できるだけに、争奪戦が始まるのだろう。

 ちなみに、詳細はまだ未発表であるが、基本ベースはノーマルラプターに準じており(それだけノーマルモデルのレベルも高い)、エンジンパワーが上がった分による各部の強化が主な変更点。

 だが、荒れたオフにおいても700hpが炸裂するはずだから、足回りやミッションの強化は想像以上のものとなる可能性が高い。ただしパッと見の違いはフロントグリルの「R」とボンネットフード(パワードーム)の盛り上がりだろう。個人的にはかなりの数のラプターを取材しているが、瞬間的に気付く見た目の違いはそのくらいである。

 なお、今年2022年の後半から生産が開始されるから、早ければ年末には、もしくは年明けにはどこかのショップが日本に持ち込むかもしれない。

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