TEST RIDE

[試乗記]

質実剛健を誇るトラックベースのSUV

2002 シボレータホ

今の時代では考えられないほど無骨な存在

2002年型シボレータホを取材。今や珍しいフルノーマルの個体であった。

更新日:2023.03.16

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

当時の走りが味わえる貴重なフルノーマル個体

 ひと昔前までのタホといえば、アメリカンSUVの代表的存在という位置付けだった。が、2010年以降に車格が上がってしまい、同時に価格も向上した結果、キャデラックエスカレードとバッティングする存在になった。

 結果、日本においてはエスカレード人気に押され、それ以降タホが日本に持ち込まれること自体が非常に少なくなってしまった。だから、最近のアメ車ファンに「タホ」と言ってもあまりピンとこないかもしれない。

 だが、我々アラフィフ世代においては、タホはアストロ、サバーバン、カマロ、コルベットたちと並ぶ90年代のヒーロー的存在の1台であり、アメリカを代表するSUVという認識である。

 タホは、初代モデルが1992年に登場し1999年まで存在する。そしてフルモデルチェンジした2代目がデビュー。2代目は2000年から2005年まで存在し、2006年から3代目となって現在に至る。ちなみに現在は通算5代目モデルとなっている。

▲2002年型タホ。走行14万キロを超えるが、この年代の頑丈さは折り紙付き。適切な整備でいくらでも蘇る。

▲この年代のタホでフルノーマル状態というのが最大の魅力。ボディカラーも美しいインディゴブルーにペイントされている。

 さてそんなタホの2代目モデルをエイブルで取材した。モデルは2002年型で走行が約92000マイル。なので約14万7000キロ走行車。

 で、この個体を取材した理由が、フルノーマル状態の個体であること。販売しているエイブルが仕入れた理由も同じくフルノーマルであったから、ということであり、やはり中古車を販売する場合、ノーマル状態である方が程度の見極めがしやすいということであり、同時にエイブルのショップ理念にも沿うということである。

 エイブルは、サードカマロを中心とした90年代のアメ車の販売をメインとしているが、そこで扱われる個体もノーマル状態に近い個体が多い。仮にカスタマイズされている個体を仕入れたとしても、可能な限りノーマル状態に戻し販売されている。

 その理由は、「できるだけ当時の状態を味わってほしい」ということであり、それだけ当時のアメ車が個性的であったということと同時に、ノーマルに近い方が整備や状態維持がしやすいという判断である。

 もちろん、ショップとしてカスタマイズも行っているからカスタマイズが希望であれば、その通りに仕上げてくれる。が、少なくとも販売車両においてはそうした理念を貫いている。

 だから2002年型のタホを見た時に非常に興味がわいた。もしかしたらめちゃくちゃ良いかも! と。

▲搭載されるエンジンは5.3リッターV8。285hpを発生させる。それ以前は5.7リッターV8であったが、スムーズさで勝る。

▲ボディカラーの美しさもそうだが、ホイールもノーマル、車高もノーマルというところが非常にレア。

▲リアハッチはウインドーのみも開閉可能。

▲3列シートを備えるためリアの荷室は一般的なサイズ感。

 ということで個体であるが、フルノーマルであり、ボディはインディゴブルーにペイントされているという。で、搭載されるエンジンは5.3リッターV8であり285hpを発生させ、4速ATと組み合わされている。

 2002年型ということで今から21年前の車両であるから若干の緊張が伴うが、エンジンは一発であっさりかかりアイドリングも普通に安定している。通算14万キロを超える走行距離を刻んでいるが、少なくともこの日触れた感じで言えば14万キロを感じさせるほどのヤレは感じない。

 逆に、まだまだタホの魅力が味わえると言えるほど状態の良さが際立った個体だった。

 まず全長5メートルを超えるフルサイズボディありながらも、着座位置とボディ四隅の視界が良好なこともあり、「大きさ」をあまり感じさせない。

 つい三日前に取材したばかりだが、当日は所々で道路工事が行われており、車道が狭くなっていたり一車線通行になっていたり、とにかくフルサイズボディにはあまり条件のよくない道路状況ではあったが、それでも抜群の扱いやすさによって全く苦もなく走り切れたことが大きな収穫であった。

▲シンプルな形状のインテリア。ウッドパネルの状態も良く、質素だが好感の持てるコンディション。

▲4速ATはコラムシフトによる操作。

▲懐かしいアナログ全盛時のメーター。

▲ドアパネルにもウッドが貼られている。

 乗り心地も想像以上に甘口であり、包み込むような優しいシートに、軽く、それでいて的確な操舵感、そして滑らかで静かなエンジンと変速によって、90年代当時から続くアメリカンSUVの浮遊感を感じながらも車体のピッチングやロール、ヨーイングなどがほどよく制御されていて、ボディの水平はしっかり保たれているという、なんとも(当時の)理想的なアメ車の乗り味が体験できる。

 パワーは285hpという基本スペックだからパワー不足を感じることはなく、低中速のトルクがぶ厚いから動きに痛痒感を感じることもほとんどない。ブレーキもよく効き、ステアリングの反応も安定しているから、非常に面白い。

 いわゆる懐かしい全体の動きであり、これこそが昔馴染みのアメリカンSUVの走りであったことを思い出す。

▲シートはドライバーズシートのみ補修されている。補修状態の経過をチェックしつつ補修の状態を見極めている。

▲リアシートの状態は想像以上に良い。座面もパンっと張った状態が維持されている。

▲軽く、それでいて的確な操舵感、そして滑らかかつ静かなエンジンと変速によって、90年代から続くアメリカンSUVの浮遊感を体感することが可能。好きな人にはたまらない乗り味である。

▲車体のピッチングやロール、ヨーイングなどがほどよく制御されていて、そこそこのスピードを出しても安定感は崩れない。というか、80キロ程度のスピード感が一番気持ち良い。

 確かに個体は21年前の車両であり、それに応じたヤレ感を感じる部分は所々にあるはある。

 が、少なくとも走る曲がる止まるといった基本性能においては、しっかり整備されてきたことを感じるだけの走りの性能が味わえることは確実であり、さすがはエイブルの取り扱う車両だけのことはある。

 現代のSUVに慣れた方にとっては地味な存在に見えるかもしれないが、この当時のことを知っている方にとっては非常に魅力的な存在と映るかもしれない。

 振り返れば、この年代のタホとは、道具として「質実剛健」を誇るトラックベースのSUVという存在である。だから道具としてシンプルであり、くわえて頑丈である。

 そういう意味では、21年経った今も適切な整備をくわえることによって十分まともに走るのは当然であり、時代に迎合した華やかさを持たないのも当然といえば当然である。

 で、この個体は、室内空間に若干のヤレを感じるものの、クルマとして非常にまともであるから、今の時代に、旧時代の無骨なアメリカンSUVを体感したいと思う方には最適な個体と言えるかもしれないのである。

 同時にエイブルは、90年代前後のシボレー車をこれまでずっと診てきているから、整備的な勘所もあり、そうした部分での安心感も高いのである。

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