TEST RIDE

[試乗記]

20年以上ガレージに保管されていた奇跡の個体

1998 シボレーコルベット

走行約1万4000キロのディーラー車

奇跡の個体とも言えるC5コルベットを取材した。

更新日:2023.05.09

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 044-857-1836 [ホームページ] [詳細情報]

当然、純正マグネシウムホイール付き

 C5コルベットとは、1997年から2004年まで存在していたコルベット。個人的には当時「それ以前のC4コルベットからボディ剛性を400%アップした」という触れ込みにもの凄い興味を抱いたのを覚えている。

 乗っても実際に驚きの連続だった。確かに剛性は高く回頭性を含めたハンドリング、またリアの安定性が抜群で「本気で欲しい」と思っていたら、弊社スタッフが個人で中古車を購入。

 そのC5は合計15万キロくらいの距離を走り、筆者もそのうちの1万キロくらいは乗っている。

 で、その当時からC5を好む理由が想像以上の信頼性があり、一般的なメンテナンスを定期的に行っている限りにおいてはそれこそ油脂類の交換とタイヤ交換程度で長く乗れること。

 また、世界的名車の資質を備えていること。スポーツカーには、「雰囲気」だけでなく、実際の性能が伴わないといけないが、その運動性能の素質を決める要素は、車両パッケージングによる重量配分やトラクションを稼ぐために「重い要素」をどこに置くかといった設計の質にある。

▲歴代コルベットの中では穏やかな面構えを持ったスタイリングだが、その流麗さは世界のスポーツカーたちと互角に戦える。

▲しかもリトラクタブルヘッドライトを装備する最後のモデル。コルベット好きというよりは、スポーツカー好きに愛される理由でもある。

 そういった意味ではC5コルベットはかなり革新的であった。エンジンの搭載位置を前車軸よりも後ろに下げた、いわゆるフロントミッドシップを実現し、あわせてトランスミッションを後輪側に配置しデフと一体に置いたトランスアクスルを採用することで、車両重量配分は空車で51対49。ドライバーが乗るとちょうど50対50になる設計になっている。

 くわえて重心が低くとれるというスポーツカーにとって重要なファクターを満たすためにOHVエンジンを採用し、バネ下重量軽減と横剛性向上を両立させる横置きリーフのサスペンションや軽量化に寄与するフレーム式シャシー構造など、C5には当時のGMが考えるスポーツカーの理想を実現するためのエンジニアリングがどん欲に盛り込まれているのだ(アメ車の中でもこういった蘊蓄を述べられるクルマはそうはない)。

 エンジン以外のほとんど全てを専用部品で起こしているというその執念ひとつとっても、C5コルベットよりもお手軽に造られたスポーツカーはいくらでもあったのに、だ。

 もちろん、その後のC6ではもっと良くなっているのは事実だが、C5が誕生した当時においては非常に手の込んだスポーツカーとして多くのファンに支持されていたのである。

 ということで、C5コルベットに乗るならあくまで個人的評価だが「フルノーマルの個体がベスト」と言い切る。上記のように精緻に作られているからこそのバランス重視である。

▲歴代コルベットの中で丸みを帯びた流線型デザインを採用したC5。

▲リアの4連テールのデザインも、今の時代なら美しさすら感じる。

▲車両重量配分は空車で51対49。ドライバーが乗るとちょうど50対50になる設計になっている。

 さて、そんなC5コルベットの出物である。1998年型で約1万4000キロ走行のディーラー車。ハッキリ言って奇跡の個体と言っても過言ではない。

 C5コルベットのディーラー車は、初期の1997年と1998年モデルにおいてマグネシウムホイールが純正で装備されている。まさしく今回の個体にも当てはまり、フルノーマルの純正状態がキープされている。

 実はこの個体、元オーナーさんが新車で購入され2年程度乗って、その後ずっとガレージにて保管されていたもの。要するに四半世紀弱そのまま保管されており、その間エンジンは定期的にかけられていたということだが、そのままエイブルに売却された個体。

 で、そんな貴重な個体に乗せていただいた。ちなみに、25年前の個体ということでタイヤもそのまま25年前のものが装着されていたため、タイヤのみが新品に交換された状態で試乗した。

▲純正のマグネシウムホイールを装備するフルノーマル車。これだけの個体はもう二度と出てこないと思う。

▲5.7リッターV8エンジンを搭載し350hpを発生させる。最新のアメ車と比較すれば大パワーとは言えないが、トータル性能としては十分なパワーといえるし、味わいも濃い。

▲ボンネットインシュレーターもご覧の通り状態は悪くない。

▲納車前には、各部の定期的な点検のほか、オルタネーター、ウオーターポンプ、燃料ポンプ、エアコンコンプレッサー等をリニューアルして納車するという。

 まずはエンジン始動からコンディションの良さが伝わって来る。いかにも調子良さげな一発始動。そして走り出す。「いやー、懐かしい」。そして「メチャクチャ良いー」

 弊社編集部にはかつてC5があったから比較対象が明確で、違いも明白。まずはハンドリングが軽快で、ステアリングのレスポンスが3割り増しくらいに鋭い。くわえてブレーキのタッチも軽快。軽く踏む程度から効きが良く、どんな状況でも自信を持って踏めそうなフィーリング。

 弊社にあったC5は合計15万キロ超走ったほど状態は良かったが、やはり「ヤレ」は否めない。そのヤレの違いがハッキリと分かるくらいこの個体の状態は凄まじいほど良かったのである。

 特に街中での40ー70キロ程度の速度域がメチャクチャ気持ち良く、5.7リッターV8+4速ATの趣が今の時代に、まるで新車のような風情で味わえるのである。

 また運転操作系にクセや違和感がまったくなく、ボディの四隅の感覚はつかみやすく、ブレーキやハンドリングも的確であり、今の時代においても街中を転がすのに十分なサイズ感で運転しやすい。それでいて超一流のスポーツカースタイルをまとっているのだから不満などあるはずがない(唯一の不安要素は下回りを打つ可能性があるので段差で気を使うこと程度)。
 
 エイブルの原代表曰く「こんな個体はもう二度とないと思います」ということだが、筆者もそう思う。

▲この年代のアメ車としてはかなりこだわった室内空間。人間工学を駆使したインパネは非常に機能的。操作性も良い。くわえて車両の状態もとても良い。

▲オーソドックスな4速ATだが、V8エンジンとのマッチングは非常に良い。往年のアメ車の魅力とも言える。

▲アナログメーターの良さが滲み出たメーター類。300キロまで刻まれたスピードメーターがこのクルマの性能を物語る。

▲レザーだからこそのシワが刻まれているが、その状態にしてもシート自体のコンディションは非常に良い。

 ちなみにエイブルでは、この個体を引き取りまずはタイヤを新品に交換。くわえて販売車として納車前には、各部の定期的な点検のほか、オルタネーター、ウオーターポンプ、燃料ポンプ、エアコンコンプレッサー等をリニューアルして納車するという。

 上記のパーツ類は、現状でも普通に使える状態であるのは乗れば分かったが、それでもエイブルのポリシーとして「今後必要とされる整備(予測&過去のノウハウにより)」を前もって行い納車するというから、このC5を入手した方は購入後最低でも4〜5年は油脂類のチェック&交換のみで乗れるのではないだろうか。

 この個体を扱うエイブルでは、サードカマロ等の90年代アメ車を中心に、個性豊かなアメ車を豊富に扱っている。

 中でも「まずはそのクルマの素の状態を味わう」というポリシーによりパフォーマンス重視のカスタム等を積極的に推し進めるというよりは、コンディションを重視した健康状態維持を重要視しているショップであることは間違いない。だからこそのC5のコンディションであった。

 個人的にもC5の場合、純正車こそ美しいと思っているし、たとえばホイールが変わってしまっただけでもそのスタイリングやバランスに影響を及ぼすと思っている。だからこそ、今回の個体は非常に稀であり、そういったポリシーを持ったエイブルだからこその個体と言えるのである。

▲走っていてとにかく気持ちいい。90年代アメ車が持っていた抜群の低速トルク感とATの組み合わせが「これぞアメ車」といわんばかりの魅力を体感させてくれる。。唯一下回りを打たないために段差を気にする必要はあるが、サイズ的な不安は皆無。四隅の確認も容易。非常に扱いやすい本格スポーツカーである。

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