TEST RIDE

[試乗記]

ミッドサイズにV8エンジンを搭載した先駆車

2003 ダッジデュランゴ R/T

1998年から2024年まで駆け抜けたモデルの「名車」

2024年をもってダッジデュランゴの生産終了が発表されている。それを偲んで初代最終モデルを取材した。

更新日:2024.01.22

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

「最新のアメ車」が「最高のアメ車」とは限らない

 トヨタが昨年末にランクル70を復活させていた。そのランクル70とは、旧時代の70を現代の技術を使って復活させたものだ。いわゆる復刻車。そう言った旧時代のクルマ人気が今非常に高い。

 一方で本格的な旧車を復活&大切にし、自らのライフスタイルに溶け込ませている方もいる。そう、こちらの初代ダッジデュランゴのように。

 初代ダッジデュランゴは、その当時アメ車の中には存在しなかった「ミッドサイズにV8エンジン」を実現した、ある意味画期的なSUV。

 だが、実際にはアメリカンの生活環境には全く適合せず(笑)、アメリカ本国ではさほど売れた存在ではなかった(ようは小さかったのだ)。

▲ミッドサイズのボディにV8エンジンを搭載した画期的なSUV。しかもダッジ作のイカツイフロントマスクが付いてくるのだから売れないはずがない。実際、デビュー当時は日本でかなり売れた。

▲デュランゴのほか、同じような年代のジープチェロキーやタホ等を小綺麗にしてさらっと乗る的なプチブームが今巷で起こっている。

 が、一転、日本ではかなり売れた存在であった。その当時、キムタクさんやその他芸能人さん、スポーツ選手等がこぞって乗っており、ちょっとしたブームを巻き起こしたのである。

 で、そのデュランゴの初代モデルは、1998年にデビューし2003年まで続いている。デビュー当初は、5.9リッターと5.2リッターV8がラインナップされ、00年型から4.7リッターV8が追加されている(本国には3.9リッターV6まで存在した)。

 デュランゴには数種類のパッケージが存在しており、「R/T」と「SLTプラス」が有名で、「R/T」は2001年型から5hpアップしており245hpとなり、「SLTプラス」は、2000年からウッドパネル化され、2002年型からグリルがクローム化される等、ラグジュアリー傾向のパッケージとなった。

 で、取材個体は2003年型のR/Tということで、5.9リッターV8搭載のR/Tで245hpを発生させる。くわえて純正ホイールを装着しているフルノーマル車両であるから、非常にレアな車両とも言えるのである。

▲搭載される5.9リッターV8エンジンは245hpを発生させる。有り余るパワーではないが必要十分なパワーはある。しかも濃密なV8サウンドを奏でる。

▲レーストラックの高橋氏は初代デュランゴに関して当時の新車から携わっておりメカニズムを知り尽くしている。すでにパーツ供給が終了したものもあるが、それでも余裕で直せるというほど精通している。

▲ノーマルホイールを履くデュランゴ。珍しいが、今となっては正しい選択。

 今回の個体は、4年ほど前にレーストラックから現オーナーさんに販売され、その後もフルノーマルのまま現在に至る。走行距離は約14万5000キロというから、21年前の車両ということを加味すれば適切とも少ないとも言えるだろうか。

 聞けば、ポイントを押さえた適切なメンテナンスにより、未だ完調を保っているという。実際、エンジンルームを見たが、想像以上にキレイだった。

 とはいえ、それはキレイに見せるためのまやかしではなく、定期的に手を加えていたからこその見栄えである(そのくらいは筆者でもわかる)。

 エンジンは一発でかかり、野太い排気音も健在。走りだせば、極低速域からでも感じる硬質なステアリングフィールとボディ剛性。それらも健在だった!

 ちなみに、これら部分が初代デュランゴの調子を見るひとつのカギである(これらがダメになっている個体は、ほぼ十中八九ほかもダメである)

▲シンプルなインテリアだが、ガチッとしたステアリングフィールに驚く。

▲重厚感あるV8サウンドを楽しみながら走れるのが最大のポイント。

▲シンプルにまとめられているセンターコンソール。だが当時のGM車等と比較すれば、プラスチッキーな印象は少ない。

 現代の感覚でいえば明らかに小さいボディは、見切り良く、機敏なステアリングの反応を伴ってドライバーに一体感を与えてくれる。しかもロールが少ないから、かなりスポーティな印象も与えてくれる。

 この時代のデュランゴは、ボディ全体の軽さがもたらす軽快感や当時合併していたダイムラーが製造にかかわっていた時代の産物という作りの良さを伴って、時間が経った今なおバランスに優れるSUVということが理解できるのである。

 だからこそ、良い個体が見つかれば「未だに即売れる」というだけあって、フルノーマル個体のような存在は、街中でも目立つこと必至な一台なのである。

 ちなみに、「ある程度距離がいき、しっかり整備の手が入っていれば、当然弱点等も出尽くしているため、いまの時代でも十分に楽しめる存在ですよ」とレーストラック高橋氏は言う。

▲シートはレザーとヌバックのツートーン。サイド部分が破けているのは致し方なし。

▲245hpのV8ということで、ハイチューンではないことが耐久性に繋がり、長く乗れる理由でもある。

▲新車時から知っている車両で、これまでにカスタムカーを何台も作っているから、初代デュランゴの良さ悪さを知り尽くしている貴重な存在。

 今さらながらだが、やっぱり90年代のアメ車は、非常に味の濃いフィーリングを与えてくれる。しかも手の届く範囲の価格帯であり、かつ日常的に使える状態維持が比較的安価で可能な最後の年代と感じている(それより古くなると費用対効果が悪くなる)。

 だからこそ、そういった年代のアメ車を狙っているファンは、常にアンテナを張り巡らせ、出物を的確に抑えていく必要がある!

 「最新のアメ車」が「最高のアメ車」などという言葉があれば、ほとんどのアメ車がそれに当てはまるのだろう。 

 だが、例外も確実に存在し、そう言ったアメ車が後に「名車」と言われる存在になるのではないか。

 今回取材した初代デュランゴは、間違いなくそんな一台だと思うのである。

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