2005年から2006年にかけて、限定1500台が生産されたフォードGTは、フォード100周年を記念して製作されたスペシャル・モデル。1960年代にル・マン24時間レースなどで活躍したレーシングカー『フォードGT40』のリメイク・カーであり、生産はフォードと関係の深いサリーン(SALEEN)社が担当した。
当時のフォード・マスタングの最強モデルであるシェルビーGT5005.4と同じリッターV8+スーパーチャージャーをミッドシップに縦置きするフォードGT100は、年を超えるフォードの歴史の中でも間違いなく最高&最速のモデルであり、シェルビーGT500が5.8リッターV8+スーパーチャージャーで671psを発揮するようになった今でもその位置付けは変わっておらず、中古車相場は完全に高値安定。状態次第しだいでは、新車時以上のプレミアム価格となることも珍しくない、現代アメリカを代表するスーパーカーとして君臨している。
ヘネシー・パフォーマンスが、このフォード史上最高のスーパーカーをベースに『フォードGT1000ツインターボ』を製作したのは2008年。その名の通りターボチャージャーを2基追加して1000HP(1014ps)までパフォーマンスアップした同車は、フォードGTベースのチューニングカーとしては、当時世界最速となる234mph(約374km/h)の記録を樹立。それまでのヘネシー・パフォーマンス=ダッジ・バイパー(ヴェノムシリーズ)という大多数のヘネシー・ファンのイメージを一新することに成功した。
今回取材したGT700は、ヘネシー・パフォーマンスがフォードGT3に用意したステージのメニューの中では最もベーシックな仕様となるが、それでも最高出力は710ps(取材車両の実測は717ps)。0‐60mphが3.2秒、1/4マイルが11.3秒、最高速344km/hという実力を誇る。ちなみにスーパーチャージャーの容量をアップさせたGT850の数値はそれぞれ、3.1秒、11.0秒、352km/h、ツインターボを追加したGT1000は2.6秒、10.6秒、376km/hと発表されている。
GT700の特徴は、スーパーチャージャー本体を変更することなく、各部の精度を上げたり吸排気系やエンジンマネージメントのプログラムを変更する事でパフォーマンスアップをはかっている事で、GT850やGT1000と比較するとコストパフォーマンスが格段に高いと言える。
ヘネシー・パフォーマンス・ジャパンの広報いわく、「フォードGTはマニア垂涎のプレミアムカーであり、ベース車両を探すこと自体が困難なため、現状ではコンプリートカーとしての販売は行っていません」とのこと。したがって、基本的には車両持込みのチューニングとなる。お金を積めば簡単に手に入るといった類いのモデルではないが、そいういった稀少価値もまた、このフォードGTシリーズの魅力とも言えるだろう。
ちなみに、ストック状態でさえレーシングカーに近いテイストのフォードGTだけに、GT700の乗り味はまさしく別格。速さはもちろん、音やフィーリングも、一度体験すると病付きとなる事請け合い。走行性能だけ比較するのであれば、シボレー・コルベットやSRTバイパーなど、フォードGTに比肩するアメ車も存在するが、レーシングテイストやプレミアム性という意味ではフォードGTはまさに別格の存在。
フォードGTの熱狂的なファンであれば、注文してから何年も待つだけの価値はあるだろう。
※ヘネシー・パフォーマンス社のコンプリートカーは、シャシーダイナモでパワーチェック後に納車されます。
計測される数値には個体によって多少の誤差があり、カタログスペックと全く同じ数字にはなりません。
>> ヘネシー・パフォーマンス
(Hennessy Performance)とは?
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