実は筆者はシボレー・キャプティバについてかなりの好印象を持っている。もう2年以上も前の話になるのだが、キャプティバが日本で発売され始めた頃、GMの広報車を一週間ほど借りた事があるのだが、その時の使い勝手が非常に良かったからだ。
正直に言うと、日本発売前のキャプティバに対する筆者のイメージはあまり良いものではなかった。良くも悪くもアメ車ファンの中にあるステレオタイプの『アメリカンSUV』とは掛け離れたミッドサイズSUV(心情的には小型と言っていいサイズ)。それまでのGMのトラック&SUVのスタイルの流れを一切感じさせない、どこかパンダやコアラを連想させる丸くて可愛らしい外観。2.4リッター直4ユニット(つまりは小排気量)。小さい割に室内は3列シート。等等。
「新世代のクロスオーバーなんて言ったって、所詮はボータイマークが付いてるというだけの韓国車でしょ?」というのが筆者のキャプティバに対する先入観だったのである。
しかし、GMの発表会でチョイ乗りした時に「あれ?思ったより悪くないな」と感じ、その後に確認のために一週間ほど借りた際には「これ、やっぱ良いわ。良く出来てる。というか、使える」と、180度評価が変わってしまったのだ。
かつて筆者が一週間に渡ってキャプティバの広報車を乗り回した際の感想は以下の通り。
アメ車にしてはコンパクトなボディは取り回しが楽だし駐車場所で苦労する事もない。車内空間は特別広いわけではないが、かといって狭いということはない。フル乗車で長時間はキツいかもしれないが、大人4人+荷物を積んで長時間移動しても全く問題ない程度の空間は十分に確保出来ている。2.4リッターの直4ユニットはスペック以上にトルクフルで気持ち良く回るし燃費も悪くない。ステアリングの入力に対しての挙動が実に素直で、直進安定性もコーナリング性能も良好。乗り心地はやや固めだが、決して固過ぎるという事はなし、長時間乗車してもお尻が痛くなるようなことはない。
特筆すべき点はないが、その代わりに明らかな減点材料もない。全てが普通。しかし、だからこそドライバーに余計な気を使わせないというか、とにかく乗っていて楽。「TPOを選ばないし生活の足としては最高かも?」というのが、広報車を一週間借りて500kmほど乗った際の筆者の正直なキャプティバ評であり、試乗前に抱いていたイメージが、ただの食わず嫌いだった事を痛感した記憶がある。
キャプティバというのは、筆者に「クルマというのは実際に乗るまでは本当の姿は分からない」という当たり前の事を再認識させてくれたクルマであり、それだけに強く印象に残っているのである。
第一印象と使用後のギャップが強烈で、筆者の印象に強く残っているキャプティバだが、昨年の4月にマイナーチェンジを受けて以降のモデルにはきちんと乗る機会がなかったので、今回の取材が決まってからは、色んな意味で期待をしていた。果たして今乗っても良いと思うのか? それほどでもないのか?。
スペックや見た目は本当に『普通』のクルマであるキャプティバだが、例えばコルベットのZR1やSRTバイパーといった超高性能車に乗る前とは全く異なる期待感を持って臨んだ取材だったのである。
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