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C2コルベットこそBCDの旗艦モデル

1965 シボレーコルベット (CHEVROLET CORVETTE)

まるで博物館展示級の極上品

独自ルートでアメリカ本国から新車、中古車を輸入しているBCDのもう一つの顔、ビンテージカーの取り扱い中心モデルC2コルベットを取材した。

更新日:2017.03.09

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL  [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

クーペの台数が少ないからこそ貴重な存在

 1962年、1台の試作車がニューヨークショーに展示された。マコシャーク。日系デザイナー、ラリーシノダの手によるアグレッシブなスタイルは、翌1963年にデビューした2代目コルベットへと受け継がれ、あわせてスティングレイのセカンドネームが与えれ棘を得たコルベットはさらに強力なエンジンを手に入れ、レース活動を活発化させていく。

 そんな第2世代となるコルベット、いわゆるC2コルベットは、意外にも短命に終わっている。1963年から67年の実質5年という短さである。くわえて、アメリカ的なデザインといよりは近未来的な先鋭的なデザインが特徴であり、だからこそ後にコイツを手に入れるにはひと手間以上の努力と根性が必要となる…。

 1963年型から1967年型の5年間のみ製造されたC2コルベット生産台数は以下の通り。

・1963年式:2万1513台
・1964年式:2万2229台
・1965年式:2万3564台
・1966年式:2万7720台
・1967年式:2万2940台
の計11万7966台

 そのうちコンバーチブルが7万2420台を占める。すなわち全生産台数の約2/3がコンバーチブルと考えられるからこそクーペは貴重な存在となるのである。

日系デザイナー、ラリーシノダの手によるアグレッシブなスタイルが描かれた試作車・マコシャーク。これがC2コルベットのベースとなったクルマである。

正直、近づくことすら憚られるようなオーラを醸し出しているC2コルベット。さらに感動したのがリトラクタブルヘッドライトの開閉。まったく普通に動作すること自体が素晴らしく、年代を感じさせない精度に驚く。

現代のクルマでは二度とお目にかかれないリアの造形。複雑な凹凸と優雅な曲線とが絡み合い生まれた至高のデザイン。小さいながらも、その存在感は圧倒的だ。くわえてオーナーズマニュアルが添付されている貴重な存在。

ディスクブレーキ装着の65年以降モデルが中心

 BCDに展示されているこのC2コルベットは65年型。65年型からディスクブレーキが装備されるようになり、個体の特徴としては327エンジンが搭載され、パワステ、パワーウインドーなしでオプションの4MTが奢られている。この時代2速ATか3速MTが標準ということで、ディスクブレーキ装備の4速MTということは、走りに重きを置いた仕様と考えていいだろう。

 搭載されるエンジンは327ciのV8で、340hpを発生させる。65年モデルからビッグブロックエンジンが搭載される等ハイパフォーマンス系に目がいきがちだが、旧車となった今コンディション重視と考えれば、この327ciのV8でも十分に面白いはずである。

 過去に数度、C2のクーペモデルを取材したことがあるが、正直ここまで原型をとどめているブツは初めてである。かなり小さいボディに塊感ある近未来的なデザインは近くで見ているものに緊張感を与えるほど美しい。

 このC2クーペの実物を目の前にすると、当時のアメリカのデザイン的な力量の高さにただただ感服するばかりである。と同時にこれまで見てきた数々の無残なC2を気の毒に思わずにはいられない。

 ガチっとしたドアに、ドア下がりなど微塵も感じさせない各部の溶接、加えてボディのチリの合い具合やペイントの見事さ、シートはバケットタイプには程遠い懐かしい風情のシートだが、座ればステアリングやインパネ、シフト等の位置具合が一発でキマるのはさすが。エンジンは一発でかかり周囲を驚かせるとともに不安定な要素は微塵も見せない。

 驚いたことに、クラッチの重さは一般的なMT車のそれであり、シフトは縦方向へのストロークは若干長いが、横方向への動きが非常にタイトな代物。慣れればこれほど楽しいMTはあまり存在しないといえるようなメカニカルなカチッとしたフィールの持ち主だ。

当時の意向を反映しているのか、ウッドの大径ステアリングのみ旧車的だが、それ以外のメーター周りやクラッチ、シフト等、どれもが非常にスポーティかつ人間工学的に優れた配置に、当時のコルベットの恐ろしくレベルの高いスポーツ度に、今になって驚きを覚える。

シフトは縦方向へのストロークは若干長いが、横方向への動きが非常にタイトな代物。メカニカルなタッチであり、カチッとしたスポーティなフィールが素晴らしい。

パリッと張ったヤレた感じが一切ないレザーシート。

自社の仕入れ担当が現地に飛ぶ

 ドライバーズシート後方には、意外にも広い荷室があり、外部からのトランクルームとしては使えないが(トランクとして開かない)、室内からの荷室としてはかなり重宝する広さである。くわえてこのトランクが開かないボディの作り、すなわちボディ開口部が少ない=クーペとしてのボディ剛性が断然高く、正直、これまで知っているその時代以降のアメ車がどれも中途半端に思えてしまうほど素晴らしい。

 C2クーペはいろいろな常識が覆されるほどシッカリできており、かつスポーティな体をなしており、この時代のまま成長してれば、それこそポルシェなんか歯牙にもかけないスポーツカーに進化していたのではないかと、明るい未来を予感させるほどデザイン的にも性能的にもコダワリを感じさせれてくれるのである。

 このC2コルベットは、「まるで博物館にいるのでは」と錯覚させるほどコンディション良く美しい。だが、それこそがBCDたる所以であり、真骨頂なのである。BCDは様々な旧車を独自ルートで日本に持ち込みビンテージ車両として整備&販売しているが、基本彼らのコンセプトは「決まった車両を販売するわけではない」というもの。だがじつは、コルベット、とくにC2だけは別格という。それが証拠に、取材車以外にも64年型クーペ、65年型コンバーが在庫されている。

 BCDは、GM専門とかフォードオンリーとかモパーとかいう決め事はまったくなく、あくまでコンディション優良の旧車を販売するというのがポリシー。しかも買い付けから整備&販売までをすべて自社の日本人で行い、彼らの扱う旧車をあえて「ビンテージ」と呼び、歴史を感じさせるそのものの姿を保持した名品を直輸入し販売する。

 だが、C2コルベットに関してだけは先に述べたように製造期間が短く、クーペと呼ばれるボディは全体の販売台数の約1/3程度しかなく、同時にアメリカ一美しいボディデザインを有していることもあり、積極的にタマを探し続けているというのである。

 BCDは、これまでにもC2の販売実績を重ねており、そうした中からC2独自のコンディション把握の目安を掴んでいる。と同時にその買い付け方として直接自社のBCD仕入担当が現地へ飛び、個人オーナーから買い付けることが多いということも逆に利点となり、今ではBCD側に本国個人オーナーから売買交渉希望の連絡が来るほどになっている。正確に言うと、過去に取引した個人オーナーから再度連絡が来たり、もしくはその個人オーナーの紹介で他のオーナーからの連絡が来たりと。

搭載されるエンジンは、L76型の327 V8で340hpを発生させる。旧車とは思えない、かなり速い走りが可能という。ただ正直、個人的には馬力数値よりもあくまで程度重視というのが本音。そう言う意味でもこのエンジンは、今現在でも普通に走れるだけのコンディションを有しており、かなり優秀なマシンと評価できる。

4輪ディスクブレーキを備えた足回りには215/70r/15インチのクロームホイールが装備される。驚くべき程度のホイールである。

ドライバーズシート後方には、かなり広い荷室があり、外部からのトランクルームとしては使えないが、室内からの荷室としては重宝する広さである。当時、4座のサンダーバード人気が上昇するなか、苦肉の策の2座+荷室対策だったが、今となっては逆に新鮮な空間である。

まるで博物館級の極上モデル

 そうした繋がりから得られる情報には、ガレージ中で眠っているミントコンディションの車両も多く、C2クーペもそうした情報の中から得られるモノの方が状態がいいものが多いという。

 逆にC2はそれほど売り尽くされてしまっているということでもあるから個体の差が大きいので注意が必要なのである。だからこそBCDの独自ルートかつ日本人の目利きにによる仕入れが後々効いてくるのである。

 C2といえば、初期型のスプリットウインドーモデルとか427のビッグブロック搭載車とか、よりマニアックな個体を求める向きも多いかと思うが、正直今回取材した一般的な327エンジンのC2でも十分に美しくスポーティである。だからこそ、コダワるのはモデルグレード(もちろん大切な要素だが…)というよりは程度であり、レストアの内容であり、仕入れ担当の力量である。

 当たり前だが、フルレストアされていない車輌は、たとえばC2の場合だと、すでに50年以上の経年劣化で各部にヤレや破損が発生すると考えるのが普通である。

 すなわち製造されて50年以上を経過=「半世紀以上」となるので、すべての自動車部品の耐用年数を大幅に超えているのがその理由である。

 だからこそレストアされているのが当たり前でもあり、そういった施工内容を含めて目利きが現地に飛ぶことで個体の程度を確認し、BCDの自社基準を満たすもののみを買い付けている。

 すなわち、BCDのビンテージ旗艦モデルこそがC2コルベットであり、それを象徴しているのが今回紹介するC2クーペにほかならないのである。

BCDはこれまでにも、そしてこれ以降もC2コルベットを追い続けていくということで、これまでのノウハウや独自ルートの仕入れを生かしたお宝級のC2を今後も見つけてくれるはずである。

今現在、取材車以外にも64年型クーペ、65年型コンバーが在庫されている。

もちろん、コルベット以外のビンテージ車両も得意としており、店内はまさしく博物館級のお宝車両で埋まっているのである。

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