1995年型、5万9900キロ走行で車両本体価格128万円。16年落ちのアメ車で、ここまで外装がキレイなクルマも珍しい。そして個人的に気になるローダウンの内容。パッと見の印象で感じた率直な疑問はこの程度。
そして走る前にエンジンルームを見せてもらった。至極キレイ。とはいえ、見られたくないモノを必至に隠すためにお化粧しているような感じではまったくない。
逆に整備されている感じが隅々まで行き渡っている。使い込まれた感と整備されている感が見事共存している感じ。
撮影と共に移動する。インテリア各部のスイッチ類は全域で作動良好であり、デジタルメーターもちゃんと動作しているし、ウインドーの上下にも現状では不安は感じない。
シートのモケットは、多少の使用感はあるが、それでも汚れや破れなどはなく、荷室にあるサードシートの動作確認やリアドアの開閉に至るまで、予想以上のコンディションだった。
そして試乗。驚くべきはその乗り心地である。ローダウンと聞き、正直「ドタバタ」感を予想していただけに、凹凸のいなしやゴツイ段差での身のこなしがしなやかかつ軽快なことに非常に感心した。
しかもその際の室内には異音、もしくは低級音がまったくなく、室内のプラスチッキーな箇所からもミシミシ、キシキシすることもまったくなかった。
だからこそ、勢いを上げると淀みない5.7リッターV8エンジンサウンドがはっきりと聞こえ、「懐かしい時代のアメ車」らしさが堪能できる。
カプリスは、ワゴンモデルになるとリアの空間が広くなり、その分剛性が落ちると過去に何度も聞いていて、実際に過度なカスタムカーや手荒く扱われた中古車などは(もしくは過走行車)、リアからの低級音がもの凄いのだ。
もちろん、新車時から起こる物ではないから、一部の良好車には当てはまらないのだが。過去に試乗した個体には、少なくともこれほど静かな個体はなかったほど、この試乗車は上ダマである。
聞けば、外装にはすでに手をいれているという。つまり、最初に感じた違和感は、手を入れているからこその違和感であり、試乗して各部を細かく見ていくと、エンジン、室内、そして外装と、いろいろつじつまが合っていることに気付くだろう。
さらに足回りは、低いがストロークをきちんと生かしているからこその乗り心地を示しているし、実際にドタバタした固さは微塵も感じなかった。
ありきたりの言葉だが、大きさと柔らかさが自慢のアメ車、ふわふわのシート、軽いステアリング…。これこそ90年代アメ車の象徴だった。新時代のワールドワイドなアメ車からは決して得られない、絶対的な特徴だった。
現代のクルマがなくしてしまったこの「味」を、新車にはない魅力として捉えるならば、このカプリスは、まだまだその魅力を体感できる「旬な状態」のクルマであると断言できるだろう。
中古車なんで使用感や疲労感はあって当たり前。それらが程度と価格に見合ったものか否かを自分の目で見て判断する。そして気に入れば購入する。
このカプリスは年式の割には外装のコンディションが非常に良く、全体的に整備の手が行き届いた非常に良好な個体であった。少なくともわれわれ編集部が過去に見てきた物件の中でも、かなり上位にランクされる1台だ。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES