TEST RIDE

[試乗記]

走りで癒してくれる超スペシャルなマシン!

シボレー コルベット ZR1 (CHEVROLET CORVETTE ZR1)

ロータスチューンのDOHCエンジン搭載

89年に登場したC4史上もっともスポーティなコルベットといわれている。当時、GM傘下にあったロータスが設計した385hpのオールアルミのV8DOHCエンジンが与えられているのである。

更新日:2010.03.25

文/編集部 写真/編集部

取材協力/ガレージ代久 TEL 047-366-2161 [ホームページ]

C4コルベットの中特別な存在

 コルベットはいうまでもなく、アメリカを代表するスポーツカー。その歴史と伝統には、ライバルのバイパーがいかにハイパフォーマンスを持って立ち向かっても、容易に突き崩せない重みがある。

 その中でもC4コルベットZR1は、コルベットの中でもちょっと特別なクルマと言っていい。C4とは、コルベットの世代を表す略称。CはコルベットCの、数字は世代を表す。したがって、C4なら第4世代のコルベットということだ。

 コルベットのデビューは1953年。そこから62年までがC1、63年から67年までがC2、68年から82年までがC3、84年から96年までがC4となっている。
 それまでコルベットは、一貫してロングノーズのFRPボディ、2シーター、大排気量V8OHV、FRという特徴を守り続けてきたアメリカンスポーツカーであり続けた。

 ところがZR1は、89年に登場したもっともスポーティなC4コルベットと言われ、当時、GM傘下にあったロータスが設計した385hpのオールアルミのV8DOHCエンジン(LT5と呼ばれる)と6速MTが与えられたモデルなのである。

 このハイパフォーマンスを受け止める足回りも強化され、電子制御サスペンションシステムとリアフェンダーが広げられて315/35ZR17インチタイヤが装着されていた。
 また、ノーマルモデルとの差別化のため、テールランプは丸目の4灯から四角の4灯タイプのデザインになっている。

スポーツカーらしいコックピットがお気に入り。デジタルメーターにもアメ車らしさを感じる。こういう感覚はちょいと昔のアメ車でしか味わえないもの。

6MTのシフトはストロークが明確で、カチッとしたフィーリングが特徴。

逸話にもなった馬力コントロールのスイッチ。スイッチをひねるだけでエンジンパワーを調節できるのだ。

ドライバーに興奮と歓びを与えてくれる

 コイツの試乗はかなりエキサイティングだった。まさに走るためだけに生まれてきたマシン。日常的な使い勝手など微塵も考えられていないスペシャルな走り。

 MTシフトはちょっと重めでストロークは短く、だが速度が増せば確実に吸い込むような操作が可能である。
 ブレーキも超強力。若干オーバーサーボ気味の感じもあるが、これも速度が増せばカッチリくるのだろう。

 一方でエンジンの吹け上がりは、かつてない軽さと激しさ、そして軽快なサウンドで満ちている。重低音を響かすL98エンジンやLT1エンジン等のOHV系とは対極の、まさに最高のV8エンジンのひとつだろう。
 
 足回りも、一般走行ではかなり硬質な部類に感じられるが、コーナーをいとも簡単にクリアしてしまうその性能には舌を巻く。
 日頃体感しているロールの大きなアメ車感覚は微塵もなく、これぞスポーツカーと言える存在だ。

 たしかに、スペシャルなマシンだけに、アフターメンテに気を使うのは確かである。
 だがしかし、歴史的に見ても特別なこのマシンを手に入れたなら、そういったことが決して手間とは感じられないほど、コイツはドライバーに興奮と歓びを与えてくれる。
 そのためにも、いざ手にいれたなら、機関をいつも完調にしておき、ただ走るためだけに使用することをオススメしたい。そのくらい刺激的なマシンである!

ZR1の特徴は何といってもエンジンにある。ロータスチューンのDOHCエンジンは385馬力を発生し、OHVエンジンとは異なるフィーリングを提供してくれる。特に高回転の伸びは絶大で、スポーツカーらしい気持ち良さをも兼ね備えている。

代久自らがブラックペイントした純正ホイール。これだけでもスパルタンな印象になる。というか似合う。

楕円のテールランプが特徴のZR1。

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