アストロ&サファリくらい古いアメ車になると、現在の中古車市場では明確な相場というのはないんですが、フルノーマルに近い標準ルーフの正規輸入車で、内装も外装もソコソコの状態ということを考えると、39万円という車両本体価格は安いと思います。
では何故この金額なのか?というと、走行距離が19万kmを超えていたからに他なりません。筆者個人の感覚で言えば「あんまり走ってないな」という感じなんですけどね。
17年間で走行19万kmであれば、1年平均で1万1000kmちょっと。1か月に1000km以下ですからね。複数オーナーの車両なので一概には言えませんが、日常の足にしていたわけじゃなくて、主に休日のレジャー用だったのかな?というイメージ。若い頃には年4~5万km、今でも年2~3万km程度は走る筆者からすれば、「19万km?だから何?」ってなもんです(笑)。
外観(ボディ)的にはほぼノーマル。各所にチョコチョコとした凹みや擦り傷はあるものの、大きな事故を起こした形跡はなし。年式を考えれば良好な部類だと思う。外観の細かい傷を気にしていたら、本当の意味で程度の良い中古車は買えません。
今回このアストロを購入したのは西東京市にある浅沼ファクトリーというショップになります。そして、同社代表の浅沼氏の販売時のコメントは下記の通りです。
「私自身長くアストロに乗っていますし、周囲にはもっと距離を走った車両に乗ってるオーナーさんも大勢いるので、19万kmという走行距離が特に多いとは思わないんですが、一般のお客様に売るには20万km近い走行距離はやはりネックになります」
「今回はアメ車ワールド編集部の社用車で、主にお乗りになるのがアストロ&サファリにも詳しい田中さん。しかも、『壊れたら壊れたで修理するのも企画になるから現状のままで大丈夫』ということでしたから、現状で安くお出ししました。でも、これが一般のお客様でしたら、消耗品関連を一通り交換するなどの納車整備をしてからの販売になるので、金額はどうしてももっと高くなりますよ」
とのこと。
ちなみに、消耗品というのはエンジンオイル&フィルター、ミッションオイル&フィルター、デフオイル&ガスケット、パワステオイル、ブレーキオイル、冷却水、エアクリーナー、エアコンガス、グリスアップなどで、さらにブレーキ、バッテリー、プラグ、プラグコード、デスビ、etc…。これら全てを点検した上で必要に応じて交換した場合、その分の部品代と工賃が上乗せされるわけですから、当然ながら車両本体価格はもっと高くなるわけです。
日本人は中古車を購入する際に走行距離を気にし過ぎる傾向があります。だからこそ昔はメーターの不正巻き戻しが行われていたのですが、筆者の考えとしては「走行距離の長短と程度の良し悪しは必ずしも比例しない」というのが持論です。要はケースバイケースなんですよね。
例えば同じ「走行10万km」でも、新車から3年で10万kmと10年で10万kmでは、メーターの数値は同じでも意味は大きく違います。また同様に日本国内で走った10万kmとアメリカ国内で走った10万kmでは内容が違うし、そこに到るまでの整備状況とか、etc。数字だけを相対評価しても意味はなく、個々の個体を絶対評価しないとダメなわけです。
筆者は雑誌時代にアストロ&サファリは散々取材しましたし、自分自身で所有していた時期もあります。それだけに、ことアストロ&サファリに関しては、軽く試乗すれば、その車両の状態は何となく分かる自信があります。少なくとも普通に使えるのか?あるいは何らかの問題があるのか?くらいは判断できます。
で、その筆者の感覚からすると、今回購入したアストロは「極上ということはないし、年式なりにヤレてはいるけど、そうそう大きな修理は必要なさそう(=エンジンやミッションなどの大物はしっかりしてる感じ)。チョコチョコとしたマイナートラブルはありそうだけど、何かあれば記事のネタにすればいいし、39万円なら過不足ないかな」というものでした。
ということで、これから1年、場合によってはもっと長く、このアストロの状況をリポートしていきたいと思います。
筆者が中古車を購入する際に気を付けるのは、エンジン、ミッション、足回りといった機関系の状態です。エンジンをかけて試乗し、普通に走ればOKという感じで、ボディや内装が少々傷ついていても気にしません。要は「見た目」よりも「中身」が重要ということですね(笑)
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