TEST RIDE

[試乗記]

凸凹道を高速で駆け抜ける屈強なサスペンション

フォード F150 SVT ラプター vol.2 (FORD F150 SVT RAPTOR)

ピックアップとは思えぬほど良く走り良く曲がる!

かなり大柄なボディを引っ提げていざ路上へ。硬質と思われたサスペンションは意外にもよく動き、しかもよく曲がる! 車高の高さをものともしないコーナリング性能も含め驚きの連続だった。

更新日:2013.05.08

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

数値以上の大きさを感じさせる圧巻のワイドボディ

 全長×全幅×全高=5603×2192×1994ミリの外寸は、数値以上の迫力である。特にボディ横幅の大きさは圧巻で、ロングトラベルのサスペンションを隠しているワイドフェンダーが、通常正面から見た場合に縦長に見せる造形を、フェンダーが張り出したことで正方形のように見せる。「マジ、でけぇ」とドライバーをビビらせる一方で、走りを考えた場合4隅でタイヤが踏ん張る姿勢バランスは、「絶対的にこちらの方がいいな」と素直に認めざるを得ない。

 「RAPTOR」という刺繍ネーム入りのシートは、GTRに装備されているようなバケットではないが、それでもトラックとして考えれば、かなりのホールド性だ。目前に広がるステアリングにはセンターマーカーが付き、インパネ内の計器類にもレースのニオイが感じられる。

 ドライバーズシートから眼前に広がる広大なボンネットフード右側前方の感覚はほとんどない(泣)。恐らく日本で乗るには、そこだけがネックとなるかもしれないが…。

 爆音を伴いながら、いざエンジンスタート。6速ATやブレーキ等は至って普通の感覚である。大きさもある程度の慣れが生じれば、それこそラムトラックに乗っているのと同じように走ることが可能である。

 だが、このクルマの他車との一番の違いは、走行中に感じる足回りの雰囲気であり能力であり、飛ばせば飛ばすほど「性能」の片鱗を示すのであった。

 ラプターは直進走行中の上下動の動きが結構ある。スポーティトラックということで普通、引き締まった足を想像すると思うが、ラプターの足は意外にもよく動く(オフを駆け抜ける時にジャンプする必要があるし…)。
 だが、他車と異なる良点は、ショックの伸び側がかなり厳しく制御されている感じで、一瞬沈み込んだ後にショックの伸びの動きが締まっていてピッチングは感じるのだが、いわゆるぼわんぼわんといったフワフワした乗り心地に決してなっていない。

フロント11.2インチ、リア12.1インチ拡大されたワイドボディは、前方から見るラプターをまるで正方形のような状態に見せる。ものすごい迫力。スキッドプレートもタダモノではない雰囲気を助長する。

この取材のちょっと前にラムトラックを取材したが、大きさだけで言えば、優にラムを越えている。まぁ全長の長さは意外にこなせるもんだが、ボディの横幅は、初対面ではかなり手こずる。というか怖い。

SVTが専用にチューニングした外径35インチのBFグッドリッチタイヤ。オールテレンTA/KO 315/70-17インチで、軽量&高剛性の17インチホイールに装着される。

この車高の高さ、クリアランスを持ってしても、一般道でかなりのコーナリングスピードを発揮する。

常識を遥かに越えるコーナリング性能

 この動きはコーナリング時にも顕著であり、サスペンションを硬く姿勢変化を拒んだチューニングカーのようなクルマではないために、切れ味鋭くターンインを始めつつ、その瞬間グラッとボディは一瞬傾きかけるのだが、ロングトラベルのサスペンションが動きかつシッカリ踏ん張り、さらに曲がろうとする方向とは逆のショックの伸び側の制御を始め、通常なら限界に達しようとする状況にさしかかっても舵の効きがまったくなくならずに、そのまま何事もなかったように曲がって行く。

 通常コーナリングで限界が近づくと、いわゆるアンダーステアとなってクルマが外側に膨らんで行くことでドライバーは限界を察知しアクセルを緩めたりするのだが、ラプターはドライバーがそろそろ限界かな? と思うような所まで行ってもなお、その先まで曲がれるサスペンション性能があり、アンダーステアかなと思う所からそのままアクセル踏み続けることで、さらに一歩先にフロントが入りこんで、まるでオーバーステア的な感覚で曲がって行こうとするのである(自分ではさすがにここまでは試せなかったが)。

 たとえば普通のピックアップトラックなら、過大なロールが起こり早々にアンダーステア領域に陥る。また足をガチガチに硬めたクルマの場合は、コーナリング=タイヤの限界となっているのが常識だが(サーキットのような良路では正しい場合もある)、ラプターはデカいアーム類で囲まれたアシを積極的に動かしながら(ロールも積極的に使い)、圧倒的なコーナリング性能を実現する。多少の動きのでデカさは、凹凸を駆け抜けるために必要な味付けなのである。

巨大なFORDのロゴばかりに目が行きがちだが、注目はこの巨大なフロントグリル。ボンネットフードにはルーバーが、フェンダーにはエアベントがあり、熱対策にも抜かりはない。

オリジナルで装着されている巨大なランニングボードは、プレートタイプ。しかもスリット入り。これまた機能重視で高速域でのリフト防止効果を果たしている。

ミッションやデフを守るためのアンダーカバーが装着される。基本的には防御のためだが、ボディ下流に流れるエアの整流効果も発揮する。

コーナーリング中に、通常アンダーステアで怖くなってアクセル戻す領域でも、このクルマはまだ余裕で反応し、そこからニュートラルもしくは若干オーバーステア気味にコーナーを駆け抜ける。

これまでのハイパフォーマンストラックとは「モノ」が違う

 聞けば、「BAJA(バハ)1000と呼ばれるレースは、世界最長のノンストップクロスカントリーレースと言われ、その過酷さと難しさから、世界で最も危険なレースと言われている。メキシコのバハ・カリフォルニア半島を3日間ノンストップで走り続ける1000マイル(1600キロ)もの長距離レースで不毛の地をノンストップで走破するために世界中から猛者たちが集まって来るのだが、ラプターはそのレースのベース車としてすでに大活躍しており、性能や耐久性においてもお墨付きがでている」という。まさしくオフロードレーシングカーである。

 ボディが非常にガッチリしており、ステアリングの反応もスポーティカーのごとくシッカリしているから、乗り始めてしばらくするとピックアップトラックということを忘れてしまう。
 しかも走りが楽しいから面白い。車高が高いのと、先にも述べた通り意外にクルマが動くので若干慣れが必要になるが、慣れてしまえばそれこそ病みつきになるに違いない。

 ちなみにラプター以前にもハイパフォーマンスと呼ばれるトラックはたくさんあった。たとえばC1500 454SSにはじまりシルバラードSSとか。ダッジで言えばダッジラムSRT10が記憶に新しい。一方でフォードにおいてもF150SVTライトニングがあった。

 だがラプターは、こういったハイパフォーマンストラックとはまったく異なる世界に位置するトラックである。ちょっと厳しい言い方だが、パワフルなエンジンを搭載しただけのピックアップトラックとは正直、次元が違うのである。

「RAPTOR」という刺繍ネーム入りのシートは、トラックとしてはかなりのホールド性をもたらす。

インパネ横にあるトランスファースイッチを駆使して2WD、4WDの切り替えが可能。またセンターコンソールにある「オフロードモード」は2WD時にも使用可能で、使用時はスロットルマップも切り替わり、アクセルペダルの動きがよりダイレクトに変わる。

こうした屈強かつ優秀なサスペンションを有したクルマだけに、アフターパーツ装着やカスタムには気をつけたい。大径ホイール等の装着も面白そうだが、入念にチューニングされたサスペンションだけに、バランスを崩さない慎重さが必要である。

アメリカのピックアップトラックは面白い。いまだ質実剛健を目指した旧テイストのトラックがあるかと思えば、トラックのカタチをしているのに乗用車的なフィールを目指したものがあったり、キャデラックやリンカーンといった高級ブランドメーカーのトラックバージョンがあったり、わざわざ砂漠を走るためのスポーツトラックがあったりと。ラプターはこうしたトラック文化から生まれてきた生粋のレーシングマシンである。


この動画を見ればラプターがどんなクルマか、瞬時に理解していただけるでしょう。

<関連記事>
>> フォード F150 SVT ラプター vol.1 を見る

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