■ワイパートラブル
写真を見てもえばわかるが、フロントウインドー下の部分にワイパーモーターのモージュール類が設置されており、日本の気候で雨が多いとそのモジュールに水が侵入する(あくまで構造上の問題だ)。
そして通電を起こさせ、雨が降っていないにもかかわらずワイパーが動きっぱなしになってしまうトラブルがあるという。またウインドーウォッシャーが同様に出まくるトラブルも。もちろん、雨が降っていないにもかかわずその症状は起きるし、その状態のままではウインドーにキズがついてしまうし、そもそもカッコ悪いしで処置が必要になる。
■エアサスのコンプレッサー故障
H2には、グレードによりリアサスにコンプレッサー付きのモデルが存在する。エアサスといっても、ナビゲーターのようなサスペンション利用というよりは、車高を水平に保つレベライザー的利用であるから、万が一故障しても走れないことはないのだが。
故障前には、コンプレッサーからの異音や故障後はリアの車高の状態がおかしくなっていることがわかるので、確認してみるとよい。基本ケツ上がり状態だから異常があれば認識可能だ。
この部分から雨水が入り込み、モジュール類に浸水する。それによりワイパーやウインドーウォッシャーの誤作動を誘発する。
上記の状況に陥った時は、最悪エンジンルーム内のヒューズボックスにてワイパー系のヒューズを抜けば誤作動は止められる。
グレードによりリアにはエアサスが装備されるH2。このエアサスをコントロールするコンプレッサーが故障することで車高に異常が起こる可能性がある。ただし、大径ホイールによっては走れず、またナビゲーターと同じエアバッグ付きであるためにエアが漏れていると跳ねたりで走れなくなる。エアコンプレッサーの修理は高額であるため安価なバネサスへの修理が現実的。
この真横のスタイルを見てもわかるが、このデザイン性も含め、売れないわけがない。今なおファンが多いのも頷ける。
■メーター針の故障
インパネのメーター針を動かす内部のステッピングモーターのトラブルによりメーターが動かなくなる。もしくは誤作動する。この場合、内部のステッピングモーターの交換により修理可能ということだが、もし直す場合は一つの針のトラブルでも、全体的にモーターを交換してしまったほうが、後々安上がりになることも考えられる。
■エンジン系
オイル漏れの確認がよくみられるというH2には、アンダーカバーというかスカッフプレートの装着によりオイル滲みの確認がしにくいために、漏れに気づかず後々大事至る場合があるというから注意が必要である。
■イグニッションコイル系の消耗もあり
頻繁に起こるトラブルではないが、ミスファイヤーが起きる車両を見てきたという。とはいえブルートに関しては、この部分に関して納車前にきっちり整備するだけに、入手後に距離を重ねた場合には注意すべきポイントとなる可能性を秘めているという程度だが。
インパネのメーター針を動かす内部のステッピングモーターのトラブルによりメーターが動かなくなる。もしくは誤作動する。
メーター針の動き司るモーター。これらの交換を行う。また交換を行うときはメーター内のライトも同時に交換してしまう方が工賃的にも安上がりになるだろう。
H2に装備されるスカッフプレート。これにより、万が一オイル漏れや滲みが起こっていても判別がしにくい。よって大事に至るケースが稀にある。いわゆる定番メンテナンスをしっかりやることでも防げるトラブルである。
エンジンに関しては、点火系やエンジンオイルの滲みや漏れといった距離を重ねるとどの車種にも起こりうるトラブルがH2にも見られるといった程度である。よって購入時のチェックや入手後の定期メンテナンスで十分に対応できるエンジンの耐久性と言っていいだろう。
■雨漏れ
ルーフマーカーが装着されているH2の場合には、起こりやすいという。その確認はした方が良い。
■H2の機能部分全般として
全体的に、車重が重いのが特徴である。従って、各消耗パーツに対する負担も他車の比ではない。同じパーツを使用するエスカレード以上に消耗は早い。もちろん走り方にもよるが、そういう意識は持つべきである。
これ以下は、ユーザー車検等を検討している方には注意が必要な部分となる。
H2に関しては、車検対応にする「改善」の部分で非常に苦労を伴う車種であるという。だから、ユーザー車検を検討している場合は注意が必要になる。
■ヘッドライト
写真をみればわかるが、ヘッドライトが内側に入りすぎている。で、その下にあるフォグランプもヘッドライトと同様の位置にセットされている。
一方で、ディーラー車をみればわかるが、下記フォグランプの位置を若干左右に広げるカタチで配置する位置を変更している。これにより「その下方ライトをヘッドライトとして申請し車検に通している」のだが、ディーラー車以外の直輸入車両は、その改善がなされていないために、たとえばヘッドライト的なものを、日本の法規に合わせた位置に新たに設置する等して車検に通すようにしなければならない。
ディーラー車のヘッドライトである。上部と下部の丸目ライトの位置関係に注目。下部が若干両サイドに広がって位置しているのがわかるだろう。
こちらは直輸入車。上下の丸目ライトの位置が上下同様の位置に収まっている。これだと車検には通らない。
■1ナンバー&3ナンバーの移行
たとえば、もともとが1ナンバーで登録されている車両を3ナンバーでとか、もしくはもともと3ナンバーで登録されている車両を1ナンバーへ、という変更を個人で行う場合は、H2が車重3トンを越えるためにブレーキテストを行う必要があり、そのテストは自費になってしまうという。実際に行えば100万円コース。
ということで、上記の価格帯のハマーを購入する方々がそのテストを自費にて行う方はまずいないということで、移行はあまり現実的ではないと考える。
ちなみに余談だが、ショップ単位で鑑みれば、この移行は行えるという。もちろん費用はかかるが、たとえばそのテスト結果を他社から有償で借りることで移行を済ませることも可能という。だがその昔、悪徳ショップではその費用を全額オーナーに負担させたにもかかわらず、実際には他社から有償で借りていたなんてこともあっただけに、トラブルの元にもなるから、よく注意したほうがいいだろう。
■リアテールのルーフマーカーの処理
日本の法規では、H2のリアのルーフマーカーがリアテールと紛らわしい状況にあるということで、光らないように処置をする必要がある。その部分を適切に行わないと車検は通せない。
■サイドステップ
直輸入車の場合のサイドステップは、基本的に車両幅を越えているために、装着のままの状態では車検に合格しない。一時的にでも取り外す必要がある。
ユーザー車検で1ナンバーや3ナンバーへの移行を検討すると莫大な費用が掛かる可能性が高い。ショップ単位で行ってもいろいろ問題が出る。注意した方がいいだろう。
リアのルーフマーカーの処理を行う必要がある。
最後にハマーH2の来歴を。ハマーH2のデビューは2003年。そしてハマーブランドの消滅にともなう販売終了が2009年。その間の2008年にマイナーチェンジを行い、搭載エンジンやインテリア等の変更がなされている。
ちなみに、同コンポーネンツが使用されているキャデラックエスカレードは2007年に次期モデルに変更しているから、ハマーH2は一年遅れて2007年以降のエスカと同パーツを使用するようになった。
で、デビュー当初は6リッターV8エンジンを搭載し、330psを発生させ4速ATと組み合わされ、2008年からは6.2リッターV8エンジン搭載で398ps+6速ATとなっている。
このスペック的な数値だけをみれば、2008年以降のモデルが断然人気、ということを予想するだろうが、H2の場合はそれ以前の2005年あたりのモデルが非常によく動くという。
それは、インテリア等を含めた初期モデルのデザイン的人気が高いということであり、今後もしH2が愛車候補にないっているというなら、上記を参考に価格と程度とカスタムレベルが見合う車両を見つけて欲しいと願うのである。
冒頭でも触れたが、H2は基本的には何らかのカスタマイズが施された車両がほとんどと考えるべき。で、そのカスタマイズも上記のようなオフロード系や下記のようなラグジュアリー系とさまざまである。
そうした中から、自分の好みに合うものを、程度と価格帯とカスタマイズレベルの中からチョイスするのが好ましい。
とはいえ、結局一番大切なのが、そうした車両を販売するショップの見極めになる。これまた前述したように、配線ぐちゃぐちゃのカスタマイズH2を見極められないショップでの購入は、当然避けなければならないのである。
オフロード系もラグジュアリー系も、どちらも似合ってしまうのが、H2の特徴である。
<関連記事>
>> ハマーH2ド <2003年~2009年> vol.1 を見る
>> キャデラックエスカレード <2007年~2014年> vol.1 を見る
>> キャデラックエスカレード <2007年~2014年> vol.2 を見る
>> Bluet (ブルート)【ショップinfo】 を見る
>> 1995 キャデラック フリートウッドブロアム (CADILLAC FLEETWOOD BROUGHAM) を見る
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