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試乗記 TEST RIDE 2015 トヨタセコイア (TOYOTA SEQUOIA)街中での視線はいまだ新鮮そのもの

2015 トヨタセコイア (TOYOTA SEQUOIA)

アメリカンな迫力とトヨタ製の安心感

ピックアップトラックのタンドラとプラットフォームを共有する、トヨタ自慢のフルサイズSUV。初代のデビューは2000年のことで、現在活躍しているモデルは2008年にフルモデルチェンジした2代目にあたる。そんな最新2015年モデルを取材した。

更新日:2016.09.21文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力

ベルエアー
TEL 0436401212  [ホームページ] [詳細情報]

ベースとなるタンドラにビッグマイナーチェンジ

 2014年、USトヨタを代表するピックアップ、タンドラがビッグマイナーチェンジを敢行した。基本コンポーネンツは変わらずもフロントマスクのデザインを変え、インテリアの趣を変化させている。

 セコイアは、このタンドラをベースとしたフルサイズSUVのため、続けて「2015年モデルでセコイアも」と思った方も多いはずだ。だがしかし、セコイアに動きはなかった。そもそも、動きがまったく読めなかったために「生産中止では?」とも囁かれていたほどだった。

 そんな中で登場した2015年モデルは、これまでとまったく変わらないカタチでラインナップされた。ボディカラーも8色、グレードも同じく3タイプで、変化はない。果たしてこれが何を意味するのか? 生産中止の予兆か? それとも独自マイナーチェンジへの準備期間か?

 いずれにせよ、日本では人気高騰の兆しが見えるだけに、まだ新車が手に入るということを素直に喜ぶべきだろう。

 ちなみに、二年前の夏、某テレビ番組で某キムタクさんの愛車としてセコイアが紹介されて以来、関西方面で火がついたといわれていたが、現在は関東地方でもセコイアの人気は継続中である。

 また、TRDパーツにてスーパーチャージャーを装着する等、アフターパーツの醍醐味も浸透しつつあり、正直、新型キャデラックエスカレードよりも人気高モデルとして、流通しているといわれている。
ライバルとなるキャデラックやリンカーンのフルサイズSUVが2006年にフルモデルチェンジを行っているが、それから2年後に満をじして登場したセコイア。遅れて出来てただけあって、ライバルを凌駕するおもてなしの完成度は高く、日本でもいまだ人気となっている。
ちなみに銀座あたりでは、ご存知ない方も多く、「なんだこの馬鹿デカいトヨタ車は?」と異様なほどの注目度かつ視線を浴びるそうです。
搭載されるエンジンは2機種。5.7リッターV8と4.6リッターV8。前者は381psものパワーを発生させる。一方の後者は、2010年のマイナーチェンジで登場した新型エンジンで、310psを発生させる。最近、5.7リッターV8にTRDスーパーチャージャーを装着するオーナーさんが増えているという。

まったく変わらず登場した2015年モデル

 そんなセコイアの魅力とは、エスカレードやタホ等のアメリカンSUVにヒケを取らないボディサイズとプレミアム感と言えるだろう。

 タンドラとシャシーが共通とはいえ、セコイアは多人数乗車をメインに想定されたフルサイズSUV。足回りはリアサスをダブルウィッシュボーン独立懸架に置き換えることで、後席の快適な乗り心地を実現しているし、搭載される5.7リッターV8DOHCエンジンは、381hpのパワーを発生させ、トヨタ流の超静粛性を伴って悠然と走らせる。

 ちなみに、組み合わされるトランスミッションはいずれも6速ATで、駆動方式にはFRと4WDが用意されているほか、グレード展開はベーシックな「SR5」、パワーシートやパワーリフトゲートなどを備えた「Limited」のほか、2列目キャプテンシート・レザーシート仕様の「Platinum」の3種類。「SR5」のみ4.6リッターV8となり、その他2グレードには5.7リッターV8が搭載される。

トヨタ流の高級感で満たされる

 パッと見の印象は「やっぱりデカイなぁ」というもの。ベースはフルサイズピックアップのタンドラであるから当たり前といえば当たり前だが、タンドラと並べてボディ全体を比較すると、リアが荷台ではなくワゴンボディになっている分、塊感が強く、タンドラよりも大きく見える。

 フロントマスクは、タンドラ同様に押し出し感の強いマスクとなっており、これまた「迫力」がもの凄い。この点においては「洗練」「品格」に軸足を置くキャデラックエスカレードやリンカーンナビゲーター以上と断言できる。

 このクルマをひと言で語るなら、とにかく豪華で機能的。たとえば、セカンドシートはグレードにより左右独立のキャプテンシート(7人乗り)やベンチタイプ(8人乗り)が採用される。このセカンドシートはこれまでのアメ車には無かった前後スライド機能が備わり、クラストップのレッグスペースが確保できる。

 またサードシートは6対4の分割式ベンチシートで、スイッチひとつで床下に電動格納し、広大なフルフラットラゲッジスペースが出現する。リアドアのガラスがパワーウインドーとなっている点もこのクルマならではの機能である。

 インテリアも機能重視のものになっており、質感が飛び抜けて高いわけではないのだが(トヨタ流の高級感)、ひと昔前の質素な空間を特徴とするアメリカンSUVと比較すれば、かなりデザインチックであり、プライス以上の満足感を得ることができるだろう。
ラグジュアリーSUVほどの豪華さはないが、フルサイズSUVとしては、極めて質感の高い、デザインされたインパネ。いわゆるトヨタ流の高級感で満たされる。
5連メーターのインパネは、個性的なアレンジがなされた仕様。タンドラが2014年になりインテリアの雰囲気を変えたが、そちらは賛否両論あり。セコイアはいまだ旧型ということになるが、趣という点で確実に勝っている。
6速ATはフロアシフト。操作性にも長け、ギアの加減速もスムーズに行える。シフトレバーの長さも絶妙。
センターコンソールは、各種操作スイッチをドライバー側に向けたコックピット的なモノであり、今となってはセコイア特有の個性である。
SR5はクロストリムシートだが、それ以外のグレードではレザーシートが標準となる。なお、最上級グレードであるPlatinumはセカンドシートがキャプテンタイプで7人乗り。中間のLimitedは8人乗りと7人乗りの両方が選択できるようになっている。
8人乗りのベンチタイプシートをセレクトした場合、セカンドシートとサードシートをミニバンのようにフルフラットにすることも可能。多彩なシートアレンジ機能を備えたモデルは珍しくないが、操作性はさすがトヨタクオリティ。
3列目シートは、スイッチひとつで床下に格納でき、一瞬にして広大なラゲッジスペースを作ることができる。このリア荷室のピラーにあるスイッチ操作で収納可能である。

街中での視線は、今となっても新鮮そのもの

 とまぁ、見た目の印象はこんな感じだが、「大きい」という印象は乗ってからも変わらなかった。

 インパネやシフト周りの雰囲気等はほとんど2013年までのマイナー前のタンドラと変わらない。グレードやセレクトしたオプション内容に応じて見栄え等は変わるかもしれないが、基本的な印象は同じである。

 だが、乗り出して街に出ると少なからずの違いは感じられた。やっぱり「高級」である。これはあくまでもタンドラと比較した場合なのだが、車格というかなんというか、もしくは車両価格の違いとでもいおうか、走りが明らかに違う。

 これは恐らく、「トラック」か「SUV」かというリアの造りに起因しているのだろうが、セコイアの方が滑らかかつ静かである。

 街中でのドライブは、慣れてしまえば大きさも気にならない。エンジンも低速から強烈なトルクが感じられるため、動きの鈍さや重さも感じない。走りの質に関しては、明らかにトヨタ流のそれであり、総合力自体が非常に高く、旧タホやエクスペディション等のアメリカンSUVとの比較においても明らかに凌駕している部分が少なくない。

 大きくて大味なクルマは数あれど、セコイアはさにあらず。逆に大きいにもかかわらず、すべてにおいて緻密。そこが最大の魅力。

 一方でこれより上級のキャデラックやリンカーンが相手ともなると、さすがにそこまでの高級感は備えていないが、造りの良さやおもてなしの機能美みたいなものは、さすが「トヨタ」。

 とはいえ、周りのライバルたちが軒並みモデルチェンジを果たしている段階で、各新型モデルとセコイアとの比較となれば、さすがにトヨタ製といえども若干辛い。すなわち、次なるモデルチェンジこそが、セコイアの価値を図る最大のものさしとなるのだろう(果たしてモデルチェンジするのか?という根本的な問題はあるのだが…2018年にタンドラ同様にモデルチェンジとの噂もあるが…)。

 「本物」を凌駕する迫力と大きさを備えたトヨタの左ハンドル車としての安心感を優先するならば、セコイアの「価値」は明らかに高い。さらに都心の街中での視線は、今となっても新鮮そのもの。

 人とは違うSUVを求めるなら、アメリカンな迫力とトヨタ製の安心感を備えたセコイアは、格好の1台と言っていいだろう。

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