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試乗記 TEST RIDE 2013 フォードマスタング BOSS 302 (FORD MUSTANG BOSS 302)2012年、2013年の2年間限定モデル

2013 フォードマスタング BOSS 302 (FORD MUSTANG BOSS 302)

近年マスタングの名車候補筆頭モデル

このクルマに乗ると、楽しいクルマに必要なのはパワーじゃなくフィーリングであることを教えてくれる。

更新日:2017.11.27文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力

BUBU MITSUOKA つくばショールーム
TEL 029-846-6600 [ホームページ] [詳細情報]

BUBU MITSUOKA
TEL 0120-17-2290  [ホームページ] [詳細情報]

アメリカでもMT車の価値が高まっている

 今、フォードマスタングの近年の中古車で価値が上昇しているモデルがV8エンジン搭載のMTモデルであるという。特にアメリカ本国では、なぜだかMT車の人気が高まり、スポーティモデル=MTという流行りが起きていると。

 だからマスタングの場合、旧モデルであればなおのことV8+MTモデルの価格が上昇しつつあり、アメリカ=コンバーチブルという概念を壊しつつあると言われているのである。

 ちなみに、今現在、世界中のスポーティカーはどれもセミATが当たり前の世の中になっており、MTモデルの存在さえなかったことにされている感がある。

 にもかかわらず、アメリカでは今頃MT人気とは(笑)。それが証拠に、アメリカのスポーティモデルにはどれもいまだにMTがラインナップされている。世界の常識とはまったく同期しないアメリカの「我が道を行く感」が好きでたまらないが。

 ということで、マスタングに照準をあわせれば、V8+MTモデルの価値が断然高く、オーソドックスなV8+MTモデルからシェルビーGT500に至るまで、常に高値安定という状況である。

 そんななか、「限定モデル」という存在は、より一層の価値が見出され、これまた高値をキープ。昨今、アメリカ国内の景気の良さは半端ではなく物価高が続いているというが、それと同時にアメ車の値段も上がり、その価格がわれわれ日本国内の中古車にも反映されてしまうというから気をつけた方がいい。

 このままいけば、さらに価格の上昇は否めない、そのくらいのアメリカ国内の景気の良さであるから、狙っている中古車がある場合には、出物が見つかった時点で即座に入手した方が得策である。

 今回取材した車両は、まさにそんな限定モデル。BOSS302である。BOSS302とは、2012年と2013年に限定販売されたマスタングのチューンモデル。エンジンパワーが上がり、足回り等も若干ハードになり、何より6速MTモデルしかラインナップされない走り仕様だ。
2012年と2013年に復刻した伝説のBOSS 302。過去の歴史的事実と同様に2年間のみの復刻限定モデル。中古車市場でも滅多にお目にかかれないレア物。実物のかっこよさは凄まじい。特にデカール各種のコンビネーションが絶妙。センスフルな1台。
復刻した2年間では、ベースとなるマスタングのモデルチェンジが行われており、ベースモデルのフェイスチェンジが行われたことによる、フロントマスクの変化やデカールの仕上げが変わっている等の違いが存在するから注意したい。
ちなみに取材車両の2013年モデルのBOSSはマスタング自体の数が少ないだけにレア中のレアと言われている。
ファインチューニングにより446hpを発生させるエンジンは、明確なパワーアップというよりは、吹け上がりの軽さやキレの良さを体感させる。
エンジンを組み上げた担当者のネームや年式を刻印したプレートがブロックに貼られている。なおBOSS302はシェルビーGT500よりも台数が少ない貴重なマシンである。
指定されるエンジンオイルの粘度は5W-50というかなりのハイレンジオイル。これだけを見てもエンジンのチューンの度合いというか高回転を意識したモデルということがわかる。

フォードに勢いを感じた時代のモデル

 これまでに何度も取材したマスタング、そしてBOSSも過去に数台取材したが改めて、原色のBOSS302は驚くほどカッコイイ。

 デカールの量やブラックのホイール、各種エアロ、そして車高等のバランスの良さ。それらすべてが適切であり、逆に品すら感じさせる仕上がりに脱帽である。

 くわえて、伝説モデルの復刻版であり、限定車であるからこその優越感に、MTモデルであり、スポーティでありetc…、となれば売れない方がおかしいだろう=高値安定、もしくは値落ち幅の少ない車両ということだ。

 装備されているレカロのバケットシートは、ただならぬホールド感で体を支え、球型のシフトノブの握りは最高であり、かつクラッチ操作とショートストロークのシフトの操作性は格段に良い。スタートボタンを持たない、キー操作によるエンジン始動も好みだ。
別に飛ばすために高速に乗らなくてもいい。あえて峠に行くことすら必要ない。街中を走っているだけでも気分が高揚するホットなマシンである。

ドライバーを刺激するV8サウンド

 この型はいわゆる旧型マスタングに属するが、アメ車とはいえ比較的小さいボディが特徴であったから見切りが良く、街中でも安心して飛ばせる。個人的にも人車一体感が高いと感じていただけに、BOSSになればなおさらその面白さは格別である。

 搭載されるエンジンは、当時のV8GTに搭載されるものと同様の5リッターV8(5リッターを立方インチに換算すれば302)だが、ピストンの変更や吸排気系のチューニング等により最大回転数を引き上げる等して、最高出力を444hpにアップ(2012年当時のV8GTは420hp)。

 最大トルクは380lb-ftとノーマルモデルと同一だが、最大発生回転数が若干上がっていることから(MAX7500rpm)、全体的に回せるエンジンに進化させたと考えるべきだろう。そしてそれをクイックシフトさながらのショートストローク6MTで操作するのである。ちなみに、2013年モデルは446hpとも言われている。

 このエンジン、 走らせれば、ノーマルよりも高回転に振られているチューニングの恩恵が明確に伝わる上、吹けあがりが軽く感じ、その際のサウンドもダイレクト。そういう意味では非常にメリハリが利いたエンジンに仕上がっており、とにかくメカニカルなサウンドがドライバーを刺激する。気持ちいい。
官能的エンジンをMTで操る行為だからこそ、MT運転がまったく苦になることはない。車体の軽さも感じる軽快感もスポーティモデルならでは。
インテリアは非常にシンプルだが、各部にレーシーなアイテムが使用され、ドライバーの気分を高揚させる。走るクルマとしては、必要最低限な装備は揃っており、雰囲気も十分にある。ステアリングはスエード巻きの専用品だが、ヤレはほとんどない。
エンジンサウンドに浸りながらタコメーターの針にのみ集中しながらのドライビンは格別。
球型シフトノブとショートストロークの6速MT。クラッチの重さも適度なものであり、シフト操作の連携が上手くいくので、操作がこの上なく楽しい。
オプションとなるレカロシートが装備されているモデル。ホールド性やフィーリングは最高。だが乗降性は悪くない。
ハンドリングのキレの良さに貢献しているタワーバー。体感的にもかなり効いているパーツだと思う。
19インチホイールと強化ブレーキだけでなく、足回りの各部までが強化されることで、硬質な走行フィールを与えてくれる。

欧州車好きにも何故だかウケがいい

 同じくスポーツモデルとしてシェルビーGT500が存在したが、あちらのスーパーチャージャーエンジンのパワー(年式により540hpから662hpまで)は、とにかく素晴らしいが、エンジンのダイレクト感やピックアップのキレの良さではこのBOSS 302には適わないだろうと思う。

 それに、使い切る楽しさという点でも勝っており、おそらく首都高あたりでも十分にひたれるはずである(それでも相当速いが)。全身官能マシンである。

 この車両を販売しているBUBUのBCDスタッフによれば、「このBOSS302はアメ車ファン以外の欧州車ユーザーからの引き合いが多く、過去にBMWM3に乗っていた方やアルファロメオのMTに乗っていた方のような『MT車&エンジンサウンドマニア的な方々』に圧倒的にウケがいいということだ」

 くわえて、これまでにBOSS302を日本で十台以上販売している経験値をもってしても「すでにアメリカでも入手困難な車両になってきました。今回BUBUにはこの車両の他にスクールバスイエローもありますが、この二台以降はいつ見つかるかわからないです。探していた方には是非一度個体の状態を見て欲しいですね」

 BCDが言うように、このグリーンの車両は3万4000キロちょいの距離を刻んでいるが、言われなければわからないほど各部がシッカリしている。少し走らせたから、余計にこの車両の良さがわかる。ヤレた中古車を人工的に戻した荒らさが全くないのだ。

 BCDの車両は、まずアメリカでチェックが入り、日本にてBUBUのスタッフによる確認と第三機関による車両の精査が入り、新車以外の直輸入車両は計三度の見極めが行われる。すなわち、展示車両としてBCDの売り物になっている車両は、そうした壁を越えたものだけである。だからこその手厚い保証であり、買い取り価格の良さに繋がるのである。

 ということで、この先BOSS302と共に車歴を刻みたいと思うなら、このグリーンの個体は絶好の一台と思うのである。

1分半過ぎから始まる走行シーンをご覧ください。試乗したBOSSもまさしくこの感じでした。こんなサウンド、他では味わえません。

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