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プロショップ、Bluet (ブルート)が教えてくれるマル秘ノウハウ

フォード エクスプローラー <2011年~2015年> vol.2

狙い目中古車の理由とはいかに?

フルサイズに続きミドルクラスSUVの購入&維持。フォードエクスプローラーがオススメな理由はたくさんある。

更新日:2018.07.02

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/ブルート TEL 0489529260 [ホームページ] [詳細情報]

エンジン2機種の3モデルラインナップ

 ということで、ブルートにある車両にて詳細を岡崎氏に語ってもらった。ベース車両は、2013年型直4エコブースト搭載車。走行距離は5.3万キロのフルノーマル車である。

 岡崎氏いわく、冒頭にあるように個体自体はD車だけあって程度は相当にいいという。またエンジンやミッションといった動力性能を司る基本部分の状態や耐久性にも申し分なく、事故車等のいわくつきの車両でなければ、ショップ側としても安心して納められるという。もちろん、ここにはショップとしての基本整備や確認作業を行った上での話である(油脂類のチェック、バッテリー電力チェック等々)。

 だから購入時のポイントとしては、ベース自体の良さを認識しつつ、「どういったモデルをチョイスするか」によって決まってくるという。これまた冒頭にあるように、エクスプローラーにはエンジン2種類の3モデルラインナップが存在。だから、はなからエコブーストをチョイスすればAWDはセレクトできないし、またV6LIMITEDにあるブラックレザーはチョイスできないということになる。

 一方で、V6をセレクトした場合には、レザー系シートをもったLIMITEDと布シートのXLTがあるが、希望の車両が見つかるかどうか。

 「中古車は一期一会の程度重視」という合言葉があるだけに、オススメとしては直4かV6か、FFかAWDか、という割り切りが必要かもしれない。

洗練された各部のフィーリングと先進的な液晶メーター等がエクプローラーの真骨頂だ。デビュー当初はかなりの違和感を感じたものだが、現在は、見た目にも、実際に触れても、非常に質感高く居心地の良い空間が構築されている。

メーター周りなどは、良い物を手にしている実感がひしひしと伝わって来るほどだ。

センターコンソールも当時は、革新的であったが、センターのタッチパネルがすべて英語表記となっているのが難点であった。

車両はブラックカラーのV6モデル。ボディカラーがブラックの場合はボディ下部のモール部分をあえてブラック同色にペイントするカスタムが有効であり、この車両にはそれが施されている。全体的に精悍になり、かっこよさが増すという。

アフターパーツが豊富な7人乗りモデル

 ちなみに、ブルートの岡崎氏がこういった説明をなぜ流暢にできるのか。それは、ご自身の現在の愛車が2016年型のエクスプローラーだからである。さまざまなアメリカンSUVに乗ってきた岡崎氏がチョイスした個体は2016年にモデルチェンジを行った時の車両で、直4エコブースト搭載だが2.3リッターモデルに変更されているモデル。だが、ご自身の愛車ということあり、車体に詳しく、また整備等のポイントにも長けている。そういうこともあってのエクスプローラー推しである。

 余談だが、岡崎氏が乗る2016年のエクスプローラーのD車は、非常にレアな存在。日本フォード撤退と同時進行でマイナーチェンジが行われ、撤退発表後にキャンセルがかなりあったという話があるし、もし入手していた方がいてもまだ車検継続期間だけに、早々に売りにだされていなければ、まだ市場に出回っていないモデルと推測されるからである(2019年以降に市場に増える可能性はある)

 ということで2011年~2015年年型のエクスプローラーには、コンディション良好のD車個体が多くあるということにくわえ、社外品のアフターパーツが非常に豊富であること。またトレイルブレイザーやグランドチェロキー等の5人乗りモデルでは味わえない室内の広さと7人乗りモデル&シートアレンジの多様性があげられるという。

 実際、使わなくても日本人ユーザーは7人乗りを求めることが多いというから、格好の存在なのである。

 そんなエクスプローラーの中古車事情としては、まずナビの問題。エクスプローラーが出た当時は、ナビがないことが指摘されていたが、今やスマホ全盛の時代であり自分のスマホで代用できるから、当時ほどの問題にはならないかもしれない。

搭載される3.5リッターV6エンジンは294ps/6,500rpm、最大トルク35.2kg-m/4,000rpmを発生させる。直4比で約50psほど高いが、AWDの車重との相殺分もあり、劇的な変化はそれほど大きくはないが、フィーリングはアメリカンV6らしさ溢れるものだ。

V6エンジンのLIMITEDに標準装備されるブラックレザーは、かなりの人気モデル。直4だとグレーレザーのみしかないから、このブラックレザーを求めV6を購入する方がいるほど。なお、エクスプローラーには、限定モデル等も発売されていたから、V6XLTにレザーシートが装備された限定モデル等を、幸運にも入手できる可能性は残されている。

ブラックボディの下部のモール部分はご覧のように塗装面とのカラーの色味違いが激しい。この部分をボディ同色のブラックにペイントしたのが、上記のブラックのV6モデル。

最後に在庫車を試乗させてもらったが、驚くことに中古車風情を感じさせる部分はわずかであり、ボディはガッチリし、またエアコンはガンガンに効き、驚くほどのコンディションだったのである。

入手後の不安も解消できる術が整っている

 だが、問題があるとすればフォードマイタッチ。センターコンソールにあるタッチパネル。このパネルには、オーディオやエアコン等の操作パネルとなっており(全部英語表記)、このパネルが経年劣化によりダウンしてしまったらどうなるか? おそらく全取替えの数十万円コースだろう。

 現状、そういった個体はないというが、他車や他メーカーの欧州車ではタッチパネルのダウンが結構あるとのことで、危惧される。

 だが、そういった状況を加味してか、アフターパーツでタッチパネルを殺し、日本製ナビをインストールしてエアコンスイッチを別体で装着するパーツが存在するというから、タッチパネルが死んだ場合には、そうした変更を視野に入れておけば怖くはないだろう。

 また、ボディカラーでいえば、白黒がデフォルトということだが、ボディカラーがブラックの場合はボディ下部のモール部分をあえてブラック同色にペイントするカスタムが有効だという。

 ボディカラーが白でそれをやると、なぜかのっぺりしてしまってオススメできないというが、ブラックの場合は逆に引き締まって精悍になり、かっこよさが増すという。だから購入時にそういうカスタマイズがなされている個体ならちょっと儲けものだろう。

 以上の話を聞き、最後は試乗して個体の状況を観察した。2013年型の走行5.3万キロということで、5年落ち。年1万キロちょいペースで走ったということだが、驚くことに中古車風情を感じさせる部分は、使用感のある前席シートのみ(あとはタイヤくらいだろうか)。リアは限りなく使われてない感を残し、ボディはいまだガッチリ。またエアコンはガンガンに効き、リアシート部分まで確実に冷える。

 というか、想像していた以上に劣化が少ない。やはりD車であるからこそ、新車時のPDI(※脚注)検査等がのちのちに効いてくるのだろうと思う(ヤレが確実に少ない)。だから200万円台から300万円程度の中古エクスプローラーは、きわめて安心感のあるアメリカンSUVであると言えるのである。

※PDIとは、出荷前点検:Pre-Delivery Inspection(以下、PDI)の略称であり、日本の港に陸揚げされた輸入車は、各ディーラーに搬送される前に、インポーター各社の専用施設で独自の品質検査や日本の保安基準などへの適合確認を行う。それをPDIという。で、その一部が以下のとおり。
一例:①陸揚げ②搬入③機能検査④テストドライブ⑤洗車⑥拭き取り⑦外装検査⑧内装検査⑨リペア工程⑩完成検査⑪出荷準備⑫出荷。

フォードマイタッチは、すべて英語表記。だから操作系の作業がすべて英語のため拒絶するオーナーも多いという(笑)。またこの先、このタッチパネルがダウンすれば、オーディオやエアコン等の操作パネルにもなっているから大変なことになる可能性を秘める。

こうしたことに対応するために、またナビゲーションをセンターコンソールに移設するために、上記のようなアフターパーツが存在する(写真は株式会社トライポッド提供)。またこれ以外にも、TVキャンセラーを使用してスマートフォンや地デジチューナーを画面に映してナビにしたりテレビを観たりすることも可能という。

D車であるエクスプローラーは、中古車となって距離がかさめばかさむほど、D車時のPDI等が効き、ヤレが思った以上に少ない場合が多いのである。だからオススメになるのである。

<関連記事>
>> フォード エクスプローラー <2011年~2015年> vol.1 を見る

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