たとえば、セルシオの左ハンドルを逆輸入して、「これいいぜ」とアメ車ファンにお勧めする気には全然ならないが、日本で製作されていながらも海外市場のみで売られている輸出専用車ならば話はちょっと違ってくる。というのも、そういったクルマ達は、日本で正規車として売られていないわけだから、手に入れるには海外から逆輸入しなければならず、だからアメリカから輸入すればアメ車! になる?
ここで紹介するクルマ・インフィニティFX45は、03年にデビューした完全なる輸出専用車。バリエーションは、4.5リッターV8を搭載するFX45と3.5リッターV6を搭載するFX35の2車種。で、今回は、新車並行車として逆輸入された新車05年モデルに試乗してみた。
存在感のある大型グリルを配したフロントマスク、角度を寝かせたAピラーやロングノーズとあいまって洗練されたエクステリア、そしてそれらが一体となって成型されるボディ全体の印象は、ひと言で「アグレッシブ」。このボディ、大きさだけでいえば、ハマーH3に近く、車格を含めて考えればキャデラックSRXに近い成り立ちである。
このFX45、実際に乗るとめちゃくちゃ速い。室内は若干タイトになっており、ステアリングは格段にシャープ。ブレーキの利きはまったくもって問題ないため、目を瞑って走ればまるでスポーツカーのような錯覚を受ける。インテリアも同様に洗練され、エスカレードのようなアメ車的バタ臭さは微塵もなく、リンカーンナビゲーターのようにモダンな印象を受ける。 中身の元をたどれば「国産じゃん」、と正直最初は思っていたが、この塊感のあるデザインは実にかっこ良く、アメ車以上にアメリカンな部分も感じる。アメ車と生活する=面倒を見る楽しさ、とするならば、インフィニティにはそういった面白さは微塵もないが、カッコいいアメリカンなクルマが欲しければ、率直にオススメできる1台である。
330,000円
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