更新日:2011.05.24
文/編集部 写真/編集部
取材協力/オーナー : 前原淳 TEL
「女房と畳は新しい方がいい」という諺があるように、どんなものでも古いものよりは新しい方がいいに決まっている、という考え方が世間一般の常識だ。かくいう筆者も、「最新」という言葉には弱いタチで、「新しいものこそ絶対!」と信奉している人間のひとりである。とくにパソコンや家電製品などの工業製品は、新しくなればそれだけ性能も高くて扱いやすいものになっているので、どうせ買うならやはり最新型のものを購入しようと考えてしまう。
その考え方はクルマにおいても同じである。どうせ買うなら最新モデルの新車の方が絶対にいい、という考えは常に持っている。しかしながら、古いものに興味がないか? といえばさにあらず。特にクルマにおいては、「古いクルマが持つ魅力」というものを確実に実感している。
旧マスタング試乗は、以前から1度はやってみたいと思っていたが、正直は状態のいい1stマスタングを見つけることが困難で、なかなか実現することができなかった。今回、ちょうどフルリビルト済みの65年型を借りられたため、念願だった試乗が実現できたのである。
65年型だが捨てたものではないという第一印象だ。リビルト済みとはいえ、エンジン本体はオリジナルのままであり、エンジン音はうるさくてラフな感じがする。しかし、このエンジン音を聞いていると、クルマという「機械」を操っている実感が込み上げてきて、自然とエンジンや足回りの動きが頭の中でイメージされる。走りのスピード自体はぜんぜん速くはない。むしろ至るところからパワーが逃げてしまっている気もするが、ガッと踏んだときのエンジンフィールと轟音はやみつきになってしまう。
この65年型は、すでにレストア済みの車両をベースに、エンジン、ミッションなどを改めてリビルトして仕上げたクルマある。パワステやパワーブレーキ&Fディスクなどが新たに装備され、点火系はMSDで強化、ヒート対策の電動ファン等も追加されている。そのため、日常の足として普通に走れるし、渋滞につかまっても水温計を気にする必要もない。
また、リーフのサスは、さすがにこれだけ重量が軽いとカチッと決まるらしく、フワフワ感はまるでない。ボディ剛性も信じられないくらいしっかりしている印象だ。何よりグワッと唸るエンジンフィールにたまらない「味」がある。
1度レストアされた車両をベースにエンジン、ミッションなどを改めてリビルトして仕上げたクルマある。点火系はMSDで強化、ヒート対策の電動ファンも追加している。そのため、日常の足として普通に走れるし、渋滞につかまっても水温計を気にする必要もない。
インテリは、質感の高さとともに味わいが存分にあり、計器ひとつとっても、まるで機械式時計のような趣を感じさせる。細身のステアリングを握って乗りこなす感覚は、この時代のアメ車ならではのものである。ブラックのボディにベージュのインテリアというバランスとセンスが、これまた素晴らしい。
初代マスタングのスタイルは、全体に均整が取れていてバランスが非常にいいと思う。ボディに対するホイールの大きさもベストだ。そして細部のディテールが非常に美しい。ボンネットフードから水平に引かれたライン、その上をトップからリアテールまで緩やかに流れているファストバックと呼ばれるルーフ形状、軽く盛りあがったフェンダーやボンネットフードの形状など、細かく挙げればキリがない。本当に惚れ惚れとする美しさである。もしも自動車デザインに黄金比があるとすれば、この形になるのではないかと思えるほどだ。
初代マスタングは、確かに性能面では最新のクルマに劣るだろうが、しっかりとしたレストアがされたクルマであれば何の問題もなく普通に走れるし、旧車にしかないクルマとしての「機械感」とでも言ったらいいのだろうか、現代車にはない「味」が非常に濃い。この味を求めて旧車にハマる気持ちが非常に良く分かる試乗だった。
これだけ美しいスタイリングを見ると、現代の最新マスタングがこの初代をベースに復刻版として登場している意味がよくわかる。だが、その意味を理解した上で、なおかつ現行マスタングの性能の高さも知った上で、初代の味わいには勝てないのが現実である。
この美しいボディラインには、40年以上たった今でもまったく古さを感じさせない品の良さというか洗練さがある。ボディについても、1度レストアしてあった車両を改めてリビルト・リファインしてあるため、しっかりしているし、エンジンやミッションもしっかりしている。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES