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[特集]

リングブラザーズ・マスタング SplitR

Ring Brothers SplitR 1965 Mustang Fastback

全米最先端のプロツーリング仕様

日本でもアメリカン・ヴィンテージを取材する機会が圧倒的に増えたが、本場アメリカではその一歩も二歩も先を行く。ということで、今回は番外編・昨年のセマショーに出展されたプロツーリングに触れてみる。

更新日:2016.01.18

文/椙内洋輔 写真/リングブラザーズ

取材協力/リングブラザーズ TEL  [ホームページ]

旧車ベースで全く新しくリボーンする

 Ringbrothers (以下、リングブラザーズ)はウイスコンシン州のスプリンググリーンをベースに活動するカスタムビルダー。その名のとおりマイクとジムのリング兄弟が製作するカスタムマシンたちは、これまでもセマをはじめとするカーショーで数多くのアワードを獲得し、ここ数年ではチップフースを代表とするトップビルダーの一員として認知されるまでになった。

 そんなリングブラザーズの新作、昨年のセマショーにて発表された Ring Brothers SplitR 1965 Mustang Fastback は強烈な個性を発揮する。フローマスターブースに展示されていたそれは、フローマスターのマフラーを装着している関係上ブースに展示されていたが、その中身はもちろんリングブラザーズによるハイテク装備との融合により、圧倒的なポテンシャルを発揮する。

 レッドカラーのマスタングファストバックベースにカーボンパーツを随所に使用し、ホワイトカラーを上手く利用することで、魅力的なエクステリアを実現。

 カーボンフード下に隠れるエンジンは、フォードレーシング製427キュービックインチのV8キャブ仕様。もちろんノーマルのままではなくハードチューンが施され、凝ったデザインのカスタムエアボックスに点火系、吸排気(リングブラザーズへダースとフローマスター製マフラー)に及ぶリングブラザーズ流のアプローチとトレメックT56の6速MTとが組み合わされる。

 だが、驚くのはパフォーマンスだけでなく、そのエンジンルームそのもの。エンジンべイから作り直し、配線関係からあらゆるすべてが見えないよう見事に収められたその光景はまるで飾り物のディスプレイかと思ってしまうほど。実際には走れるだけに、余計に驚きを隠せない。

 一方足周りは、近代的なレーシングカーのような作りが特徴的であり、下回りはドライブシャフトレーン以外はフラットなアンダーボディになっている。強化ステアリングラックにコイルオーバーサスにベアーの大径ブレーキ、さらに前後異形サイズのHREとニットータイヤによって巨大なパワーに対応する。

旧車ベースとはいえ、完璧なセットアップが図られたことにより、そのパフォーマンスは現代の超一流マシンをも凌ぐと言われる。

 それにしてもこのマスタング、圧倒的な存在感を醸し出している。古き良きアメリカンマッスルカーのデザイン的力感は殺さずに、随所にモダンなテクノロジーを融合させるその技はリングブラザーズならではだろう。

 こういったマシンが日本の公道を走ることはまずないだろうが、セマという一大ショーに毎年堂々とアピールされる旧車ベースのプロツーリングを見るたびに、アメリカ自動車文化の奥深さを感じるし、アメリカ自動車史に燦然と輝く過去の名車たちに新たな命が組み込まれ、リボーンすることに感動を覚えずにはいられない。

 くわえて、リングブラザーズが持てるノウハウと情熱のすべてを注ぎ込んで製作した最強のこのプロツーリングマシンには、所有する歓びだけでなく、触れる者すべてを一発でノックアウトする圧倒的な破壊力をも備えているのだから、余計に素晴らしい。

 ちなみに、世界中で旧車の価格が高騰しているが、たとえばポルシェやフェラーリ等はノーマルであればあるほど価格が当然高くなる。

 一方で、アメ車の旧車も同じようにナンバーズマッチのノーマル車の価格が高くなるのは当然なのだが、ここで紹介したようなプロツーリング仕様に改造されたマシンたちも同様に評価されるのである。すなわち、手が加えられても圧倒的な価格が付くのは、世界中を見渡してもアメ車の旧車だけなのである。

 過去のメカニズムを生かしつつ現代の路上を走る上で必要な機能部分を補いながら、アメリカン旧車に乗ることがもちろんオススメではあるのだが、こういうド級のマシンを、あえて旧車で創造するその姿勢にも惹かれる今日この頃である。

ダッシュボードも全く新しく作り直されているが、その洗練されたフォルムはお見事。



Vehicle Specs:
■ドライブトレーン
Engine: Wegner Motorsports 427 C.I. Ford Racing
Engine Oil: Royal Purple
Engine Oil Weight: 10-40W
Engine Extras: Atomic キャブレター
Transmission: T56 トレメック 6MT
Transmission Oil: Royal Purple Manual Transmission Fluid
Rear End Manufacturer: Detroit Speed
Rear End Type: Ford 9”
Drive Shaft: Dynotech
Differential Oil: Royal Purple
Differential Oil Weight: 75-90 W

■ステアリング系
Type: ラック&ピニオン
Manufacturer: Detroit Speed
Steering Column: IDIDIT
Power Steering Fluid: Royal Purple Power Steering Fluid

■インテリア
Seats: レカロ
Gauges: Classic Instruments
A/C System: Vintage Air, SureFit System

■ステレオシステム
Head Unit: ケンウッド
Speakers: JL - Audio
Amplifier: JL – Audio

■ホイール&タイヤ
Wheel Manufacturer/Model: HRE ホイールズ
Front Wheel Size: 18” X 9”
Rear Wheel Size: 19” X 11”
Tire Manufacturer/Model: Nitto タイヤ - Invo
Front Tire Size: 265/35/18 ZR
Rear Tire Size: 325/30/19 ZR

■エクステリア
Paint: Glasurit – 90 Line, a brand of BASF
Paint Color: フォードレースレッド
Paint Booth: Global Finishing Solutions - Ringbrothers Performer Booth
Tail light lens: Ringbrothers Machined

■燃料
Fuel Type: 93 Octane Gas
Fuel Pump: Aeromotive
Fuel Tank/Cell: Aeromotive
Fuel Management: Aeromotive
Fluids: Royal Purple

■ブレーキ
Front Manufacturer: ベアーブレーキ
Front Caliper Specs: 6S 14” Extreme
Rear Manufacturer: ベアーブレーキ
Rear Caliper Specs: 6S 14” Extreme

■電気系
Battery Location: Trunk Mounted
Battery Manufacturer: オプティマ

■排気系
Header Manufacturer: Ringbrothers Built
Header Details: 1 ½” primary tubes
Exhaust Manufacturer: Flowmaster/Hurst/B&M

■冷却系
Radiator: AFCO Custom Built
Fans: SPAL
Fluids: Royal Purple

■シャシー
Chassis: Detroit Speed

■サスペンション
Front Suspension Manufacturer: Detroit Speed Engineering
Front Suspension Type: Mustang Aluma-Frame
Rear Suspension Manufacturer: Detroit Speed Engineering
Rear Suspension Type: Mustang QUADRALink
Shock Manufacturer: JRI
Sway Bars: Detroit Speed Engineering


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