更新日:2021.05.07
文/林 剛直 (Takenao Hayashi) 写真/林 剛直 (Takenao Hayashi)
マスタングにおける『マッハ1』の位置づけは、1969年のデビュー以来少しも変わっていない。フラッグシップとして君臨する『シェルビー』と『GT』のギャップを埋めるV8エンジン搭載のハイパフォーマンスマシンだ。
独自のエアロダイナミクスボディを身に纏い、走りに特化したパッケージングがマッハ1の特徴である。
その血統は17年ぶりに復活した2021年モデルにもしっかりと受け継がれていた。まさにハンドリングマシンの名にふさわしく、現行の5リッターV8マスタングの中では最もサーキット走行に適した走りを披露し、フォードもその点にフォーカスしているのは明白だった。
エンジンは専用チューニングを施すことでGTに比べて20馬力ほどアップ。最高出力480ps@7000rpm、最大トルク420lb-ft@4600rpmを発揮する。
組み合わされるトランスミッションはシェルビーGT350譲りのトレメック製6速MTが標準。ちなみに今回の試乗車両は10速ATだったが、こちらもトルクコンバーターの改良やキャリブレーションの見直しにより、トルク特性とシフトタイミングを最適化、マッハ1独自の味付けが施されていた。
このように今年に入ってカタログから姿を消したシェルビーGT350に代わってラインナップされたマッハ1には、GT350の高機能パーツがふんだんに流用されているのが嬉しいところである。
その最たるがサスペンションであり、ノーマル、スポーツ、トラック(サーキット)、ドラッグの4つのモードを備えた最新のダンパーシステムは、シチュエーションに合わせてクルマの性格をガラリと変えてしまうほど効きがいい。
また、ブレーキの冷却にボディ下部にダクトを追加したり、エンジン&ミッションのクーリング機能をアップグレード、さらにGT500のリアアクスルクーラーやディフューザーを装備するなど、サーキットでの連続走行を視野に入れた装備も充実。ハンドリングマシンの名に恥じない仕上がりになっている。
マッハ1専用のファイタージェット・グレー・ペイントや、レトロな雰囲気のフェンダーロゴ、ボンネットとサイドに施されたマットカラーのストライプ、3Dメッシュのシャークノーズ・グリルなど往年のマッハ1へのオマージュがふんだんに盛り込まれているのもアメ車ファンを刺激するポイント。
あくまでも今だけの限定販売ということなので、歴史的1台を手にするなら急ぐべきだろう。
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