更新日:2024.11.06
文/田中 享(Tanaka Susumu) 写真/古閑章郎
あくまで個人的な評価であるが、C8はコンバーチブルに限ると思っている。というのもノーマルのC8で十分速すぎるから。なのでちょろちょろアクセルを踏み込みながら街中を走らせるなら風に当たりたい。
「であればルーフの取り外しが可能なノーマルクーペでいいじゃないか」とも言われそうだが、もちろんその通りではあるけれど、正直、手動での開閉が邪魔くさい。
だからコンバーチブル。ルーフの開閉もワンタッチで行える方がいいに決まっているし、C8レベルの価格帯に乗れる方々ならおそらくスマートに乗りたいはず。
実際、コンバーチブルはノーマルクーペ比で100kg程度車重が重くなっているが、試乗した限りでは体感上の違いはほとんど感じない。6.2リッターV8OHVエンジンはそれほどパワフルだし気持ちいい。
なので、昨年Z06がデビューしたが、速くて素晴らしいことはもう分かりきっているので試乗はしなかった。どうせ乗ってもその性能の二割も試せないだろうから(笑)
だが、今年デビューしたE-Rayに関しては、ちょっとばかり電気に興味があったので乗せていただいた。が、やはりモンスター級の速さであった!
なんとなくだが、アメ車に電気がプラスされていると軟弱に思えるかもしれない(笑)。実際、E-Rayだってアメリカ本国の各種規制をクリアするために生まれたものだろう。
だが、それは例えばジープラングラー4Xeのような後付け感があるわけではなく、C8が開発されていた時点から電気モーター搭載を想定して作られていただけに、ミッドシップ+電気モーターの組み合わせによって想像以上の走行性能を見せつける。
それによる0-100km/h直線加速は2.5秒を記録。また、旋回性能の向上及び4WDによる高速走行及び悪路走行の向上をもたらしている。
ちなみに、基本的な車体構成は、6.2リッターV8OHVエンジンを搭載したベースモデルに、フロントシングルモーターと1.9kWhのリチウムイオン電池が搭載されているのみ。ミッションの8段DCTにも変更はない。が、車重はベースモデル比で140kg重くなっている。
だが、その140kg増をものともしないフル加速時の加速感は圧倒的である。特にフロントの引っ張る感じが如実に伝わり、モーターと電気が織りなすダイレクト感にかなり驚く。
一方コーナリング時の走行フィーリングにも驚きを感じさせる。コーナー手前で減速し、グイッとステアリングを切り旋回を始めたところでアクセルを踏み込めば、そこから一気呵成にフロントモーターが動き始め強烈なフロント駆動で引っ張ってくれる。
ということで、もう少し詳しいインプレッションは下記動画を見て欲しいが、とにかく既存のベースモデルとは全く違う印象をE-Raysは与えてくれる。ある意味先進的なコルベットC8と断言していいだろう。
【主要諸元】
・車名:2024 シボレー コルベット E-Ray 3LZ
・ハンドル位置:右
・全長×全幅×全高:4,685×2,025×1,225mm
・ホイールベース:2,725mm
・トレッド:F/1,675mm、R/1,620mm
・車両重量:1,810kg
・乗車定員:2名
エンジン種類/形式:V型8気筒OHV / LT2
・総排気量:6,156cc
・最高出力:369kW(502PS)/6,450rpm
・最大トルク:637N-m(65.0kg-m)/5,150rpm
・使用燃料(ガソリン):無鉛プレミアム
・燃料タンク容量:70ℓ
モーター(電動機)形式:HP1
・容量:1.9kWh
・最高出力:119kW(162PS)/9,000rpm
・最大トルク:165N-m(16.8kg-m)/0-4,000rpm
・動力用主電池:リチウムイオンバッテリー
・駆動方式:全輪駆動
・トランスミッション:8速デュアルクラッチ
・最終減速比:5.170
・ステアrング形式:ラック&ピニオン式(電動倍力式)
・サスペンション(前・後):ダブルウイッシュボーン式
・ブレーキ(前・後):ベンチレーテッドディスク
・ブレーキ倍力装置:電動油圧倍力式
・駐車ブレーキ:機械式車輪制動形(電動)
・タイヤサイズ(前・後):275/30ZR20 (97Y)、345/25ZR21 (104Y)
メーカー希望小売価格:¥23,500,000
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