待ち合わせ場所に颯爽と現れたブルーメタリックのコルベットC3。オーナーの市川さんはこの81年型C3を1年半前に入手して以来、各部を好みにアレンジし、いついかなる時でも乗れる状態のC3に仕上げてきた。
聞けば、今年の夏も普通に乗れたし、当然エアコンも効くという。ただし、乗るときは常に工具箱持参(笑)ということだが、これまでの1年半で路上エンコは皆無であり、エンジンがかからなくなる等のトラブルも全くないという。
「みんなに驚かれますけど、至って普通に乗れますよ。今年の夏も普通に乗れてましたし、何ら気にすることなく乗れるので、やってませんが足として使うことも可能だと思います。ただし、雨の日は乗りません(笑)」
雨の日に乗らないのは乗れないのではなく、C3に与えるダメージ(汚れやサビ等)を気にしてのこと。当然、他の足車も所有している。
市川さんは、もともとローライダーにずっと乗っていたということで、古いアメ車への免疫があるという。が、キャデラックやリンカーンをベースにローライダーを楽しんでいた市川さんは、なぜ今C3なのか?
「昔からC3のボディラインにはずっと憧れを持っていました。なので、いつかはC3という思いを果たすべく1年半前に購入しました」
まずは自ら車両をネット検索し中古車市場に流通しているC3を片っ端からチェック。その際も基本ノーマルに近い車両をチェックし、エックラー等の激しいエアロ装着車やサイド出しマフラーの個体はすべてスルー。とにかくボディライン重視を貫いた。
そしてエンジン関連にすでに手が入ったブラックボディのC3と出会う。すぐさま購入し、そこからこれまでのローライダー時代に築いたツテをたどり、C3に、自分好みのアレンジをどんどん加えていく。
まずはブルートに持ち込み足回りをリフレッシュ。各種足回りのパーツをリニューアルし、同時に基本メンテナンスも加え仕上げていく。
パーツはアメリカの『コルベットセントラル』に直接コンタクトを取り自ら輸入。各種パーツ類やホイール、そしてインテリア、ライト系パーツ等を何度も輸入する。
ちなみに『コルベットセントラル』とは、コルベット系パーツを専門的に扱うアメリカのプロショップ。C1からC8に至るあらゆる(補修系パーツ等)が手に入る、歴代コルベットオーナーなら誰もが知るショップである。
その足回りのリニューアルに一ヶ月はかかったという。が、作業後の走りには見違えるほどの変化が現れた。
「とにかく驚くほどビタッとまっすぐ走るようになりました。以前は60キロくらいで不安定な状態でしたが、今は別格です。当然、ブレーキも良く効きますし、稚拙な言い方ですが、本当に普通のクルマになりました」
同時にエンジン関連の基本メンテナンスもブルートに依頼し、「それ以来、何かちょっとでも様子がおかしければすぐにブルートに持ち込んでいます」
エンジン、足回りがキマり、次に行ったのが内外装のアレンジ。市川さんは、昔からブルーの車両にずっと乗ってきたということで、C3のボディも当然ブルーにペイントするつもりでいた。
だが、そのブルーがなかなか決まらなかった。ブルーと言ってもメタリック、ソリッド、またはブルーの濃淡etc、とにかく色々あり過ぎる。しばらく悩んだ末に出した結論がご覧のブルーメタリック。
このブルー、ミニクーパーのエレクトリックブルーであるらしいのだが、筆者的には聞くまで純正色かと思っていた、そのくらいよく似合っている。
同時に内装を張り替え、こちらも外装色に近いブルーを基本色とし、シートのみツートーンカラーでアレンジ。
また、インテリアのフロアカーペットをすべて純正品で張り替え(パーツはすべてコルベットセントラル)、ステアリングやダッシュボード類もすべて新調した。
そして購入から1年半後の今、こうして撮影させてもらっている。見事なボディラインに発色の素晴らしいライトブルーメタリックが本当によく似合っている。
「ケバケバしいC3にする気は全くありませんでした。とにかくシンプルに。それでも目立つのがC3だと思います」
実は81年型とは市川さんの生まれ年。すなわち、「自分の生まれ年のクルマに乗りたい」というクルマ好きならではの夢を叶えるC3でもあったのだ。
ちなみに、ここまでの仕上げ費用は車体込みで約650万円という。
「自分の好みを反映させて650万円かけて仕上げた方がずっと楽しいと思っています。ですので、出来上がり品を650万円で買ったのとはまた違った満足感があります」
自分の生まれ年のC3を、自分の思うままにアレンジして仕上げた逸品には、妥協のない「こだわり」がいっぱい詰まっていた。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES