RETURN OF THE KING=「王様の帰還」と銘打たれたそれは、755hpのモンスター。チャレンジャーヘルキャットよりも車重にして約400キロ軽く、それでいて強烈なパワーを発生させるから、恐ろしく速い。
当然、金額的にも高価だから欧州スーパーカーに匹敵するくらいのハードルが必要だが、恐く日本に数台しか存在しないからその費用対効果は欧州スーパーカーを遥かに凌ぐ。
その名も2019年型コルベットZR1コンバーチブル。
まるで欧州スーパーカーのような刺々しいエアロダイナミックフォルムに、現最強エンジンを搭載するコルベット史上最強モデル。FRコルベットではもはや敵なしの存在だ。
ここ数カ月、業界中が次期コルベットC8の話題でもちきりであり、当然、本国アメリカでも同様な状況が見て取れるが、その一方で、コルベットC7自体には不運が続いていた。
当たり前といえば当たり前だろう。すでに一年以上前からミッドシップC8の情報がリークされ始めると、それと同期してC7の販売状況は横ばい、もしくは緩やかな下降線を辿ったのだ。みな、C8を待つようになったのは想像に難くないが、だが、そんな状況にもまったく微動だにしなかった存在。それがZR1だった。すなわち、ZR1の存在価値が認められていたという証拠である。
新型ミッドシップC8が登場しても、決して価値が揺るがないFR史上最強コルベット。現時点で約500hpのミッドシップC8ですら負かすことのできないFRコルベットの最終モデル。
ちなみに、このZR1の存在が認められた要因のひとつが、フォードGTが出したラップタイムを更新したことだった。単純にフォードGTよりも速いという実績が伴ったわけである。
ヴァージニア・インターナショナル・レーシングウェイを走った市販車ベースのZR1は、2分37秒25というラップタイムを叩き出した。このタイムは同コースを走ったフォードGTの2分38秒62を上回っており、このニュースが出たことでZR1の価値は一気に高まったのである。
そんな最強FRコルベットの最終モデルをスペースYOKOHAMAが直輸入した。ボディカラーはイエローのコンバーチブル(アメリカで一番人気のある組み合わせ)である。
このZR1に搭載されるエンジンは、6.2リッターLT5V8エンジンで755hp、最大トルク715lb-ftを発生させる。それに8速AT(7速MTもあり)が組み合わされる。
これは、Z06よりも100hpアップ、ノーマルクーペより300hpアップした驚異的なパワー数値である。
300hpって(笑)。ノーマルクーペには過去何度も試乗したことがあるが、それプラス300hpってどんだけ速いんだ? スペック表を見ただけでも、「チャレのヘルキャットレッドアイよりも余裕で速いだろうなあ」と想像できる。
なお、メーカー公表値は、ZR1クーペの最高速が340キロ超で、コンバーチブルも320キロを超える。さらに0~60マイルは3秒未満で走り、0~1/4マイル加速も10秒ちょい。しかも8速AT仕様である。
これらエンジンのパワーを引き立てるボディは、超攻撃的スタイルと空力効率を実現する。各エアロはカーボンで構成され、リアのウイングは二種類ある。スタンダードなローウイングとオプションのハイウイング。ローウイングでもZ06比で約60%高いダウンフォースを発生させるというから凄い(取材車はローウイング)。
足回りは、マグネティックライドコントロール含めたシャシー全体が見直され、ミシュランパイロットスーパースポーツカップ2タイヤと組み合わされる等、相当なチューンが加えられている。これらすべては755hpを制御するためである。
コンバーチブルは、ステアリング横のボタン操作ひとつで開閉可能。その操作は約20秒足らずで完了し、走行中も40キロ以下の速度なら開閉可能というから利便性も高い。
インテリア全体も、カーボンパーツで覆われ、雰囲気がレーシーな感じで満たされる。また手に触れる部分がすべてシャープな印象になっているのも、755hpマシンによく似合っている。
コルベットファンの多くがC8へ興味を持っているのは明白だろう。だが、FR最後の史上最強コルベットの価値は決して揺るがない。
この先、C8のパフォーマンスアップバージョンが登場したとしても、ZR1を追い越すのは至難の業だろうし、この先もZR1の価値はどんどん上がっていく可能性がある。しかもその最強コルベットの新車を日本で購入する最後のチャンスが残されているのだから、行くべきではないだろうか。
なお、スペースYOKOHAMA店は、最新車両を直輸入することで有名だが、それよりも最も同社を引き立たせるコピーが「全ての新車が同一とは限らない」というもの。簡単に言ってしまえば同じ新車ではあるが、それを輸入するショップが日本国内で販売する時点で、同じ状態の新車とは限らないという意味。
すなわち、船に乗り日本国内に着いて以降、チェックすべき項目が多数あり、そのチェック項目をすべて確認した上で納車されているということ。
たとえば、船積み期間一ヶ月中に、本国にてCPUの変更やミッションのデータ変更、およびその他リコール届けがあった場合にも、スペースYOKOHAMAでは日本国内で最終チェックして、すべての動作確認が行われている。
今や最新車両は、油脂類やタイヤ&ブレーキチェック程度で納車するなんてことは許されない。電子デバイスを駆使した各項目をすべてチェックしてから納車されるべきなのだ。
だから、そういった確認がなされていない場合、すでにその時点で「同じ新車レベルではない」ということなのである。
逆にいうと、どんな新車にも即応しているスペースYOKOHAMAは、だからこそ、他店ではあまり取り扱われないZR1のような車両から最新のシェルビーGT500、チャージャーヘルキャットワイドボディ等のパフォーマンスカーの販売が最速で行われているのである。
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