2019年から2020年にかけてのFCAはかなり賑やかなラインナップであった。チャレンジャーにスーパーストック、チャージャーにヘルキャットレッドアイ、そしてデュランゴにヘルキャットが登場し、ダッジラムトラックにヘルキャットエンジンを搭載したラム Rebel TRXのティーザーが公開された。
一方でその頃のフォードは、ブロンコファミリーがデビュー間近ということで、本国メディアにおいてはブロンコのティーザー情報が毎日のように報道されていた。
ブロンコは、2ドア、4ドア、ブロンコスポーツといった多彩なラインアップを揃え、走りはF150ラプター譲りというのだから、ラングラーのライバルとして販売シェアの奪い合いが起こることが予想された。当時のFCAにとっては、頭の痛い問題だったかもしれない。
だが、その頃のFCAはある意味イケイケだったのだろう。頭を抱えると同時に、一夜にしてブロンコ報道を終わらせる一手を打った。ボンネットフードに「392」バッジを装着したラングラーらしきイラストをティーザー公開したのである。
392とは、いわゆるチャレンジャー等に使用されている392エンジンか? とすると6.4リッターV8エンジンである!
ジープラングラーとV8エンジンという組み合わせは過去にはあった。が、1981年に幕を閉じた「CJ」以来V8エンジンを搭載したラングラーは存在していない。
それを登場させるという予告なのだろうか?
そのティーザー情報はまさしくブロンコ報道を一夜にして終了させ、その日からV8ラングラーを望む声が一気に高まった。
そしてそれから4ヶ月後、デビューが発表され、CJから約40年後の2021年に正式デビューを果たしたのである。その名もジープラングラー392。
その数年前からラングラーには直4ターボエンジンが搭載され、ラングラーにもダウンサイジングの波が訪れたと誰もが思ったに違いない。が、そんな中での392の登場である。
まさしくここ数十年のラングラーの概念を根底から覆す1台。夢にまで見たハードなラングラー。デビューのきっかけはブロンコ復活に間違いないが、それでも待望のラングラーといって過言ではないだろう。
搭載されるV8エンジンは6.4リッターV8で470hp、最大トルク470lb-ftを発生させる。メーカー公式発表によれば0-60mph加速を4.5秒、1/4マイルを13秒でこなす。なんとピークトルクの75%近くがアイドリング付近の回転数から得られるという。
同時に「トルクフライト8HP75」の8速トランスミッションを組み合わせて、オンロードとオフロードでのパフォーマンスの向上を実現。ステアリングにはラングラー初となるアルミ製のパドルシフトも装備されている。
ベースとなるのはルビコンであり、足回り等も大幅に強化される。強化アクスルや3.73のファイナルドライブ比、トランスミッショントルクコンバーターのロックアップコントロール、通常2リンチのリフトアップにアルミ製モノチューブのFOX製ダンパーを使用し、大径のマッドテレンタイヤを装備することで、パワーアップしたエンジンに対応。
同時にアプローチアングル、ブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルもそれぞれ向上しているから、悪路における走破性能も大幅にアップしているのである。
ベースとなっているルビコンのルーフには、スカイワンタッチパワートップを採用したモデルも登場し、V8エンジン+オープンエアの楽しさが簡単に得られる最高の1台である。
ラングラー392には、各部にブロンズカラーのバッジ類やアクセサリーが装備され、それらが最強ラングラーの証明となっている。
ということで取材車両は、スペースYOKOHAMAが直輸入した2023年型の最新車両である。Earl(アール)と呼ばれるボディカラーの392。
このアールは、2023年でSnazzberry(スナッズベリー)に取って代わって復活したボディカラーであり、原色のエメラルドグリーンのような美しいカラーが特徴。
ミリタリーグリーンとも言えそうだが、どちらかといえばもっと上品な印象を与えてくれる。が、エンジンを始動するとその思いは瞬時になくなってしまう。そう、迫力が違う! まさしくスーパースポーツのそれである。
くわえて取材車には、Xtreme Recon Packageが装備されており、35インチのオールテレーンタイヤに17インチのビードロック対応ホイールの組み合わせ、4.56:1アクスルレシオ、1.5インチリフトアップ、オリジナル強化ショックが装備されているから、ノーマル392によりもより一層ハードな印象を与えてくれる。
ということで、一目見てタイヤの大きさに驚き、エンジンを始動しその爆音に心ときめかせ、そして各部を見回してノーマルラングラーとは異なる各部の質感に、V8搭載ラングラーであることを実感するのである。
そしてもともと予定されてはいないボディに、大排気量V8エンジンを搭載するというところにアメ車ならではの醍醐味を感じるのである。
なお、この392を直輸入しているスペースYOKOHAMAでは、チャレンジャーヘルキャットのみならずラムTRXやデュランゴヘルキャット等の直輸入を多数行っており、当然そう言った最新車両に関する整備対応がなされているということだから、同じくFCA車両であるラングラー392も同じような対応が可能であり、整備に関する不安はないと断言できるのである。
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