TEST RIDE

[試乗記]

コンバーチブルこそ現代版チャレンジャーの理想型かも

2022 ダッジ チャレンジャーR/Tスキャットパック シェイカー ワイドボディ コンバーチブル

6.4リッターV8エンジン、ワイドボディ、シェイカーフード、そしてコンバーチブルの全部乗せ

「あったらいいな」と常々思っていたチャレンジャーのコンバーチブル。ついに実車の取材が可能になった。

更新日:2023.09.26

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/スペース YOKOHAMA TEL 0455300139 [ホームページ] [詳細情報]

もっと早く出ていれば大人気モデルになっていたかも

 2022年前半にステランティスから発表されたダッジチャレンジャーの生産終了。その時同時に発表されたのが、「ラストコール」と呼ばれる7台の限定モデルとコンバーチブルの登場である。

 要するに最後の最後にスペシャルモデルを登場させるというメーカーからの粋な計らいと言えるだろうか。

 で、今回取材したのがその時発表されたコンバーチブル。2022年型チャレンジャーR/Tスキャットパックシェイカーワイドボディコンバーチブルの新車である。

 輸入したのはスペシャルモデルを独自ルートで仕入れ輸入しているスペース横浜。実は別項で紹介するが上記ラストコールの限定スペシャルモデルも輸入しており、通常モデルのみならずスペシャルモデルの輸入に特に強いショップである。

▲2022年型ダッジチャレンジャーR/Tスキャットパックワイドボディシェイカーコンバーチブル。

▲モデル随一のカッコよさを誇るだけに、もっと早く出ていれば爆売れしていたかもしれない。だが、最後の最後にその姿が拝めただけでも良いのかもしれない。

 当然、社屋にはそれらモデルを整備できる最新電子デバイスを備えた整備工場とメカニックを有しており、全てを自社でまかなえるショップとして日本中のファンから支持されている。

 そんなスペース横浜が自社輸入したチャレンジャーのコンバーチブルは、6.4リッターV8エンジン、ワイドボディ、シェイカーフード、そしてコンバーチブルというチャレンジャーに欲しいあらゆる要素の全部乗せといった感じであり、理想型とも言える個体であった。

 まず、チャレンジャーのコンバーチブルであるが、これは本国ダッジのHPにて現地の人々が2022年からオーダー可能になっているが、ベースはドロップトップカスタムズと呼ばれるコーチビルダーが製作したもの。

▲独自ルートを持ちスペシャルモデルの輸入に強いスペース横浜。広大な敷地には自社工場があり、最新車両の整備を可能にするメカニックと最新機器を備えている。

▲6.4リッターV8エンジン、ワイドボディ、シェイカーフード、そしてコンバーチブルというチャレンジャーに欲しいあらゆる要素の全部乗せ仕様。

▲幌の開閉は電動であり、閉めた状態での耐候性も高いと思わせるだけの幌の質感が感じられる。電動の開閉は約15秒程度。

 具体的にいえば、オーダーが入るとダッジの車両工場から直接ドロップトップカスタムズに車両が送られ製作される。そして完成後にディーラーに戻されオーナーに納車されるという、いわゆるディーラーオプション的存在と言えるだろう。

 とはいえ、メーカーが完成モデルをチェックし認証を得たのち販売されているからその製造クオリティはお墨付き。ちなみにドロップトップカスタムズは創業46年のコンバーチブル製作メーカーであり、以前から各自動車メーカーのコンバーチブルをカスタマイズで製作するビルダーとして名を馳せていた。

 が、今回、改めてメーカーの認証を得たということで、彼らのカスタマイズ技術が認められたということである。

▲電動の幌はリアシートとトランクルームの間にうまく収納されるから、トランクルームもしっかりある。幌カバーはトランク内に仕舞われている。

▲本来はめ殺しになっているリアサイドウインドーは開閉が可能になっている。

▲幌に付くリアウインドーは熱線入りのガラスウインドー。

▲ボタン操作で開閉を行い、最後にレバーでロックするタイプ。

 ということで取材個体である。まず、コンバーチブル化にともなって、ルーフが切られている。そして通常はめ殺しになっているリアサイドウインドーの上下動を可能とし、リアシートとトランクスペースの間に幌を収納する。もちろん、幌は電動でありトランクスペースもちゃんとある。

 幌に付くリアウインドーは熱線入りのガラスウインドーだから耐候性もあり視認性も悪くない。幌の電動スイッチとリアサイドウインドーの電動スイッチは、ドライバーステアリング左側下に設置され、自動で開閉可能になる。幌の見た目の工作精度も非常に高い。

 当然ながら、ボディは補強されている。まずエンジンルーム内のフレーム部分とサスペンション取り付け部を繋ぐ補強バーを入れ、ボディ下面にも補強バーを張り巡らせガッチリ固めている。

▲開閉ボタンはドライバーステアリング左側下に設置され、開閉時はボタンを押したままにする。

▲基本クーぺと同様のインテリアを有する。

▲シートはコンバーチブルに合わせたトリムカラーが別で用意される。

▲シートヘッドレストには「ドロップトップカスタムズ」の刺繍が入る。

 早速、電動幌の開閉を行ってみる。幌の安っぽさは皆無だからそこにクオリティの問題は全く感じない。というか正直、他メーカーの純正コンバーチブルと遜色ないような、それほどの出来である。

 そして、いざ開け放ってみると驚くほどの開放感が現れる。現行型チャレンジャーはAピラーが短いチョップドルーフのようなデザイン的特徴を持っているから、ルーフを切ると当然だがフロントウインドーが短く開放感が半端ない=めちゃくちゃカッコイイ。

 くわえてそのまま車外に出て全体を眺めてみたが、現行型の(真横から見るとわかる)分厚いボディにもコンバーチブルがよく似合う。というか、現行型チャレンジャーにおけるベストモデルではないか、そんな風に感じるほど素敵な雰囲気である(もっと早く出していれば・・・)。

▲搭載されるエンジンは6.4リッターV8エンジンにシェイカーフードが装備される。

▲ご覧のように各部に補強がしっかり入っている。

▲ボディ下面にも当然補強が張り巡らされている。

 そしてそれが最後の最後に味わえるというのだから素晴らしい。くわえてそれを販売しているのがスペース横浜だというのも心強い。彼らにはメカニズムの適正化に対処可能な技術力があるからである。

 現行型チャレンジャーは、現代版マッスルカーとして世界中のメーカーに多大なる影響を与えた1台である。そしてその最大の特徴がデザインであり、パワーであり、メーカーも間違いなくそれを認識しているに違いない。だからこその「コンバーチブルとデーモン170」の登場なのだろう。

 こうなると、ワイドボディではなくナローボディのコンバーチブルが見たいとか、MT車のコンバーチブルに乗りたいとか、夢は膨らむばかりであるが、実際のところはそう簡単な話ではない。なんせ生産終了直前の最終モデルであるということを忘れてはならないのである。

▲フロントウインドーのピラー部分が短いことによるデザイン的な美しさと解放感が最大の特徴。

▲コンバーチブル化に伴ってリアウインドーの長さが変わり灯火類も移設されている。

▲アンテナ類も移設されている。

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