オーナーズマニュアルに即した整備によって保たれたコンディション

2019 ダッジチャレンジャーR/Tスキャットパックワイドボディ

実績あるショップでの中古車購入が肝となる

2019年型チャレンジャーの中古車を取材した。

中古車だからアフター整備が重要になる

　ダッジチャレンジャーの中古車はどこでも買えるかもしれない。だが、本国純正オーナーズマニュアルをベースにした整備によって保たれたコンディションのチャレンジャーを買える店はそう多くない。

　日本車にも一昔前までは新車に付帯されていたオーナーズマニュアル。今はネットにて情報が閲覧できるようになっているから付帯されていないかもしれないが、一昔前までは適度なページ数を持った操作や整備記録等を確認できるマニュアル指示書があったのだ。

　当然、ダッジチャレンジャーにも本国にてオーナーズマニュアルが付帯されており、そこには必須の整備情報が記されている。

▲2019年型チャレンジャーの中古車。走行約3.7万キロ。

▲ブラックカラーにワイドボディの組み合わせ。

　だが、それらは当然ながらアメリカの道を走る前提での指示書。だから、日本の道路事情を加味した整備を行う必要があるのだが、それらを知っているショップ、もしくは実際に実行している整備士は日本にあまりいない。

　例えばエンジンオイル。最近の本国オーナーズマニュアルにはオイル交換の指定距離が記されていない。それは車両メーター内で「オイルライフ」が確認できるから。その「オイルライフ」の数字が低くなれば交換するよう考えられている。

　しかし、アベカーズのメカニックに言わせれば、「それはあくまで目安です。『オイルライフ』の数字はエンジンオイルの性能劣化を直接感じているわけではありません。単純に走行距離に応じて算出されているに過ぎません」

　すなわち、『オイルライフ』の数字はあくまでアメリカの道を走ることを前提に算出されているから＝日本の道路事情や気候、そして日本的なチョイ乗り使用を加味すれば、当然ながらアメリカよりも日本の道路事情での方がオイル劣化が激しいと考えられる。よってそれなりの交換サイクルが必要になる。

▲アベカーズでは専用電子デバイスを使用した整備が可能になる。

▲オーナーズマニュアルを熟知したメカニックによる対応が可能。

▲オーナーズマニュアルには我々が知らないことがたくさん埋もれている。

▲アベカーズ多摩ガレージでは整備、パーツ、etc あらゆる対応が可能である。販売されている中古車にも万全の対応がなされている。

　また、ミッションオイルに関して言えば、精密機器であるがゆえに誰もが簡単に触れられない状況になっている。だから、一部では「交換の必要はない」という業者さんがいるらしいが、実際には否。

　厳密には、ミッションケースのオイルパンにはフィラープラグが存在しており、そこからオイルの状態を確認する必要がある＝オーナーズマニュアルに定期的なチェックの必要性が記載されている・・・。

　上記は一部に過ぎないが（実際にはまだまだ確認事項があるのだ）、要するに、アベカーズ多摩ガレージにおいては、こうした本国マニュアルに則った整備を行い、また本国整備にて必要とされる電子デバイスを用いた確認も行えるから、そうした整備状況の整った環境で売られている中古車には、そうではない販売店で売られている個体よりも絶対的に程度がいい。安心感もある。

　もちろん、仕入れるベース自体がまず良好であり、それをチャレンジャーを知るメカニックが確認＆整備をし、必要があればパーツ交換を行い納車するわけだから当たり前と言えば当たり前だろう。

▲搭載されるエンジンは6.4リッターV8。

▲インテリアの状態も想像以上に良い。

▲8速ATが組み合わされる。

▲パドルシフトによる操作も可能。

　今回取材した2019年型ダッジチャレンジャーR/Tスキャットパックワイドボディも、実際に走らせたが、エンジンの回りといいステアリングの反応といい、かなり良好な個体だと感じることができる。

　走行距離が約3.7万キロの個体であったが、その距離を全く感じさせることがなかったのには驚いた。タイヤの空気圧をも含め、個体の状態が徹底管理されているからだろう。

　一方、インテリアを確認すれば、運転席シートに若干の使用感が見られるものの、その他で気になる箇所はない。ちなみに、センターコンソールの中央モニターには日本製のナビがインストールされており、その使い勝手の良さが際立っていた。

　この車両の販売店であるアベカーズ多摩ガレージは、フォード認定サービスセンターであるからフォード車が中心と思っている方がいるかもしれないが、実際にはGMもフォードもダッジもUSトヨタも積極的に扱っており、それらすべての整備面での対応も可能であるから、フォード車のみという区切りは一切ない。

　逆に言えば、そう言ったディーラー系車両を扱うがために、「安かろう悪かろう」の個体を扱うことは決してない。だからダッジチャレンジャーを扱う場合は良好な車両のみ、という意味でもあるから、今回の個体もあえてアベカーズ多摩アレージが扱うだけの状態が備わっていたということでもある。

　2023年で生産終了となったチャレンジャーの中古車が、今、かなりの数流通しているという。それらの中には整備されずに売られた個体もあるから、そういう個体を掴まないためにも実績のあるショップでの購入が肝となるのである。

▲センターモニターにはタッチ式のナビゲーションがインストールされている。

▲純正ホイールの状態も上々。

▲シートにはさすがに使用感は見られるものの、状態は悪くない。

▲乗れば3.7万キロ走行しているような雰囲気は皆無。軽々走り、気持ち良く曲がる。

▲ワイドボディは直線では差を感じないがコーナリング時のグリップが格段にいい。