2018年に登場した新型リンカーンナビゲーターは、それ以前までの旧ナビゲーターとは比較にならないほどの進化を遂げている。
というか、実車を目の前にすると、旧ナビゲーターと結びつける部分はエンジンのみ。旧ナビゲーターには良い意味でのアメリカ的バタ臭さを感じるが、新ナビゲーターには別格の高級車然とした風格を感じる。ある意味、全く別の高級SUVと言っても良いほどの豪華さを誇る。
だから「本物のラグジュアリーSUV」が欲しいと思うのであれば、キャデラックエスカレードよりも相応しい気がするし、本当のお金持ちは、こういった高級車を足代わりに、デニム&Tシャツスタイルで乗りこなすのだろう。そのくらい別次元のオーラを放っている。
さて、この型のナビゲーターは2018年から2024年まで続き、デビュー当時から、二つのボディ、「ナビゲーター」と「ナビゲーターL」が存在している。
「L」とはロングの「L」であるから、ノーマルのナビゲーターに対してホイールベースが約30ミリ延長されているロングモデルで、考え方としては、GMのタホとサバーバンの関係性と同じ考え方である。
で、当時の「ナビゲーター」には「Standard」「Select」「Reserve」「Black Label」の4つのグレードがあり、「ナビゲーターL」には「Select L」「Reserve L」「Black Label L」の3つのグレードが存在していた。
今回取材した2019年型モデルは、ナビゲーターのロングモデルの最上級グレード「Black Label L」である。
ナビゲーターにおける注目はまさにこの「Black Label」であり、最高の贅沢を提供するグレードとして存在していたのである。
アメリカ本国では納車時にコンシェルジュが付いたということだから、そのレベルの価値観を共有できる方々に乗ってもらいたいとの意向が当時のリンカーン側にあったのだろう。実車を見ても、その意味がハッキリと理解できる。
なんと、この「Black Label」には当時3つのインテリア内容が存在、「ヨットクラブ」「ディスティネーション」「シャレー」と呼ばれ、それぞれのコンセプトで構築された豪華絢爛なインテリアが与えられているのだ。
今回取材した「ヨットクラブ」は、穏やかな夏の海と優しいそよ風をイメージしたブルーのレザーシートにホワイトアクセントが施された、その名の通り高級ヨットもしくはヨットクラブをイメージさせるインテリア。
足を踏み入れるのがはばかられるほどお洒落な空間であり、「らしく作ったまがい物」的な印象は皆無。銀座の一流ブランド店が醸し出すあの雰囲気によく似ている。
しかも、インテリア各部のデザインがこれまた素晴らしく、機能面も充実しており、さらに手に触れる各部の質感や操作性の良さも完璧。
たとえばキャデラックエスカレードがナビゲーターのライバルだとすれば、その当時のレベルで「Black Label」に太刀打ちできたグレードはエスカレードには存在していない。
その当時のエスカレードにある高級感とは旧時代のリンカーン同様アメリカ的バタ臭さが伴った、これまでの延長線上にある高級感(もちろんそのアメリカ的高級感が好きな方も多くいるのは理解できる)。
一方でナビゲーター「Black Label」のそれは、全世界に共通するイマドキのラグジュアリーさを具現化した感じである。
そんなナビゲーターは、メカニズムの方でも充実の装備を見せる。搭載されるエンジンは、3.5リッターV6ツインターボ。450hp、最大トルク510lb-ftを発生させ、10速ATと組み合わされる。
また、ボディ外版にはアルミが多用され軽量化に寄与しているから、この点でも当時のライバル車に対して約100kg程度の車重の軽減がなされている。
総じて、排気量を3.5リッターへダウンサイジングさせ燃費効率を求める一方で、ボディを軽くし10速ATを採用して、ダウンサイジングエンジンのメリットを一層高める工夫を行っていたのである。
にもかかわらず450hpのツインターボV6で、既存のV8エンジン以上のパフォーマンスを発揮させるわけだから、それこそキャデラックエスカレードが「古い」と言われてしまうのもうなずけるのである。
ということで、取材個体。2019年型リンカーンナビゲーターLの中古車。走行2.9万キロの個体。ボディカラーはクロマブルークリスタルで、インテリアがヨットクラブ。
新車並行で日本に上陸し、その後名だたるショップで整備を受けながら大切に使われていた個体=内外装に距離を感じさせるヤレがほぼなく、ドライバーズシートに若干使用感が見られるものの、それ以外に気になる部分は全くない。
またボディカラーとコーディネートされたかのようなブルーのインテリアがとにかく素敵で、2019年型の中古車であっても満足感は非常に高い。
実際に走っても、大人7人乗車を可能にするフルサイズボディを軽々走らせ、その際の静粛性は非常に高く、当然ながら異音騒音の類は一切なく、高級SUVたる鷹揚とした走りを実現する。
聞けば、この型のナビゲーターは、デビュー1年後にコロナ禍に陥った経緯もあり、日本への上陸が非常に少ないモデル。それ以前のナビゲーターは一時期ディーラー車になっていたこともあり、街中で見かける機会も非常に多かったが、この型を見かけることは少ない。
よって非常にレアな個体とも言えるが、販売しているショップがフォード認定サービスセンターであるアベカーズ多摩ガレージであるから、専用工具や電子デバイスを使用したメンテナンスやパーツ供給に関する不安を一切感じることなく乗れるというのが心強い。
本物の高級車として生まれ変わったナビゲーターに乗れるチャンスはそう多くはないだけに、狙っている方にとっては最大のチャンスと言えるだろう。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES