TEST RIDE

[試乗記]

97年から乗り続けるオーナーカー

1992 シボレーコルベット C4

長く乗ることで自製の「旧車」を作り上げる

もはや「旧車」というレベルの30年前のコルベットC4を取材した。

更新日:2024.09.09

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

長く乗り続けて自製の「旧車」を作り上げた

 現在の世の中的なクルマ志向は三分割かもしれない。最新車両、EV、そして旧車である。

 最新車両は諸々の理由で結構バカ高くなってはいるが売れ行きは止まっていない。そしてEVへ興味を持つ方も意外に多い。テスラなんかは最新モデルを出すたびに売れまくり、つい最近では中国製EVメーカーBYDの日本上陸が伝えられている。

 そんな中で、最大ボリュームゾーンと言われているのが旧車である。youtubeを見てもわかるが、旧車系動画の数は圧倒的に多く、国籍、メーカー問わず様々なジャンルの旧車が取り上げられている。

 個人的には、旧車のデザインに多くの方が共感されている、というのが最大の理由ではないかと考えている。

 現代の最新車両からは得られない圧倒的カッコ良さ。恐らくだが、トラブルもあるだろう。そして費用もかかるだろう。だが、それ以上に得られる満足感が、多くの人々を旧車へと導くのかもしれない。

▲C4コルベットは1984年に登場。それまでのC3と比べ、スタイリングを一新すると同時に「運動性能とハンドリングの向上」という目標を掲げ、世界に通用するスポーツカーを目指していた。

▲このリアスタイルとテールランプに憧れたものである。とにかく美しい。

 で、そんな旧車の範疇に含まれるであろう個体の取材。1992年型コルベットC4。すでに30年以上前の車両である。

 だが、全くの現役。もちろん若干のメンテナンスが必要な時期はあったものの、今まさに継続車検が取得され、今後もまだまだ走る予定という。

 ちなみに、このオーナーさんはこのC4コルベットを5年落ちの97年に購入されている。もともとはブラックのボディカラーの並行輸入モデルであった。が、当時から信頼できるプロショップが都内にあることを知っており、それを加味して購入されたという。

 それ以来、メンテナンスしながら乗り続け、適度に手を入れつつ、購入時のノーマル状態を維持していった。

 それから大きなトラブルもなく10数年が経過。時にマフラーを換えたがうるさくて家族に不評だったためにノーマルに戻し、また再び他メーカー品に換えたりもした。

 時に乗り換えも検討。さすがに10年以上乗ると飽きる。だが乗り換えるべきクルマが見当たらず。ならば、ということでホイールを交換。18インチのアメリカンレーシングが輝く。

▲このボディラインこそがC4コルベットの真骨頂。今見ても非常に美しい。

▲大きなトラブルもなく好調を維持しているエンジンもC4の魅力のひとつ。アメ車らしい低速トルクが武器の5.7リッターV8。300hp
程度のパワーだが最新のアメ車にはないV8らしい息吹や振動も魅力的である。

▲今見ると意外に小さいというのが驚きポイント。当時学生の頃はまるでスーパーカーのようなイメージであり存在だった。

▲そして憧れのリトラクタブルヘッドライト。C5コルベットまで続いたライトシステムだが、これもスポーツカー好きの憧れのアイテムであった。

 メッキがキラキラ光りアメリカ的な雰囲気になったが、同時にホイール内がよく見えるようになりブレーキのもの足りなさが気になるものの、頭の片隅では乗り換えを模索している自分もいるからあまりお金をかける気にもならず。

 そんな時にレーストラックの高橋氏からひと言。2013年のことである。「C5ならまだ手に入るけど、C4はもう手に入らないよ。少なくともこれだけの個体はさ。それにこのクルマには、かれこれ15年以上、君が手をかけてきた歴史と価値が備わってるわけだしね」

 たしかにC4が嫌いになったわけではないし、降りることを決意させるほどの大きなトラブルや出費があるわけではなかった。が、かといって新しく乗りたいアメ車があるわけでもない。何かいいのないかな? と思う程度の気持ちがあるだけ。

 ということで、考え抜いた末に出した結論がC4のイメージチェンジだった。オールペンとブレーキチューン。オールペンに関しては、昔から好みだったブルー系にペイントし、ブレーキには大型キャリパーとローターをセット。

 ブルーは日の光によって輝きが異なるダークブルーをチョイス。ブルーにも見えるが角度によってはナス紺のようにも見えるようなカラーでオーダーし、ブレーキにはアルコンベアーの6ポッドと穴開きスリットローターを装備することにしたのである。

▲もともとブラックだったがイメージチェンジを狙ってオールペンを施工。ブルー好きのオーナーさんならではの美しいブルーメタリック。まるで純正色のような収まり具合が素敵だった。

▲年代モノ車両へのホイールセレクトは案外難しいが、このC4に装着した18インチのアメリカンレーシングは、古さと新しさを上手くマッチさせ、いい塩梅に収まっている。

▲18インチホイール内にはアルコンベアー製の6ポッドブレーキキャリパーとローターがセットされている。ホイールも含めメカニカルな感じがC4のスポーツ性にマッチしている。

 まずブレーキだが、18インチホイールに収まった大径ブレーキのメカニカルな感じが、ちょっと古めのボディに良い刺激を与え、雰囲気がガラリと変わったという。

 それにスポーツカーとしてはブレーキに余裕があった方がいいに決まっているし、最新スポーツカーのような凄みも加わり、とにかくホイールとのマッチングが最高である。

 一方、ブルーのボディも、まるでC4の純正色にあったかのようなブルーメタリックの雰囲気を醸し出し、いじってはいるが、ノーマル状態とうまくミックスさせていて、全体のバランスや雰囲気を壊していないのがいい。正直、話を聞くまでは純正色かと思い込んでいたほどだった。

 「実物を見ると分かるんだけど、横から見てボディ上部と下部とでは、見える色が異なるんですよ。上はブルーに見えて、下は紺とか黒に見える。けど真後ろからみると上下ともブルーに見える。小さいことだけど、変化を加えてるんですね。でもそれでいてちゃんとC4のままでしょ(笑)」

 そういった細かいコダワリのなか作られたC4ではあるが、筆者として一番気に入ったのが、C4らしさを失っていないこと。

 過去に見たC4は、エグいエアロを装着してC4特有のボディラインを消してしまっているクルマが多かった。C4の良さは何といってもそのボディラインの美しさに尽きる。コルベットらしさを残しつつも(C3テイストも残る)、欧州車テイストを盛り込んだ絶妙なライン。でも明らかにコルベットであると主張するデザイン。

 けれど、エアロを付けることですべて台無しじゃないかと。それにホイールのセレクトも、モノによってはかなりのイメージダウンをもたらすものがあるから難しい。

▲全体的にプラスチッキーなインテリアではあるが、コックピットと呼ぶに相応しいタイトな空間や各種造形(デジタルメーターや手前のボタンスイッチ)が魅力的。

▲懐かしいデジタルとアナログが融合したメーター。すべて動作確認済。

▲センターコンソールの質感はプラスチッキーそのものだが、造形は魅力的。

▲年輪が刻まれたレザーシート。一見するとシワシワということになるのだろうが、オーナーさんにとっては愛車の証ともなるのだろう。

 だが、今回のオーナーカーは絶妙なアレンジによって輝きが増している。C4のボディラインを維持していたことが絶対な勝因であると思う。

 過去に酷いC4に何度も乗った経験があるが、このC4の状態の良さが明確に伝わってきた。何より乗り心地に角がなく、すべてにおいてスムーズ極まりない印象だったのには驚いた。逆に、こういう風に維持できるんだな、と勉強にもなった。さすがはレーストラック。

 長く乗ってきた愛車に飽きが来たら、次なる愛車に乗り換えることはもちろんありだが、こうしたひと手間を加えることで愛車の魅力を再確認することもまたステキな話である。しかもその愛車が歴史的名車であるならば、なおのことである。

 最後にひとつ。現代の交通事情を加味すれば、C4のV8エンジンでも十分に対応出来るし、逆に「このくらいが面白い」。使い切れるパワー感がそう感じさせるのだろう。

 そしてある意味最高のデザイン。とにかくめちゃくちゃカッコイイ。しかも誰が見ても「凄いクルマらしい」という想像が可能なオーラがある。

 で、最後に、非常に羨ましい。当時はそれなりのスポーツカーだったのだろうが、長く乗り続けたことで自製の「旧車」が誕生している。そこは誰も真似できない領域であるから今後も大切にして欲しい。

▲まるでゴーカート的とも表せるC4の走り。最新のスポーツカーのような速さはないが、一般公道でも十分に楽しい魅力がいっぱいである。自製の旧車ではあるが、これをいつかフルオーバーホールして再生するのも、夢のような話ではあるが、可能だろう。

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