初代ダッジ・デュランゴがデビューしたのは1998年。ピックアップトラックのダッジ・ダコタをベースに「フルサイズの性能を発揮するミドルサイズSUV」という基本コンセプトで開発されたモデルであった。全長×全幅×全高が=4916×1816×1828(mm)という比較的コンパクトなボディサイズでありながら、3列シートを備え、パワフルな5.2リッター/5.9リッターのV8OHVマグナムエンジンを搭載(3.9リッターV6の設定もあり)するという、当時としては斬新なパッケージングを採用したデュランゴは、アメリカで瞬く間にベストセラーなり、日本へも数多くの車両が並行輸入されたのでご記憶の方も多いと思う。
ダッジ・デュランゴの2代目は2003年に2004年モデルとしてデビュー。シャシーを新設計して生まれ変わった2代目デュランゴのボディサイズは、全長×全幅×全高=5130×1930×1870(mm)。初代よりも一回り以上大型化し、フルサイズに近い堂々たるボディサイズとなった。搭載されたエンジンは3.7リッターV6、4.7リッターV8マグナム、5.7リッターV8ヘミの3種類。
初代デュランゴの特徴のひとつはコンパクトなボディサイズにあったが、それは同時にサードシート乗車時の窮屈さやカーゴスペースの狭さといった弱点ともなっており、2代目ではボディサイズを大型化することでこの初代の弱点を解消。同時に足回りをリーフスプリングからライブアクスル方式に変更するなど、乗り心地も乗用車ライクに改善した結果、SUVとしての完成度は格段に向上。フォード・エクスペディションやシボレー・タホといった他社のフルサイズSUVとも真っ向勝負できるほどの車格となった。
しかし、このフルモデルチェンジに関しては、当時はユーザーの間でも評論家の間でも賛否両論といった感じで、とくに初代デュランゴのファンの間では「大型化したことでデュランゴのアイデンティティが失われた」といった厳しい意見も多かった。要するにSUVとしての完成度を向上させた結果、初代が持っていた独特の魅力がスポイルされてしまったというわけだ。もっともこれに関しては、例えばエクスプローラー、エクスペディション、エクスカージョンといった具合に車各に応じたモデルをラインナップしていたフォードや、同じくS10ブレイザー、トレイルブレイザー、タホ、サバーバンを有していたシボレーなどと違い、デュランゴ1車種で全てを網羅しなければならなかったダッジとしては致し方のない選択であり、メーカー的には想定の範囲内だったのかもしれない。
現行3代目デュランゴのボディサイズは、全長×全幅×全高=5075×1925×1818(mm)。初代よりも大きいが、2代目よりはやや小振りといった感じで、アメリカ的にはフルサイズに近いミッドサイズだが、日本の感覚で言えば十分に大型SUVといった感じだろう。車内空間についてはボディサイズの違いに比例する感じで、初代よりも明らかに余裕があるが、空間自体の広さは2代目の方がやや広いといった印象を受ける。ただし、同じクライスラーグループでシャシーを共有するジープ・グランドチェロキーに比べれば明らかに広くて余裕がある印象だ。
搭載されるエンジンは、5.7リッターV8ヘミと3.6リッターV6ペンタスターの2種類。V8の方は最大パワーが360HP/5150rpm、最大トルクが390lb-ft/4250rpm。V6は290HP/6400rpm、最大トルクが260lb-ft/4800rpm。エンジンスペック的にはV8もV6も歴代デュランゴとしては最強で、大柄なボディにも関らずV6エンジンでもパワー的な不満は全く感じないレベルである。
初代当時のアメリカンV8エンジンは最大パワー&最大トルクの発生回転数が非常に低いので、出足や低速域に限定すれば初代モデルが最もパワフルな感じを受けるかもしれないが、実際に走らせてみれば速さの違いは歴然だろう。
以上、少し長くなってしまったが初代モデルから現行モデルまでの基本データを振り返ってみた。次ページからがいよいよ試乗インプレッションとなる。↓
2011年型 ダッジ デュランゴ 試乗リポート Part2
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