1964年中盤にデビューした初代マスタングが大ヒット、それにカマロも加わってポニーカーブームが巻き起こったのが60年代のアメリカ。
その勢いは増すばかりで、1970年になるとマスタングやカマロは第二世代に突入する。そんなポニーカー市場に後発として参入したのがダッジチャレンジャーである。
だが、デビューした1970年こそある程度の販売台数を記録したものの、実は当時すでに排ガス規制やオイルショック等により市場は縮小傾向にあった。すなわち、販売に関しては遅きに失した感が強く、我々が想像するほどの販売成果は残せなかったのが当時のチャレンジャーなのだ。
それが証拠に、1970年にデビューした5年後の1974年で初代モデルは生産終了している! だから我々の記憶に残っているのは1970年と1971年のたった2年のみだ。
そんなチャレンジャーの伝説的存在がコンバーチブル。当時の生産台数が100台とも200台とも言われている「超絶レア」な存在である。
▲2023年型チャレンジャーのコンバーチブル。ラストコールの新車である。
▲コンバーチブル化のスタイルは絶妙。コンバーチブル化に伴ってリアウイングの長さが変わり灯火類も移設されている。
2008年、現代版チャレンジャーが復活。当時の繁栄は上記の通りたったの2年だったが、現代版チャレンジャーは15年間存在し、2023年に生産終了している。
で、その現代版チャレンジャーの最後の2年間のみ、コンバーチブルが販売された。正確にはディーラーオプションとしてコンバーチブルが設定され、製作はドロップトップカスタムズであったがメーカー純正品として発売される。
それ以前から現代版チャレンジャーのコンバーチブルは熱望されていたが販売されることはなく、最後の最後になって「やっと実現した」という感じだった。
だが、その完成形は恐ろしくカッコイイ。まさに理想形とも言えるだろう。特にボディ全体のサイズ感に対するフロントウインドーの短さが最高。くわえてメーカー純正のコンバーチブルであり、最後の最後に出たレア感も素敵である。
しかも各部の工作精度が高いから、セカンドカーとしてではなく、ファーストカーとしても十分に役割を果たすはず。
▲幌の開閉は電動であり、閉めた状態での耐候性も高いと思わせるだけの幌の質感が感じられる。電動の開閉は約15秒程度。
▲幌を閉じた状態でのスタイルも悪くない。
▲リアウインドーは熱線入りのガラスウインドー。
▲幌を収納するためのスペース確保のためにリアトランクが若干縮小されている。が、ご覧の通り幌は綺麗に収納されている。
というような流れを持って現車。2023年型R/Tスキャットパックのコンバーチブル。もちろん新車である。
2023年だから車体は「ラストコール」。そのR/Tスキャットパックのノーマルボディをコンバーチブル化。以前取材した時はワイドボディであったが、今回はノーマルナローボディベース。
だから率直に過去のチャレンジャーを復刻した現代版チャレンジャーにおける一番オーソドックスなボディのコンバーチブルだけに、余計に馴染んでいるしカッコイイ。ワイドボディだとパフォーマンスカーの醍醐味を感じるが、ナローボディであればちょっと懐かしさを感じさせる絶妙な雰囲気を発する。
ちなみに、ルーフを切り落としたコンバーチブルではあるが、エンジンルーム内のフレーム部分とサスペンション取り付け部を繋ぐ補強バーを入れ、ボディ下面にも補強バーを張り巡らせガッチリ固められているから機能性が失われていることはほとんどない。
また、幌は電動式で、リアウインドーは熱線入りのガラスウインドーだから耐候性もあり視認性も悪くない=カマロやマスタングと同等レベルのコンバーチブル化がなされている。
そして搭載されるエンジンが6.4リッターV8だから、オープンにして走れば大排気量V8の咆哮をダイレクトに感じることになり、かつ開放感抜群で、めちゃくちゃ楽しいこと間違いない。
▲本来、はめ殺しになっているリアサイドウインドーは上下動が可能になっている。
▲開閉ボタンはドライバーステアリング左側下に設置され、開閉時はボタンを押したままにする。
▲ご覧の開放感。リア2座シートのスペースはマスタング以上の広さがある。
▲2023年最終モデルを表す「ラストコール」プレートが貼られている。
本来なら、コンバーチブルはとっくの昔に発売が始まり、多くの個体が日米両国に存在していたはずである。
だが、現代版チャレンジャーは、その方向性を「パワー」に向けて生産を続けたために、デーモンやヘルキャット、レッドアイを登場させるに至った。が、一方で、そのためにコンバーチブルが後回しにされてきたという経緯がある。
よって、最後の2年間のみ発売が開始されたが、実際にはさほど多くの個体が生産されたという記録はない。すなわち、「超レア」というのは昔と変わらず、この個体を所有することができる方は超絶ラッキーな方と言えるのである。
なお、この車両を販売しているベルエアーは、昨年ワイドボディのコンバーチブルを販売しており、それ以外にも多くのチャレンジャーの新車の販売を行っているショップであるから、整備等のアフターフォローに心配する必要は全くないのである。
▲搭載されるエンジンは6.4リッターV8エンジン。剛性確保のためにタワーバーが装備されている。
▲ボディ下面にも補強が張り巡らされている。
▲インテリアはノーマルモデルに準じるデザイン。
▲フロントウインドーのピラー部分が短いことによるデザイン的な美しさが最大の特徴。
3,300円
OTHERS
ウエストクラブインターナショナル
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