まずはQX80について少々。もともとは2004年に北米専用車としてデビューしたQX56というフルサイズSUVがあり、それが2010年に二代目にフルモデルチェンジ、そして2014年にさらにフルモデルチェンジを行い、その時点で車名をQX80へと変更している。
よってQX80自体は2014年からであるからまだまだ名前の浸透が浅いかもしれないが、すでにインフィニティブランドのトップモデルに君臨し、その内容も他ブランドのSUVに全く劣らない。
ちなみに2014年に登場したQX80は、2018年にマイナーチェンジを受け2023年まで存在。そして2024年に再びフルモデルチェンジを行い全面改良を果たしている。
で、デビュー当時からQX80はキャデラックエスカレード、リンカーンナビゲーター、レクサスLX、レンジローバー etc を仮想敵とするフルサイズSUVであり、5.6リッターV8を7速ATで駆動する堂々たる存在であった。
▲「Artistry in Motion(アーティストリー・イン・モーション)」を体現したデザイン。
▲さざ波にきらめく光の反射を模したテールライト。スモーク仕上げになっており、300個を超えるLEDが用いられている。
くわえてもう一つの特徴が、デザイン&製作が日本の九州工場で行われており(初代QX56のみアメリカ製造)、随所に日本的なアプローチが見られたことである。
特に、他ブランドがアメリカ的バタ臭さを演出するインテリアデザインにおいて、QXは高級ブランド的モダンテイストを盛り込むことによって独自性をアピール。どちらかと言えば欧州的な雰囲気が魅力を増していたのである。
そんなQX80が2024年にフルモデルチェンジを行い全面改良を行っている。
最大のトピックスは、従来比で横剛性を58%向上したフレームボディを採用していること、また旧時代のV8エンジンを廃止し、3.5リッターV6ツインターボエンジンに9速ATを組み合わせたことだろう。
この3.5リッターV6ツインターボエンジンはVR35DDTTと呼ばれ、GTRやフェアレディZに搭載されるVRシリーズの一翼を担うエンジン。
それにギアレシオを従来比で40%拡大した9段ATを組み合わせることによって、優れたレスポンスと高い燃費性能を実現する。
▲搭載されるエンジンは3.5リッターV6ツインターボで450ps、最大トルク516ft-lbを発生させる。
▲14.3インチディスプレイが二つ組み合わされたインテリア。極上のフィーリングが味わえる。
▲メーター類は視認性が重視され、情報量も極力減らしている。
このエンジンとミッション、そしてフレームを組み合わせ、さらにねじり剛性を300%向上させた電動パワーステアリングラック、走行シーンに合わせて車高調整が行える電子式エアサスペンション、車両の動きに合わせ電子制御でダンパーの減衰力を自動調整するダイナミックデジタルサスペンション等の採用によって高次元の走りを可能にし、また高度な運転支援技術の搭載を可能としている。
それがインフィニティとしては初となる、高速道路上でのハンズオフドライブを可能とする「プロパイロットアシスト2.1」である。
一方、ボディデザインやインテリアにも独自性のアピールを怠らない。エクステリアデザインは「Artistry in Motion」を体現し、車体の前面にインフィニティを象徴した新デザインシグニチャーのダブルアーチグリルとイルミネーション3Dエンブレムを採用。
インテリジェントキーを持ってクルマに近づくとフラッシュドアハンドルが自動的に出現し、フロントのINFINITIエンブレムやヘッドライトのLED点灯によって乗員を迎える「INFINITI Light Path」によって日本流のおもてなしを表現しているという。
▲世界初の技術となる「フロントワイドビュー」、フード部分が透過して前方を確認できる「インビジブルフードビュー」、フロントカメラの映像を写真やビデオとして記録しSNS等にシェアできる「ジャーニーダイアリー」機能などのカメラ技術を搭載する。
▲センターコンソール下部に位置する9インチのタッチスクリーン、その下にATの操作ボタンが配置される。
▲9速ATはステアリング裏にあるパドルにて操作可能。
インテリアにはダッシュボード上に2つの14.3インチのディスプレイを搭載し、最新のインフィニティ・イン・タッチシステムにはGoogle built-inにより、Google MapやGoogle Play、Google Assistantなどが利用できる。センターディスプレイの下部にある9インチのタッチスクリーンでは、空調機能や運転モードの操作が行える。
また、セグメント初のテクノロジーである「バイオメトリック クーリング」は、天井に組み込まれた赤外線センサーが乗員の体温を検知し、温度と風量を調節して2列目を快適な温度に保つという。
さらに、世界初の技術となる「フロントワイドビュー」は、車体前方側面の様子を2つの14.3インチディスプレイに表示する技術であり、フード部分が透過して前方を確認できる「インビジブルフードビュー」やフロントカメラの映像を写真やビデオとして記録しSNS等にシェアできる「ジャーニーダイアリー」機能などのカメラ技術を搭載する。
その他、ダッシュボードとドアに埋め込まれた64色から選べるアンビエントライトやフルサイズのラグジュアリーSUVセグメントでは初となる「クリプシュプレミアムオーディオシステム」も搭載されているなど、満載装備である。
ちなみにグレードは現状下記4グレードとなり、AUTOGRAPHが最上級モデルとなる。
◼︎QX80 PURE (RWD)/(4WD)
◼︎QX80 LUXE (RWD)/(4WD)
◼︎QX80 SENSORY (4WD)
◼︎QX80 AUTOGRAPH(4WD)
▲動きのある芸術と題したデザインの特徴となる竹林をイメージしたフロントメッシュグリル。
▲インテリジェントキーを持ってクルマに近づくとフラッシュドアハンドルが自動的に出現する。
▲275-50R/22インチタイヤを履きこなす。
ということで2025年型の新車、最上級グレードとなるAUTOGRAPHである。この車両は、旧QX56時代から積極的にインフィニティを直輸入しているベルエアーの販売車両であり、入荷したての最新2025年モデル。
ブラックのボディにバーガンディカラーのレザーシートが奢られた高級感漂うモデルである。
直前に2024年までのリンカーンナビゲーターを取材していたからその違いが鮮明に伝わり、インフィニティが持つ高級感がアメリカ的というよりはヨーロッパ的な雰囲気を漂わすことを明確に理解する。
ナビゲーターの煌びやかな雰囲気もかなり素敵だが、インフィニティのシックな高級感を好む方も多くいるに違いない。余談だが、ナビゲーターも2025年にフルモデルチェンジを行っているが、煌びやかな雰囲気は継承されている。
全面ブラックのボディカラーとシャープなデザインから鈍重な雰囲気は一切感じず、アスリート的雰囲気を発し、恐らく走らせればかなりの走りを実現することも伝わって来る。
▲ブラックとバーガンディのコンビレザーシート。ホールド性はもとより、シート自体の作りが最高レベル。
▲セグメント初のテクノロジーである「バイオメトリック クーリング」は、天井に組み込まれた赤外線センサーが乗員の体温を検知し、温度と風量を調節して2列目を快適な温度に保つという。
▲使える3列目シートを実現する。
インテリアのデジタルコックピットには他車で見慣れた感もあったが、全てにおいてシンプルにまとめられているのが特徴的であり、メーター表示も非常にシンプルかつ機能的にまとめられていた。
くわえてバーガンディカラーのレザーシートを含むインテリア全体の雰囲気が非常にオシャレ(陳腐な表現で申し訳ないが)であり、本当のお金持ちにしか乗りこなせないな、というような拒絶感を感じたというか、身の程を知ったというか・・・(笑)。とにかくレベルが違うほどの洗練性と高級感を感じたのである。
なお、この車両を販売しているベルエアーでは、初代QX56の頃からインフィニティを販売しており、また北米ニッサンやトヨタ、ホンダ、スバルといった逆輸入車を今なお継続販売しているから、膨大なノウハウを持ったショップと言える。
くわえて「欲しければ輸入しますよ」といった輸入代行ショップとは異なり、実車をちゃんと確認することが可能であるから、その点においても安心感が高いと言えるのである。
▲フルサイズならではの荷室容量。
▲2列目3列目シートはスイッチにてワンタッチ収納が可能
TEST RIDE
BUBU / ミツオカ
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES
35,530円
EXTERIOR
6DEGREES
8,151円
MAINTENANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES