キャブレターとは、電気が正常でスターターが回り、燃料系パーツの動作によりガソリンがエンジンまで到達し、エンジン内部でそのガソリンが点火系パーツによってスパークし燃焼を起し爆発するという一連の過程のなかで、エンジン内部へのガソリン供給の調整を行うパーツである。
すなわち、ガソリンと空気の割合を調整するシステムであり、ガソリンがエンジンに到達しプラグからきちんと火花が飛んでいても、この混合気の濃度が適切でなければ、適切な爆発が起こらない。よって非常に重要なパーツ。
くわえて、日本には四季があり外気温の高低差が激しい。電子制御インジェクションはこの高低差に対して電子制御で混合気の濃度調整を行っているが、キャブレターにはこの制御がないから俗に言うキャブの調整が必要になる。
現代の車両は、キャブレターが電子制御のインジェクションに進化しており、コンピューターが気圧や気温、酸素量などを測定して、各条件下において必要な燃料を正確に噴射している。
一方でキャブレターは、電気を利用せずにエンジンの負圧を利用してガソリンと空気を混合する調整機器。だから決まった法則によって動くようセッティングされているから、気候条件に合わせた調整を別途行う必要がある。
以上がキャブレターの基礎的部分であり、80年までのアメ車(日本車も)はキャブレターが一般的であった。だがそんなキャブレターは、クルマの進化(技術の進化)とともに消えていく。

▲写真はエーデルブロックの550cfm4バルブ2ステージのキャブレター。一つのスロットルボディの中に2バレルのスロットルバルブが前後に二組入っているから4バレル。そして低速から高速にかけてその前後のスロットルバルブが交互に動いたりしてガソリン噴射と燃焼効率の変化を生み出し適切な燃焼を行っている。

▲「あくまで公道使用を前提に安定した状態で楽しく走るという程度でしたら上記のエーデルブロックで十分ではないかという判断ですね」
「正確にはマスキー法(排ガス規制)をクリアするために技術的進化のもとキャブレターは廃止されインジェクションに替わっていったと言われています」とレーストラックの高橋氏。
で、キャブレターも大きく分けて消耗品ということで、キャブレターのオーバーホールや交換が必要になる。そして様々な形状のものや対応品が存在しており、この部分の交換により「変化」が生じることもあるということで、カスタマイズの楽しさも秘めている。
そんな中、レーストラックでは、交換品としてエーデルブロックの550cfmのキャブレターを使用することが多い。
「あくまで公道使用を前提に安定した状態で楽しく走るという程度でしたら上記のキャブレターで十分ではないかという判断です。もちろん、ドラッグレースやサーキット、もしくは最高速といった最高レベルのパフォーマンスを求めるのでしたらまた別の選択肢もあるのですが、一般使いをメインにするのであれば十分だと考えております」
レーストラックが一般使いに推奨しているエーデルブロックの550cfm 4バルブ2ステージのキャブレターは、一つのスロットルボディの中に2バレルのスロットルバルブが前後に二組入っている4バレル仕様。
そして低速から高速にかけてその前後のスロットルバルブが交互に動いたりしてガソリン噴射と燃焼効率の変化を生み出し適切な燃焼を行っており、パフォーマンスと一般使いにおける安定性がウリである。
ただ「モパーに乗っている方の場合、6パックキャブレターを求める方も多いですね」

▲写真はデーモン製の6パックキャブレター。中央の1基のみに付いているのがチョーク弁。このチョーク弁のついたキャブをプライマリーと言い、走り出して最初にこの1基のみが動く。

▲両端に残る2基のキャブレターは、回転が上昇しある一定の回転数に来ると動き出すセカンダリーの役割を果たし、高回転域に向け作動する。

▲2バレルのキャブレターを3連装としているから6パック。人間の腹直筋に似ているからそう呼ばれる。
6パックのキャブレターとは、2バレルのキャブレターを3連装している形状(6パック)で、人間の腹の真ん中にある「腹直筋」という筋肉がキレイに6つに割れて見える状態をシックスパックと呼び、恐らくだが、腹直筋のシックスパックが先で、その形状に似ているからキャブレターの6パックがそう名付けられたという話である。
写真はデーモン製の6パックキャブレター。中央にあるチョーク弁の付いたキャブをプライマリーと言い、走り出して最初に1基のみが動くキャブレターであり、残りの2基のキャブレターは、回転が上昇しある一定の回転数に来ると動き出すセカンダリーの役割を果たし、高回転域に向け作動する。
すなわち、低速域では1基のキャブレターのみから燃料が吸い上げられ、高速域になるほど空気量が増えるために多くの燃料が必要になり、プラス2基を作動させることで高回転域への爆発力を高めようとする仕組み。
だから例えば、低速も高速も1基のキャブレターのみ稼働するシングルキャブレター装着車に、6パックキャブレターを装着すれば低速から高速にかけて爆発量の変化が体感できるわけだからエンジンフィーリングの大きな変化が望めるというわけである。
「もちろん点火系や吸排気系、そして燃料系等の各パーツがしっかりと働いている前提ですが、キャブレターを交換するだけでも『変化』が体感でき、『楽しさ』が加わる可能性が高いと思います」
今や6パックは、ダッジを象徴する有名な固有名詞。新型ダッジチャージャーのエンジン名称にも使われているが、それと旧時代の6パックキャブレターには関連性は全くなく、単なるイメージ戦略のみ。
改めて、キャブレターもダッジもなかなか奥深い世界である。
138,000円
PERFORMANCE
GDファクトリー千葉店
18,900円
EXTERIOR
ウエストクラブインターナショナル
132,000円
PERFORMANCE
ウエストクラブインターナショナル
3,300円
OTHERS
ウエストクラブインターナショナル