空燃比という言葉を知っているだろうか? 空燃比とはエンジンに吸入される空気と燃料との比率のことで、理論的にはガソリン1に対して空気が15という比率が出力・燃費ともに理想的な状態と言われている。
だが吸気(たとえばエアクリーナー等)や排気(たとえばマフラー交換)だけのカスタムでは、理論上この空燃比のバランスが崩れたことになる。そこで燃料系のチューニングを施すことで、そのバランスを見直す必要があるのである。
ハイテク化した現代のクルマの場合、混合気を作り出す際の燃料の量というのは、スロットル開度と完全に比例しているわけではない。吸入空気量やエンジン負荷、冷却水温などの車体や環境の情報を車載コンピューターが計算して適切な燃料の量を割り出しているからである。とはいえ、コンピューターも万全ではないという。だからこそ、吸・排気系のチューニングを行ったのであれば、その効果をよりしっかりと引き出すためにも、車載コンピューターの燃料マップ(プログラム)を再セッティングしておく必要がある。
車載コンピューターを変更するには2つの方法がある。コンピューターのプログラム自体を書き換え、点火タイミングも変える、いわゆる「ロムチューン」とか「ロム交換」と呼ばれる方法と、車載コンピューターにモジュールを追加して、入力データを変更することで出力データを変えてしまう「追加コンピューター」という方法だ。
「追加コンピューター」は非常にお手軽で、PCMのコネクタにモジュールを差し込むだけでOK。細かい設定はできないが、パワーを全域で上乗せすることができる。一方の「ロムチューン」は、プログラムを入れ替えることで細かな設定までが可能となるので、車体の改造状態に合わせたセッティングを施すことができる。ただし、ある程度の専門知識がないと思わぬトラブルを起こす危険性もある。しかしながらその効果は絶大であり、立ち上がりや高回転域でのフィーリングは明らかに変わる。吸・排気系チューニングは、燃料系までイジってはじめてポテンシャルを完全に発揮することができるのだと言えるのである。
コネクタにモジュールを接続するだけの追加コンピューターとは異なり、ロムチューンの場合は、年式に応じたパワープログラマーをシリアルごとに購入し、それを車載コンピューターに接続してプログラムを入れ替える必要がある。
その後、ロードテスト等を経て細かい設定の調整もできるので、リミッターの位置変更なども可能となる。とにかく緻密な設定ができるので、パワーカーブがきれいに出せるのがロムチューンの特徴だ。
下のグラフはダッジラムのものだが(エンジンはデュランゴと同じ)、ノーマルでもおよそ15〜20馬力はアップしている。吸・排気チューンを行ってあるクルマであれば50馬力くらいはアップするクルマもある。
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