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90年代タホのデフを分解整備

デフのテーパーベアリング交換

異音はタイヤノイズではなくデフ内部のベアリング

レーストラックの工場内には2台の90年代タホがあった。ともにリアデフの分解修理作業。その作業と原因を取材した。

更新日:2025.03.13

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

大事に至る前に異音の原因を追究すべし

 レーストラックに行った時に馬に乗っているタホ2ドアに遭遇した。下回り作業だから「オイル系かな」と思い覗き込んだらリアの作業だった。

 「デフオイルの交換か」。ちょっと気になったのでそのままリアに移動したらなんとデフが分解されていた。

 聞けば「ベアリング交換です」と作業中のメカニックが答えてくれたが、ここ最近、偶然にもデフのベアリング交換を数箇所で聞いていたので、そのまま作業を見学させてもらった。

▲分解整備中のタホのリアデフ。

▲デフケースの中にはデフやギアシャフト、ベアリング等の精密機器が組み合わされている。

 デフとは、ディファレンシャルギアの略で、クルマが曲がる際に内側のタイヤと外側のタイヤの回転数差を制御するために必要なパーツであり、デフケースの中にはその名の通り複雑なギアが絡み合い、また潤滑や耐熱のためのオイルで満たされている。

 で、ギアとギアが噛み合わさることで回転数の差を制御しており、そのギアがスムーズに動くために必要なテーパベアリング(回転や軸方向の荷重を支えることができる軸受)等が存在する。

 そんなデフのメンテナンスとして必要なのが、オイル交換。とはいえエンジンオイルのような年2回程度といった頻度ではなく、例えば3万キロに一回とか5万キロに一回といった程度。

▲テーパベアリングが付いたギアシャフト。

▲デフのギアとシャフトのギアがかみ合って動く。

 だが今回の作業はそういったメンテナンスではなく修理。走行中に唸り音というか走行ノイズを感じるようになり工場入り。最初に行った某工場では「タイヤノイズです」と言われたという。

 だが、納得できずセカンドオピニオンを求めレーストラックにやって来た。そして試乗し各部の確認作業を行うことで、「デフのベアリング異常」と診断された。

 「このタホはマッドテレーンタイヤを履いていたからリアからの異音をタイヤノイズと間違えた可能性がありますが、経験上、リアデフ内部の異常であることが非常に多い。実際に何台も修理しています。

 この年代のタホもそうですし、ダッジバンなんかにも多く起こっています=走行距離と比例することが多いのと、過去にデフをバラしたことがあれば、その時点での人為的トラブルの場合もありますね」

▲リアデフから異音の原因の一つがテーパーベアリング異常。ベアリングと蓋のようにかぶさるカラーが当たりキズが付く。

▲こちらがテーパーベアリング。ご覧のように細かなキズが見える。このキズがリアからの異音の原因になる。

▲こちらがカラー。こちらにもキズが付いている。ベアリングと当たり擦れている証拠。

 このタホは、走行中の異音に気づき異変を感じた時点でレーストラックに入庫したが、実はもう一台レーストラックには同年代のタホが入庫している。その車両も同じデフ異常だったが、その車両は大事になってから入庫したという。

 走行中にデフ内部が破壊し身動きが取れなくなり、レッカーでレーストラックにやって来た。「デフ内部が破損した瞬間は、まるで穴に落ちたかのような『ドカンっ』といった物凄い衝撃で、その後身動きが取れず。アクセルを踏んでも前にも後ろにも動かなくなった」という。

 そりゃそうだろう、リア駆動で、リアのデフが破壊すればリアに駆動が伝わらないわけだからクルマは動かなくなる!

 取材した車両は、大事になる前に、異変を感じた時点で入庫したことで路上エンコを経験せずに済んだ。もちろん、デフ内部のギアのベアリング異常ということで、そのベアリング交換という修理が必要になってしまったが、走行不能にはならずに済んだ。

 で、私が出くわしたのが、ちょうどそのベアリング交換の作業であった。

▲予防するためには「デフオイルの交換、またデフケースからのオイル滲み、漏れのチェックを欠かさず、大事に至る前に対処することが必要」という。

▲分解したデフは洗浄し、各部の確認を終えた後に再び組み付けられる。

▲洗浄されたデフを確認すると各部に異常は見られなかった。

 リアデフケースを外し、オイルを取り除き、内部の各種ギアを取り外す。そして異音の原因となったベアリング部分を分解。

 取り外したベアリングを見せてもらったのだが、そのキズ痕に驚いた。パッと見「ちょっとキズ付いた程度」に見えたのだ。だが、そのキズが走行中の唸り音の原因であった!

 「本来、キズがあっちゃいけない部分なんです。ですから、このレベルのキズでさえも『ガー』といった走行中の異音になってしまうのです」

 「もしくは、過去にデフ内部を分解した際にベアリングとカラーを締め付けすぎてしまい、それが異音の原因になることもあります」

 続けて、これら修理を予防するために、「まずはデフオイルの交換、またデフケースからのオイル滲み、漏れのチェックを欠かさず、大事に至る前に対処することが必要」という。

 いまだ90年代のアメ車人気は衰え知らずであり、そうした車両は少なからず適切なメンテナンスが求められる。上記のデフに関してもその対象であり、すでに異変や異音を感じる場合は大事に至る前に対応した方がいい。

 幸いにも、こうした処置に対応出来るプロショップが存在しているだけに、早めに相談した方がいいだろう。

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