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現代アメ車の整備に欠かせないコンピューター診断機器

ワイテック2.0 (wiTECH2.0)って一体何だ?

FCA車両ユーザーが知っておくべきショップリスト付き

最近、上記トップ写真のような整備シーンをよく見かけるが、聞けば、現代の最新アメ車の整備に関しては、コンピューター診断が欠かせないという。特に最近何かと話題のFCA車両に関しては、「ワイテック2.0」が必需品である。販売元の阿部商会にそこら辺の経緯を聞いてみとともに、ショップリストを最新版に改訂している。

更新日:2021.03.05

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/阿部商会 TEL 048-615-1280 [ホームページ] [詳細情報]
     ABE CARS Tama Garage (撮影協力) TEL 042-311-0041 [ホームページ] [詳細情報]

現代のアメ車はアナログ時代の整備とは求められるものが異なるから電子デバイスが絶対に必要になる

 当サイトによく出てくるワード「ワイテック2.0(wiTECH2.0)」。これはFCA車両にまつわるECU関連のトラブル時に必要な電子デバイスの名称である。

 2000年以降のアメ車は、コンピューター制御がどんどん複雑になっていき、そうした制御が行われている部分にトラブルが起きた場合「どこに、何が起きたか」がコンピューターに記録される。

 で、そのトラブルを解消するために、まずは記録されたそのトラブル情報(トラブルコード)を確認しなければならない。

 そしてその情報を読み込み、確認するための機器が電子デバイス、もしくはテスター、スキャンツール(どれも同じものを指している)=ワイテック2.0(wiTECH2.0)である。

 正式には2017年まではワイテック1.0であり、2018年以降にワイテック2.0に進化した。

 で、問題となるのが、このワイテック2.0の成り立ちと現在の状況である。

 2017年末に突如「2017年まで使用できていたワイテック1.0 が2017年いっぱいで使用不可になり、2018年からはワイテック2.0のみでしかFCA車両のトラブル情報閲覧&更新作業ができない」とのアナウンスがあった。突然の事態に業界中が騒然となったのは言うまでもない。

 それから2年ちょい。すでにワイテック2.0のみでしか、FCA車両の対応ができないようになっている。果たしてこの動向に対して各アメ車ショップはどうしたのか?

 それまで使用できていたワイテック1.0が使用不可になるという衝撃。実際には、今でも2018年までの車両のトラブルコードの確認は可能というが、それ以上の操作は不可能であり、いずれにせよワイテック2.0がなければ必要なトラブル修理や更新作業等は行えない。

ABE CARS Tama Garageさんに最近入庫されたグランドチェロキーSRT8をベースにして診断機、ワイテック2.0を繋いでチェックしてもらった。

ABE CARS Tama Garageさんでは、車両とワイテック2.0をワイヤレスで繋ぎチェック。この画面が車両の状況を表示しているトップ画面。担当メカニックはこの状況で何が起こっているかを認識している。

現状、日本語で表記される部分が多くなっているが、所々に英語表記が混じりあう状態という。FCA側も年々対応して日本語表記を増やしている最中でもあるという。

FCA車両に必要なワイテック2.0

 このワイテック2.0は、たとえばチェックランプが点灯した時に、その点灯理由を確認するために必要であり、さらにその原因となったトラブルを解消した時には「部品を交換しました」という信号を送り作業完了を伝える場合にも必要になる。

 また、時に本国メーカーからリコール情報が出た場合やその他トラブル解消におけるリプログラミングする場合にも必要であり、正直、現代のFCA車両を扱う上でまずは所有していないと整備どころの話ではない。

 だから、旧ワイテック1.0でトラブルコードの確認が可能であっても、その後の作業ができないわけだから、正直ワイテック1.0を持っていても無意味である。

 またトラブル修理以外でも、例えばミッションオイルの交換時には、油温と油量を電子デバイスで計測しながら交換する等、メンテナンス時にも必要になる。

 というか、本国ではこうした正規の電子デバイスを使用したトラブル内容の確認やリコール対応及び新たなプログラミング等を各ディーラーで普通に行っている。要するにそうした整備を同じようにするなら当然日本にいても同じ機器が必要と考えるのは筆者だけではないだろう。

 だから当然日本でFCA車両を扱うのであれば、ワイテック2.0の導入が必要不可欠ということになるはずである。

 ということで、このワイテック2.0の日本での販売&保守を行っている阿部商会・相蘇氏に話を聞いた。

 「実際のところ、今現在弊社を通して導入しているショップは26軒といったところです。正直、私個人的な意見としてはこれでもかなり多いという判断です」

 というのも、このワイテック2.0導入における最大の壁が初期費用であるというから。

 ベース機器で約40万円、必要ライセンス取得に約30万円(しかも年一更新のたびに支払いが必要)、テックオーソリティと呼ばれる

こちらはテックオーソリティと呼ばれる技術整備書閲覧のためのトップ画面。ワイテック2.0で状況を確認し、整備が必要になった場合は、この技術整備書を開き、整備のための情報を得る。だが、この閲覧の表記は英語。さらに1日、3日、7日、30日、3ヶ月、半年、1年と期間を指定して費用を支払わなければならない。

このグラチェロの状態に大きなトラブル等の異常はなかったが、ECUのアップグレードの情報が認識されていたから、最終的な納車前整備で更新する必要があるということだった。

「こうしたアップグレードを知らず放置しておけば、その後に大きなトラブルに繋がる可能性もあり、適切な処置が求められる。一方で、ワイテック2.0を所有していなければ、こうしたアップグレードを行うことはできない」と阿部商会の相蘇氏は語る。

技術整備書の閲覧のために必要な費用が1日、3日、7日、30日、3ヶ月、半年、1年と期間を指定して購入できるそうだが、その費用がかかる。そして今年からフラッシング(プログラミング)を行うにあたり、VINナンバーごとの課金が始まっているから、ざっと70万円近くの初期費用がかかり、さらに毎年更新と使用時に個別に必要になる費用が永続的にかかるという。

 しかも、アメリカ本国のサーバーに直接アクセスするため、適切な通信環境が求められ、安定した素早い通信の確保が大原則。時にはパソコン自体のリニューアルや工場内のwi-fi環境の整備に別途費用が必要になるといった副産物まであったりするから大変である。

 「実はアメリカでワイテック2.0の中国製のコピー品が出回っており、その一例を見た日本のショップでも、そうした中国製のコピー品を使用しているところがあるらしいんです。そういったコピー品はあくまでコピー品ですから正しい作業が完了できるかどうかの保証はありません。

 で、そうしたコピー品の取り締まりではないのですが、排除するためにも、FCAでは対策としてvinナンバーごとの費用請求を新たに導入したり、頻繁に本人確認が入るという仕組みになっているのです」

 そうしたもろもろの環境整備と初期費用が必要になり購入に至り、やっと作業開始となると、また別の問題に直面する。

 上記電子デバイスやテックオーソリティを使用していくと肝心なところが英語表記になっている。 修理のサービスマニュアルはすべて英語表記であるから、メーカーの指示に基づいた整備をするには、英語の読解力が必要になるのである=ショップメカニックが使いこなせる自信をどんどんなくしてしまうという。

 しかも、これってFCA車両に関してのみの話である。例えばフォード車やGM車を扱うのであれば、それらメーカーの電子デバイスが別途必要になるわけで(それぞれの初期費用に関してはメーカーによって当然変わる)、そう言う意味でも現代車両を扱うには越えなきゃいけない様々な壁が存在すると言われているのである。

 逆に導入しているショップは、そうした壁を越え、ショップとしての義務を果たそうとしていると言えるだろう。当然それ相応の覚悟や意識を持たないと導入できるはずもない。

 ちなみに持っているということが大前提であるが、それらを見事使いこなしているかどうかという部分においてはまた別の話であり、その部分については改めて触れるつもりである。

弊社調べですが、今現在日本全国で26軒の店舗がワイテック2.0を所有しています。ユーザー目線で言えば、絶対にワイテック2.0を使用しているショップに行くべきだと思いますね」

 余談だが、2018年以降、ワイテック2.0の導入関して、一部のショップで検討されたのがFCA車両からの撤退である。2018年以降のFCA車両を扱わないショップが一気に増えた要因とも言われているのである。

 さて、上記記事は基本的にショップ目線での内容であり、ここからはFCA車両ユーザーの目線から。

 まず、2018年以降のFCA車両を購入、もしくはすでに乗っている方は基本、ワイテック2.0を所有しているショップから購入する、もしくは整備してもらうのがいいだろう。

 特に現代車は、トラブル修理のみならずメンテナンスでさえ電子デバイスが必要になるだけに、当然の流れであると考える。

 もちろん、今現在、所有してないショップでも、ワイテック2.0が必要になった時点で所有しているショップに外注するとか、助けてもらうとか、そういった行動があれば当然話は変わってくるが、まずは前提としてしっかり所有の有無の確認するのがベターである。

 筆者の知人で2015年型ダッジチャレンジャーR/Tの8速ATを新車で購入して、すでに6万キロをノントラブルで走り切っているオーナーがいるが、彼もワイテック2.0を持つ工場にて定期的な整備をしっかり受けており、いまだ「車両は全く問題ない」と語っていたが、これもすべてにおいて適切な整備がもたらす結果と言えるだろう。

 最後に。今現在、このワイテック2.0を所有しているショップが以下の通り。参考にして欲しい。

■Confident
・北海道札幌市白石区川北2248-2
・011-799-0321

■オートシーン
・北海道札幌市白石区菊水9条3-9-26
・011-811-2821

■ABE CARS Tama Garage
・東京都多摩市永山6-22-3
・042-311-0041

■Garage Daiban
・東京都江戸川区一之江8-4-5
・03-5607-3344

■クワッドドライブ
・埼玉県川口市本蓮2-8-12
・048-281-5853

■HPP
・埼玉県熊谷市村岡1937-2
・048-577-7341

■キャルウイング
・埼玉県所沢市松郷312-3
・04-2991-7779

■Buzz Factory
・埼玉県川越市脇田新町7-7
・049-238-8110

■Sky Auto
・埼玉県越谷市南荻島708-1
・048-976-1235

■スペース YOKOHAMA
・横浜市都筑区佐江戸町146-1
・045-530-0139

■BUBU 横浜
・神奈川県横浜市緑区霧が丘5-1-5
・045-923-0077

■BUBU 高崎
・群馬県高崎市問屋町西2-4-5
・027-364-3311

■BUBU 宇都宮
・栃木県宇都宮市東簗瀬1-1-11
・028-632-6699

■BUBU 筑波つくばショールーム
・茨城県つくば市学園の森3-45-7
・029-846-6600

■BUBU 柏ショールーム
・千葉県柏市松葉町7-16-5
・04-7137-1700

■BUBU さいたま
・埼玉県さいたま市南区内谷1-7-1
・048-710-6226

■Hands Cars
・愛知県北名古屋市熊之庄城ノ屋敷3154-4
・0568-25-6033

■Booget
・愛知県豊明市沓掛町西田56-3
・0562-91-0020

■WHA
・愛知県名古屋市西区児玉3-38-2
・052-523-3003

■LUXZ|ラグジ
・岐阜県岐阜市長森本町2-1-4
・058-259-3922

■UGアーバンガレージ
・大阪府茨木市横江1丁目15-52
・072-638-5579

■North Pinetree
・兵庫県西宮市鞍掛町9-22
・0798-37-0777

■BUBU 阪神
・兵庫県尼崎市南塚口町4-3-37
・06-6427-5151

■Car Box
・広島県安芸高田市八千代町下根1404-3
・0826-52-3052

■BUBU 福岡
・福岡県福岡市博多区金の隈3-12-1
・092-503-5600

■Motown Automotive
・宮崎県宮崎市新別府町土田577-1
・0985-72-7000

※ジープ正規ディーラーや阿部商会以外から購入されている店舗も存在するというから、
ここに掲載したショップが全てというわけではありません。

「この車両はほとんど問題はありませんでしたが、過去に、初めて診断を受けたチャレンジャーで40以上のエラーコードが出たっていうのもありましたから、定期的なメンテナンスや診断は必要ですね」とのこと。

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