テスラは昨年日本にて5200台超の販売台数を記録している。2020年が約1900台ということだから一気の2.7倍以上の伸び率。当然今年はそれ以上の販売台数が見込めるだろうし、コロナ禍やウクライナ問題の影響がなければ普通に昨年の2倍、いや3倍の販売台数が記録されてもおかしくはない。そのくらい今、テスラ人気の勢いは高まっている。
この数字、例えば2021年で日本での販売台数過去最高数字を記録といわれるジープが1万4294台だから、あと2、3年もすればテスラがジープの販売台数を抜きアメリカ正規輸入車のトップの座に躍り出るかもしれないのである。
今現在、毎日のように見かけるジープラングラーだが、いずれ毎日のようにテスラを見かけるようになるのだろう。というか、今でもほぼ毎日何かしらのテスラを見かけてはいるのだが。
で、テスラの話に戻るが、テスラでは現在、モデルS、モデルX、モデル3の販売が行われているが、正直、まだまだあまり認識が及ばないのもあるのだが、街中で見かけるテスラの瞬間的な見分けがつかない。余談だが、6月10日にモデルYが発売になっているから、今後街中で見かける数がもっと増えるだろう。
というか、デザイン的にはどれも同じような(といったら失礼だが)、ジープのようにグラチェロがありチェロキーがありラングラーがありレネゲードがありコンパスがあり、といった具合にデザインの変化が大きければ見分けもつくが、テスラに限ってはまだまだその領域に達しないから、どれも同じに見えてしまう(場合が多い)。
▲左からモデルS、モデル3、モデルX、モデルY。正直、道路ですれ違った時に見分けがつかないことが多い(笑)
▲ボディカラーは、白、黒、シルバー、青、赤の計5色。ご覧のモデル3は白が多いような気がする。
くわえて、ボディカラーが少ないのも輪をかけて認識違いを起こさせる。白、黒、シルバー、青、赤の計5色。いわゆる無駄なお金はかけないというテスラのポリシーなのだろうが、色もカタチも似たり寄ったりだから、素人目に瞬間的な区別がつかないのは致し方ないのだろうし、カラーで差別化が図れないのも残念だ。
一方、テスラオーナーになった方々の中には、当然、数が少ないからこその優位性みたいなものを感じて先んじて乗っていた方も多く、人気の上昇と共にユーザーが増えていくことで街中で浴びていた視線がだんだんと減りつまらなさを感じている場合もあるはずである。
で、そういったテスラ内での差別化があまり図れず、またテスラ車が増えてしまったことで次第に埋没してしまっている愛車の輝きを増す方法として今注目されているのが、『テスラ・カスタマイズ』
実はアメリカではすでにテスラベースのカスタマイズがメジャーになっており、様々なパーツ開発やアプローチがなされている。
▲テストカーたるモデル3のタイヤ交換を行うのはABE CARS。ABE CARSには、テスラに対応可能なメカニックや機材が揃っている。
▲今回交換するホイールはVORSTEINER(ボルシュタイナー)の20インチ。奥に見えるタイヤ&ホイールはそれ以前にテストされていたNOKIANタイヤ。
▲VORSTEINERに組み合わせるタイヤは前後異サイズのPIRELLI P-ZEROという最高峰タイヤ。ちなみにタイヤサイズを選ぶ時には注意が必要で、直径が変わってしまうサイズ選びはお勧めできず、テスラカスタマイズ推奨のサイズを選ぶこと。今、ウクライナ問題でタイヤの在庫も限られているから、余計に注意が必要である。
だがテスラの場合、機能がカタチになっているからこそのデザインであるから、何かしらイジれば「機能」に影響を与えることになり、そこに注視すればするほどカスタム意欲は減退するはずである。
とはいえ、かつてプリウスをイジり倒したカスタマイズカーが溢れていた国である。当然テスラもお構いないしにイジり倒されている(笑)
もちろんイジれば電費が変わりそれによって航続距離に変化が生じるが、多少の変化は受け入れ、「通常よりも多く充電すればいいだけのこと」と全く気にしない素ぶりはさすがアメリカ。
で、その流れが、徐々にではあるが、日本にもやって来ている。とはいえ、日本の場合、さすがにアメリカ本国の流れとは異なり、比較的電費の変化が出ないような仕組みが考察されているのはさすがである。
具体的にはホイール&タイヤ交換。さらにはローダウン。最近ではエアロまで開発されているという話を聞くが、今回はタイヤ&ホイールの話。
取材した阿部商会には、昨年からモデル3(デュアルモーターのロングレンジ)のテストカーが導入されており、今年の冬発売予定のスタッドレスタイヤをテストする等すでに幅広い活動を行っている。
▲20インチ超といった大径タイヤともなると、作業できるショップが意外に限られる(それ相応のタイヤチェンジャーの有無や装着の技術的問題によるもの)。ABE CARSには当然作業可能なチェンジャーが導入されている。
▲タイヤ交換をする場合、TPMS(タイヤプレッシャーモニターシステム)の装着が求められる。旧タイヤから移設するという方法もあるが、意外にやっかいなため、今回はテスラ用の新品を新たに装着する。ちなみにテスラの場合はブルートゥースで車両が認識しているというから(最も進んだシステム)交換後にTPMSを読み込ませる等の作業はいらない。
▲タイヤとホイールの直径が同じであるから、右から左にはめ込むようになんて簡単にはいかない。だがABE CARSにあるチェンジャーでは、タイヤチェンジャーのアームとローラを使い、タイヤのサイドウォールを押したり伸ばしたりしながらあっという間に装着。
▲一昔前までなら、タイヤのサイドウォールが、タイヤによって(もしくはメーカーによっても)硬さが違うためにタイヤに応じた力の入れ加減が必要になったりして、タイヤをちぎってしまったり、ホイールにキズを付けたり…。そんな事例がたくさんあったのだ。が、ABE CARSでは何事もなく、いとも簡単に作業しているように見えた。
そんなテストカーに阿部商会テスララインナップ第一弾として装着されているのが、VORSTEINER(ボルシュタイナー)とピレリタイヤ。
VORSTEINER(ボルシュタイナー)とは、ロサンゼルスのホイールブランドであり、今やハイブランドな車両御用達の高性能ホイールとして人気が高い。
一方のピレリタイヤはご存知アメリカンハイパフォーマンスカー御用達の超ハイスペックタイヤであり、両者を組み合わせることで、テスラモデル3のスタイルと性能をワンランク以上格上げする。
ということで、その交換作業から装着後の変化を取材。取材場所は、ABE CARS。ABE CARSにはテスラの作用を行う上で必要な情報、メカニック、機材等といった環境が揃っている。
▲タイヤとホイールを組み付けたら、バランサーにてバランス取りを行なう。
▲結果、15g~40g程度の重りをつけるのみ。余談だがかつて装着した質の悪い大径ホイールには400g(ステーキ一枚分)の重りをつけたことがあったという。
▲非常に高性能なホイールとタイヤの組み合わせであることがわかる。そして最後に空気圧を充填する。モデル3メーカー推奨空気圧2.9barというからかなりパンパンの状態である。
▲車両をリフトに載せタイヤを交換する。テスラは下面に電池が敷き詰められているから間違ったジャッキアップは電池に傷をつけたり悪影響をおよぼすので注意する必要がある。
▲車両の四隅に補強された部分があり、そこに純正のパッドを当てリフトに載せる。こうした機器やメカニック、知識といった面からもABE CARSはテスラの作業が可能なショップであると言える
▲フラットな下回りをスタッフ含めみんなで見る。筆者は初めてみる。また交換以前に装着されていたリアタイヤの磨耗について語る。
▲タイヤ4本の交換を終えたらトルクレンチにて規定値にてナットを締める。
▲モデル3のホイールナット締め付けトルクは175Nm。一般的な輸入車や国産SUVと比べてもかなり高い締付けトルク。高いトルクに耐えるための太いスタッドボルトも使われており、ハイトルクに対する配慮がうかがえる。
▲交換終了後、車両側にタイヤを交換したことを入力する。テスラは装着されたタイヤの情報をもとに電費を計算しているから、タイヤが交換された後に情報訂正をしておく必要があり、それをしなければ交換前のタイヤサイズで電費を計算してしまうから、航続距離に異常が生じてしまう。
▲よってテスラ側にタイヤを交換したことを入力する。とはいえ、カスタマイズタイヤを装着したことを入力はできないから、テスラの情報内に予めある「20インチタイヤ」に交換したという情報に変更する。これで少なくとも、以前の19インチではなく、20インチに交換されたという情報が車両側に入力されたことになるから、それをベースに電費が計算されるように変更される。
▲ただし、車両側に20インチに交換したことを伝えても、「あくまでも純正20インチを装着した」という情報を入力したに過ぎず、今回のカスタマイズようにリアのタイヤ幅が大幅に変更となっていることは入力できないので、車両コンピューターが算出する電費(航続距離)の計算は確実に狂ってしまう。しばらく走行して実際の消費電力がどれほど、車両側の計算と違うのかを把握する必要がある。
ということで、次項で装着シーンをご覧ください!
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