まずはテスラモデル3の純正タイヤについて。モデル3の純正タイヤはグレードにより異なり、18、19、20インチが採用されている。そして約1万キロでの前後ローテーションが勧められている。
■スタンダードレンジプラス:RWD:前後共に235/45-18
■ロングレンジ:AWD:前後共に235/40−19(デュアルモーター)←取材車
■パフォーマンス:AWD:前後共に235/40-20(デュアルモーター)
そして今回装着したVORSTEINER(ボルシュタイナー)のV-FF109のサイズが以下の通り。
<ホイールサイズ>
■フロント:20 x 9.0 +38 5/114.3
■リア :20 x 10.5 +45 5/114.3
<カラー>
■ZARAGRAY
<タイヤサイズ(PIRELLI P-ZERO)>
■フロント:245/35R20
■リア:285/30R20
すなわち純正の前後同サイズとは異なり前後異サイズへの変更となるから、当然純正機能から変化が生じ若干電費に変化が生じるはずだが、一方でそれによってこれまで感じられなかった変化、特に迫力やかっこ良さが段違いにアップするというわけである=前後異サイズだけに1万キロごとの前後ローテーションも叶わなくなるが。
ちなみに、取材車の純正タイヤは韓国Hankook製の235/40−19。一方VORSTEINER(ボルシュタイナー)は20インチである。
が、高性能ホイールだけに、純正比でホイール単体の重量が20インチであるにもかかわらず軽くなっており、同時にHankook製のタイヤからピレリP−ZEROタイヤへの変更により、これまたタイヤ自体が高性能かつ軽くなっていることもあって、インチアップはしているが、予想に反してタイヤ&ホイールの合計重量が純正装着時よりも数kgだが軽くなっている! それによって電費が悪くなる可能性が低くなるのでは? と期待。
だが実際のところは、純正19インチ時と比較して約7~10%ほど悪化したという(どんなに穏やかに運転しても純正の電費には到達できなかったという)。
これは、(装着後数回運転してみての計算ではあるのだが)、実際にホイール&タイヤの重量は純正19インチよりも軽くなっていることは間違いないが、やはりタイヤと路面の接地面が純正時よりも増えていること、そしてホイールのデザイン変更による空力性能ダウンが考えられるということで、近所を走り回る分においては全く問題ないが、ちょっと遠出する場合には電費10%ダウンということを想定して行動する必要が出てくるということである(例えば満充電で480km走行できるとすれば430km前後に変化してしまうということ)。
もっと正確に言えば、今回の純正19インチから20インチのボルシュタイナー&ピレリタイヤ(リア285)の組み合わせで約10%前後の悪化が計測されたということである。
だから例えば純正18インチから今回の組み合わせホイール&タイヤへのカスタマイズを行えばまた違った数字が出てくるだろうし(もっと悪化?)、他のタイヤホールでの重量変化やタイヤブランドの違いによる転がり抵抗の変化、冷暖房のON/OFF、外気温、雨など・・・。
ガソリンエンジン車ではそこまで気にならないような燃費の差が、EV車だと電費の変化として生じてしまう可能性があり、得るものがあれば失うものもあるということ(しかも内容、状況等により電費の数字も変化する)を事前に認識しておかなくてはならない。
「テスラには、EVで連想される道具感というものがありません。どちらかといえばオモチャ感であり、『運転していて楽しい』と感じるクルマです。特に内燃機関と違いモーターはアクセルを踏んだ瞬間にトルクが急激に立ち上がるので、ペダルワークに敏感に反応しますし、驚異的な加速も味わえます。運転していて地面から浮いている浮遊感をいつも覚えます。
一方で、それだけの加速を生み出すわけですから、リアタイヤの負担は激しくなる。テスラが純正タイヤを1万キロごとに前後ローテーションを勧めるのもそのせいだと思います。
今回、我々が提案する新たな試みは、そんなテスラの過激な加速に耐え得る高性能なホイールとタイヤを履かせ、純正以上のパフォーマンスを与えようというものです。もちろん見た目の迫力やカッコ良さもありますが、テスラの機能をある程度守りつつ個性を出すには『高性能パーツの装着』というのがキーワードです」と開発メンバーの一人である相蘇氏。
続けて「ただ、見た目のかっこ良さと走行性能向上を狙えば、このタイヤとホイールの組み合わせで航続距離を10%超失うことが明らかになりました。もちろん、20インチに履き替えてからはリアの285というタイヤ幅もあり、走行安定性はめちゃくちゃ上がりましたし、コーナリングも今まで以上に安定したように感じます(ただでさえ電池が床一面に敷き詰められ低重心であり、それだけでも既存の乗用車とは比べ物にならない安定感なのに)。
くわえて、ハイトルクと低重心を生かすためには路面と唯一接しているタイヤが物凄く重要であることも良くわかりました。もちろんPIRELLI P-ZEROという最高峰グレードのタイヤであることも大きいです。
ちなみに、電費(航続距離)と引き換えにルックスとパフォーマンスを選んだ場合、電費の悪化以外にEV特有のハイトルクからくるタイヤ摩耗のスピードの早さにも注意が必要になります=高性能タイヤを交換&履き続ける費用面での負担も生じる可能性が考えられます」
確かにテスラ=EVとはいえ、正直、万人が買えるような道具感満載の実用EVでは全くない。最新のモデルXの新車なんかは2000万円くらいするし、実用車というよりはれっきとした高級EVであり、だから装着するパーツはそれに比例した高性能パーツが相応しいに決まっている。
しかも装着されたパーツは、世界的にも名だたる高機能パーツでもあり、高級EVたるテスラにこそよく似合う。
ご覧いただいている通り、装着後のモデル3の変化は著しい。特にフロントのブレンボブレーキがはっきり見える状態になり、見るからに速そうな雰囲気を発している。しかも前後ほぼほぼツライチ状態をキープ。
これだけでも街ゆくモデル3とは比較にならないほど個性的&ただならぬ雰囲気を発しており、ホイール&タイヤ交換は大成功ではないか。
ちなみに、カスタマイズの代償として電費の悪化というのがあげられているが、それに関して言えば、テスラ以外の車両、例えばチャレンジャーやエスカレード、ナビゲーター、ハマーH2 etc においてもカスタマイズすれば内容は違うにせよ、トレードオフとして失うものはあるはずである。
テスラに関して言えば、それが電費に直結してしまっているということだが、基本、カスタマイズすればどんなクルマだってプラスの他にマイナス要因はあるわけだから=自己責任が付きまとうから、そこはテスラだけにマイナス要因が起こるわけではなく、カスタマイズ全般に起こりうると考えるべきである。
よって上記のマイナス要因を飲み込めるなら是非ともテスラベースでのカスタマイズを楽しんで欲しい。
今後、この状態でテスト走行し、電費の変化や走行性能及びドライバーの体感の変化をリポートしていくというから非常に楽しみである。
VORSTEINER社は2004年にロサンゼルスに設立され、当時はBMW E46をベースにしたカーボンファイバーのエアロを自社で開発&販売していたという。その後、高品質なカーボンファイバー製エアロに完璧にマッチするホイールの開発に着手し、2006年より鍛造アルミホイールの発売を開始している。
2012年にはVORSTEINER鍛造ホイールのデザインコンセプトを、よりリーズナブルに市場供給するために当時の最新のホイール製造方法であるFlow Forged製法を取り入れ、デザインの自由度が高くかつ、鋳造ホイールよりも軽量化出来る「VORSTEINER V-FF」シリーズの発売を開始。
今ではポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ、アウディ、BMW etc といったゴージャスかつ高性能といった様々なハイブランドな車両に装着されている。
今回、タイヤ&ホイール交換を取材する直前までテストしていたタイヤがNOKIAN HAKKAPELIITTA R5 EV(ノキアン ハッカペリッタ)。ノキアンタイヤから今夏発売予定のEV専用スタッドレスタイヤである。
EV車両は、電池搭載により車両重量がかさむ場合が多く、タイヤに求められる耐荷重の要素が内燃機関搭載車両よりも大きくなる。
とはいえ、日本でチョイスできる「EV用タイヤ」の数は少なく、特に冬用スタッドレスタイヤはほとんどなく、阿部商会においては昨年からノキアンタイヤの冬用タイヤをテストしていたという。
当然EV用であるから、耐荷重を強化し、EV車特有のトルクやパワーの出方に対応するためにトレッドコンパウンドの改良でトレッド剛性を適正化する工夫が施されている。その一方で、タイヤのノイズを抑える吸音スポンジを適用しEVならではの静粛性の高さを維持する等の対応がなされている。
もちろんEV専用タイヤでありテスラ車にも対応しているから、今年の冬は多くテスラユーザーが入手するはずである。
ちなみにテスト装着ということで、それなりにアクセルを踏んでいたということで、当然リアタイヤの磨耗は起こっていたが、それこそ「EV専用であのレベル」、ということであり、「それが通常タイヤだと相当にヤバイ」とも言えるそうである。
なお、発売開始は8月を予定しているという。
283,800円
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あとづけ屋
183,250円
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272,800円
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3,553円
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